JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

失衆則失國

2009年08月31日 | s-u

台風が近づいています。すでに賞味期限を過ぎた我が家が耐えきれるのか、ちょっと心配で、様子見ついでに仕事を切り上げてきました。夕刻から夜にかけてがピークでしょうからけっきょくは出掛けることになるんですが、帰ってくるまで我が家が存在していることを信じましょう。(笑)

「しかし、おんなじような放送を見て、何が楽しいのかねぇ」
あはは、これは昨晩の選挙速報をチャンネルを変え変え見続ける私に、ほとほと呆れた家人の物言いですが、まるでマラソンか駅伝中継のごとく、どうしても目が放せないわけでして、
「なに言ってんの、始まったと同時に結果が出てるようなのと、最後まで分からないマラソンとは違うでしょうが」
おっしゃるとおり。(笑)
「でもほら、大嫌いなあの人はどうだったろうとか、頑張って欲しいと思ってたあの人はどうだったろうとか、各党の動きはどうだろう、どんな発言をするだろうって、気になんジャン」
この心境は、家人にはまったく理解してもらえないようです。

結果はといえば、個別の泣き笑いは置いといて、あれだけ「民主圧勝」との事前報道が続き、「こりゃぁ、そうとう自民への引き戻しがあるよぉ」なんて思っていた私の予想をもろともせずに「民主大圧勝」に終わったわけですが・・・・・・
いやぁ、小選挙区制の怖さですかねぇ、これほどまでに大差がつくとは「恐ろしや恐ろしや」といったところでしょうか。

この小選挙区という制度が、日本という国に適当であるのかどうかは、私にはまったく分かりません。(笑)ただ、裏を返せば「圧勝した民主党とて国民に背を向ける政治を行えば、すぐに何百もの議席を失うことになるよ。」という警告でもあるわけで、与党になる民主党も下野した自民党も、常に危機感を持って国民本位の政治を行って欲しいと期待しています。

 得衆則得國、失衆則失國
    「衆を得れば則ち国を得、衆を失えば則ち国を失う」

自民にとってはまさに『失衆則失國』だったわけですが、今回の選挙が結果ではなく、次に『得衆則得國』を理解し実行した者が勝者であることを、落選者にも当選者にも肝に銘じていただきましょう。

政権が変わろうとも、台風が来ようとも、今のところ昨日今日の生活に大きな「チェンジ」も無い私、昨日はとうぜんいつものごとく料理当番でした。
ということで『料理当番、本日の一品』です。

私は、サーモンの刺身と秋刀魚の蒲焼き風、それに冷やしトマトとお新香というメニューで、選挙速報同様、長々とお酒を楽しんでおりましたが、家人には同じ材料の「手まり寿司もどき」を作りました。
酢飯には、茗荷の甘酢漬けと大葉をそれぞれみじんにして混ぜ込み、そこそこ好評でしたよ。

さて、今日の一枚は、セシル・テイラーです。
現在の版権はブルー・ノートにあるようですが、もともとはトランディションから発売になった彼のデビュー作で、なんと足代だけのギャラで吹き込んだというアルバムです。

私にとってテイラーは、かなりの間好意的に受け止められなかったピアニストでした。
それは何故だったのか?考えてみると完全な先入観であり、『食わず嫌い』に等しいものだったのかもしれません。では現在は?といえば、『食べたら味があった』に変わっていますねぇ。
もちろん、「何度聴いても根本からダメ」という方を理解できぬわけではありません。つまり、好みがハッキリと出るプレーヤーだとの認識は変わらないからです。

このデビュー作では、まだまだらしさを出し切れていない面もあるものの、モンクやエリントン、そしてコール・ポーターの曲を、みごとに調理してテイラーの曲に変えているあたり、快演だと思います。(もちろん、三曲のオリジナルもですが)

やっぱりテイラーの売りは、いい子ぶらないツッパリ感なんでしょうねぇ、
ここでは、ソロ、トリオ、カルテットと三種類の構成で彼のツッパリぶりを聴くことが出来ます。
私の場合はモンクを聴くときのようにソロを重視する傾向があるからかもしれませんが、ここでもソロに最もテイラーらしさを感じます。ツッパリといわれる人に限って根が優しかったりするから、このての人はまわりに気を遣っちゃイカンのですよ。(笑)
けして八方美人にはなれない「不器用な男ですから」。

JAZZ ADVANCE / CECIL TAYLOR
1956年9月14日録音
CECIL TAYLOR(p) STEVE LACY(ss) BUELL NEIDLINGER(b) DENNIS CHARLES(ds)

1.BEMSHA SWING
2.CHARGE 'EM BLUES
3.AZURE
4.SONG
5.YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
6.RICK KICK SHAW
7.SWEET AND LOVELY


あたしゃ選管の回し者

2009年08月29日 | a-c

昨日今日とちょっとした夏の呼び戻しか、いやいや、その前の数日間より少しだけ気温が上がっただけですから、やっぱり夏は旅立ってしまったのでしょう。

そんな夏に未練を残しつつ、明日はいよいよ総選挙ですねぇ
「いずれ教科書に載るかもしれない」とか、「歴史的一日になるかもしれない」とか、いろいろ言われておりますが、最も大切なことは日本の主権が国民である事を、ほぼ唯一実感できるであろう日、それが投票日だということでしょう。
方や投票に国民が命をかけなければいけない国もあれば、方や国民の意思など全く無関係に形だけの選挙を行う国もある、それに比べれば、自由に安全に投票を行える私達は幸せ者です。みなさん、権利はなんとしても行使しましょうね。って、お前は何者だい!(笑)
いずれにしても、自分の一票がこれほど大きな意味を持つであろう選挙は、そうそうあるもんじゃないと私は思うわけで、明日はしっかり自分の意志を票に託してきたいと思っています。

今日の朝日新聞土曜版beの『サザエさんをさがして』は、1054年2月に刊行された伊藤整著『女性に関する十二章』を題材に取ったものでした。
「へぇ~~、『女性に関する十二章』は、チャタレー裁判の只中で発刊されたんだぁ・・・・」
と、『女性に関する十二章』も伊藤氏が翻訳された『チャタレー夫人の恋人』も読破をしたかのようにつぶやいた私ですが、『女性に関する十二章』は読んでおりません。(笑)

記事内でエッセイスト、池内紀さんが「この本の衝撃は、タイトルや花森安治デザインの酒脱な新書判の外観にこそあった」との前置きで、こんなことを語られています。
「戦後、真っ黒になって働いて生きてきた女たちが、やっと、しとやかに着飾ってもいい、という時代になったのですね。働く『女』が美しい『女性』として扱われる転換期。内容はともかく、ページを繰って十二章まで読んでいくとレディーになっている、という幻想を与える章立てがうまい。女たちは競って本を手に取ったはずです。」

なるほど、タイトルや表紙のデザインが幻想を生み、ついついその本を手に取ってしまう、レコードでいえば『ジャケ買い』ですか(笑)、これはおおいにありますよね。
でも、それだけで四、五十万部のロングセラーを保つとは思えません。内容もそれに準ずるものであったのでしょう。(読んでないからなんともいえない。笑)

そんなことで、話を戻しましょうか。
人間誰しも外観や雰囲気で何かを選ぶ、これって責められることでもありませんし、しごく当然なことです。だけど、その選択が後悔につながることもまたありがちなわけで。
すでに明日の投票を誰に、どの党にするかは決定している私ですが、「外観や雰囲気に惑わされていはないか?もう一度考慮してみようか」なんて、この記事を読んで思ったのでありました。だって、前回の郵政選挙は、これでやられた人が相当数いたんじゃないか、なんてね。

さて、今日の一枚は・・・・
という前に、前回とんでもない嘘をついてしまったことをまずはお詫びしたいと思います。え~~、ジム・ホールのアランフェスをA面のごとく紹介してしまったことです。私が世間に背を向けよく聴いていたのは、A面「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO」「TWO'S BLUES」「THE ANSWER IS YES」であって、ジャズ喫茶『E』でかかっていた、アランフェス(「CONCIERTO DE ARANJUEZ」)は、B面収録曲です。(まっ、皆さんご存じでしょうが)

ということで、あらためて今日の一枚は、リチャード・エイブラムスです。
またまた、ジム・ホールからは大幅にすっ飛んでしまいましたが、正直に言いますと、前回紹介した「COMMITMENT」より、私的には数段好きなアルバムです。(変態ですから、笑)
ただ、このアルバム、レコードが何処かに消えて無くなってしまいまして、現在はCDのみの所有となっています。

AACM(Association for the Advancement of Creative Musicians)、いわゆる「シカゴ前衛派」のドン、エイブラムスが、反ヨーロッパを掲げ、ブラックミュージックの原点に立ち、呪詛的な集団即興演奏を・・・・・・・
そんなこたぁどうでもいいんです。
なんていうかなぁ、聴いているうちにドーっと風景が拡がっていくというか、自分自身のパワーも解放されていくというか、そんな気持ちにさせてくれる演奏だと、私は思っています。(笑)

参考までに1965年5月に設立されたAACMの目的を紹介すると(AACMは、法的にも認められたNPOでした。初代会長は、もちろんエイブラムス)
一、創造的音楽の重要さを広めるためにつくられたプログラムの実演によって、一般大衆のために芸術的水準の高い音楽を創造するように若いミュージシャンを啓発すること。
一、共に有能なミュージシャンになろうという明確な目的を持ったワークショップを持続させることで、芸術的なものが感じられ、芸術的努力を促すような雰囲気をつくること。
一、若いミュージシャン志望者のための無料講習プログラムを行うこと。
一、すぐれた創造的ミュージシャンのための仕事を確保すること。
一、慈善団体に寄付すること。
一、ミュージシャンとして高い水準のモラルを示すことで、一般大衆の創造的ミュージシャンに対するイメージを高めるように務めること。
一、ミュージシャンと音楽関係者(ブッキング・エージェント、マネージャー、プロモーター、楽器メーカーなど)との相互信頼を築くようにすること。
一、過去から伝えられたミュージシャンたちの文化、その気高さと伝統を維持すること。

LEVELS AND DEGREES OF LIGHT / MUHAL RICHARD ABRAMS
1967年録音
MUHAL RICHARD ABRAMS(cl,p) ANTHONY BRAXTON(as) LEROY JONES(violin) MAURICE McINTYRE(ts) GORDON EMMANUEL(vib) CHARLES CLARK, LEONARD JONES(b) THURMAN BAKER(ds) PENELOPE TAYLOR(vo) DAVID MOORE(poet)

1.LEVELS AND DEGREES OF LIGHT
2.BIRD SONG
3.MY THOUGHTS ARE MY FUTURE - NOW AND FOREVER


リフレッシュ!

2009年08月27日 | g-i

朝晩は完全に秋の気配、今年は暑気払いもせずに終わってしまった感はありますが、良いですねぇ涼しいのは(笑)
ここ数週間忙しい日々が続いて、なんだか家にいる時間が極端に少ないように感じます。昨夜は久々に早く帰ったかと思ったら飲みに行っちゃうし・・・・しょもないオヤジだ。

 るるる葬送

 しづかにすすむ一列の。
 ながい無言の一列の。
 蛙の列がすすんでゆく。
 ひたひに青い蛍をともし。
 万の蛙等すすんでゆく。
 日本砂漠の砂をふみ。
 砂漠のくらい闇をふみ。
 しづかにしづかにすすんでゆく。
    るるるはしろい。
    ほのほになつて。
    るるるはゐない。
    うつくしいるるるはもうゐない。
    ひかるはなびら。
    るるるにそそげ。
    ひかるはなびら。
    るるるにそそげ。
 ひとすぢのさざなみたててみおくりの。
 歌がしづかに流れだす。
 日本砂漠の闇のなか。
 いつとはなしにその歌も。
 はるかかなたにとほのいて。
 蛍のあはい。
 ひも絶え絶えにきえてゆく。
 かたむく天に。
 鉤の月。
      (草野心平、詩集「定本蛙」より)

その昨晩、いつものバーで飲んでいると、以前紹介させていただいた、くさんちっぺさんの御主人が、『草野心平記念館』の記念館専門学芸員Oさんを伴って飲みにいらっしゃいまして、
「この人は、高校時代に○○(ジャズ喫茶です)でアルバイトしてたんだってよ。懐かしいだろ」
とO氏に紹介して頂き
「いやぁ、O君は、あの華やかだったこの地の喫茶店文化をまとめてみよう、てなことを考えてるみたいでね。なかなか面白いよねぇ」

あはは、話題は草野心平にたどり着くかと思えばさにあらず、一時は「喫茶店密度が全国一、二であった」とまで言われたこの田舎町の、多種多様なそれを懐かしく語り合ったりして、その後奥様のくさんちっぺさんも合流され、ともかく楽しいお酒でした。
若輩者の私を話の輪に加えて頂き、本当にありがとうございました。

忙しい忙しいと言いながら、そんな夜を過ごしている私が、ここ一週間一番気になっていたのはボサボサの髪の毛でありまして、
以前もいいましたよね。私の髪は細くて、量が多くて、しかも天パーときたもんだから、伸びると手に負えないんであります。
「昨夜、飲みに行く暇があったら散髪やに行ってくりゃいいのに」
ごもっともではありますが、それはそれ(笑)
でももうどうにも我慢出来なくて、今日行ってきましたよ。しかも、海でボーッとする時間まで作っちゃって(笑)、まったまに二時間くらいのサボリは許してもらえるでしょう。



 ♪ 今はもう秋 誰もいない海・・・・・♪

秋の海は好きですねぇ、良いですねぇ、草野心平とはいきませんが「詩の一編でも書いてみようか」てな気分にもなりますよね。もちろん気分だけですが(笑)

昨晩のお酒と、今日のサボリ、おかげさまですっかりリフレッシュできたバブ君でありました。(まったくもって単純だね)

さて、今日の一枚は、ジム・ホールです。
昨晩、喫茶店話から、「学校をサボるときには、このパターンの喫茶店まわりだった。」みたいな話になりまして、
「私は、唯一モーニングがあったジャズ喫茶Eに行きましたね。そんでもって必ずかかるのがジム・ホールのアランフェスなんだよなぁ・・・」
てなことで、安易にこのアルバムを選んでしまいました。

内容は、ソロもあればディオもコンボもボーカル入りもある、邦題にもなった「哀愁のマタドール(LAMENT FOR A FALLEN MATADOR)」なんか、アランフェスの二番煎じみたいな感じなんですが、私はどうも好みではありません。というのは、いわゆるフュージョン臭が香ってくるからなんだと思います。アランフェス(アルバム名は「JIM HALL CONCIERTO」ですよ)も、めったにかからないB面が好きでしたからね。(笑)

でもまぁ、考えてみれば、モーニングを食べながら聴かされる音楽となると、このあたりのジム・ホールが最も適していたともいえるわけで、
「トミフラ、アート・ファーマー、ロン・カーター・・・・いかにもだよね」
私にとっては、そういう一枚です。(笑)

COMMITMENT / JIM HALL
1976年6,7月録音
JIM HALL(g) ART FARMER(flh) TOMMY FLANAGAN, DON THOMPSON(p) RON CARTER(b) ALLAN GANLEY, TERRY CRARKE(ds) JOAN LaBARBARA, JANE HALL(vo) ERROL BENNETT(perc)

1.WALK SOFT
2.ONE MORNING IN MAY
3.LAMENT FOR A FALLEN MATADOR (BASED ON "ADAGIO IN G MINOR")
4.DOWN THE LINE
5.WHEN I FALL IN LOVE
6.MY ONE AND ONLY LOVE
7.BERMUDA BYE BYE
8.INDIAN SUMMER


下戸は不憫?

2009年08月24日 | g-i

 酒ほしさまぎらはすとて庭に出つ 庭草をぬくこの庭草を
                       若山牧水

昨晩、私が何故に「日本酒デイ」に決めたのか、それは、我が家に日本酒しか残っていなかったからなのでありますが(笑)・・・・・
ログを更新して一っ風呂浴びると、風呂の作用&日本酒の作用で喉が渇きます。ここはやっぱりビールの一杯も欲しくなるのが人情ってぇもんで
「だめだ、我慢できない、コンビニ行ってくるわ」
なにも夜中の12時近くにビールを買いに出かけなくてもいいと、私も思うんですがね。ついでにウイスキーの小瓶まで買って来ちゃったりして
「なに?ビールを買いに行ったんじゃないの?」
「うん、でもほら、また買いに出かけるのもなんだし・・・」
まったく、しょうもない野郎でござんす。

今日、8月24日は、旅の歌人、若山牧水の生誕日であり『愛飲の日』です。
いかに酒好きの私でも、とうてい足下にも及ばない豪傑は数おりまして、なんどとなくお出ましいただく、関東大震災のさなか酒屋に走ったという古今亭志ん生もそうですが、若山牧水もまたそんな群を抜いた豪傑の一人でありますねぇ

「今度の九州旅行は、要するに大酒ぐらいの私としての最後であった。とにかく思いおくことなく飲んできた。揮毫をしながら、大きな器を傾けつつ飲んだ。また、別に宴会なるものがあった。一日平均二升五合に見積もり、この旅の間(五十日)に一人して約一石三斗を飲んできた、と数字に示されたときは、さすがの私も、ものが言えなかった。」(若山牧水、大正十三年の九州旅行にて)

なんと、50日間で一石三斗って、一升瓶にして130本?、いやはや尋常じゃありません。一日平均二升五合って言いますが、平均ですからねぇ「一番飲んだ日はいったい何升飲んだんだい!」って、ツッコミを入れたくなってしまいます。43歳の若さで世を去ったのもうなずけるいっぽう、(主因はやっぱり肝硬変)死後しばらく腐臭がしなかったのをみて「生きたままアルコール漬けになったのでは」と、医者に言わしめたという、まぁ、酒呑童子もビックリ、『酒飲みの鏡』みたいなお人でありますねぇ。


 酒のためわれ若うして死にもせば 友よいかにかあはれならまし
                                                         若山牧水

とうぜん「50日間で一石三斗」てな神業は私には出来ませんし、しようとも思いませんが、そのおかげで多少寿命は長らえているものの、「いずれ我が身」とは充分感じておりますよ。
でもね、それでも止められない酒の魅力は何かと訊かれれば

 それほどにうまきかと人のとひたらば なんと答へむこの酒の味
                                                        若山牧水

「そんなに旨いかねぇ、何処がそんなに旨いんだい?」
「え?このキリッとした口当たりというか・・・・いやいや、そうじゃないなぁ、ちょっと待っておくれよ、もう一杯飲んで確かめてから説明するから」
グビグビ
「カァー、このね、辛くもあり甘くもあり・・・いやいや、ちがうなぁ、もう一回確かめるから待っとくれ」
グビグビ
そして、一升も飲んで言うには
「クゥー、この、口では説明出来ぬほどの至福の味を知らぬ、下戸のお前が不憫でならねぇ

おあとがよろしいようで(笑)

さて、今日の一枚は、ジョー・ヘンダーソンです。
「PAGE ONE」、今日のアルバム、「IN'N OUT」と立て続けにリリースされたブルーノートでのリーダー・アルバムを聴くとき、私が最も面白いと思うのは、リズム・セッションの変遷です。これはケニー・ドーハムのアイディアだったのか?それともアルフレッド・ライオンの仕掛けだったのか?
特にアンドリュー・ヒルをようしたこのアルバムでは、もしもドーハムのアイディアだとするなら「最近どうも迷いがあってねぇ、このままで良いのかって・・・・ここはヘンダーソン名義だし、ちょっと冒険しちゃおうかなぁ」的な狙いでもあったのでないか、なんてね。
でもドーハムはいつもと変わらずって感じなんだよなぁ・・・(笑)

ともかく、一番目立ったているのは、ヒルだということだけは間違いありません。そのせいでしょうねぇ「IN'N OUT」では「カミンバック マッコイ!」って、ところが今度は完全にドーハムが浮いちゃったりして(笑)

ともかく、ヘンダーソン好きでも、ドーハム好きでも、
ヒル嫌いなら「不可」、ヒル好きなら「可」といったアルバムだと思います。私?私はヒル好きですから

OUR THING / JOE HENDERSON
1963年9月9日録音
JOE HENDERSON(ts) KENNY DORHAM(tp) ANDREW HILL(p) EDDIE KHAN(b) PETE LA ROCA(ds)

1.TEETER TOTTER
2.PEDRO'S TIME
3.OUR THING
4.BACK ROAD
5.ESCAPADE


観戦で泣き笑い

2009年08月23日 | a-c

今日は、買い物のお付き合い→高校野球観戦→レコード鑑賞→夕食当番→女子マラソン観戦、と忙しい一日でした。(笑)

残念だったのは高校野球、花巻東の敗退ですねぇ、今年もまた東北には優勝旗がやって来る事はありませんでしたが、力いっぱい戦った彼らには心からの賞賛と、日曜日の午後、珍しく私をテレビにかぶりつかせてくれた事に感謝したいと思います。ほんと、よく頑張りました。

そんでもって、ついさっき終わった世界陸上の女子マラソン、尾崎好美選手、やりましたねぇ、金こそ逃しましたが堂々の銀メダル、素晴らしい。最後の3キロなんか、おもわず力拳を握って見てしまいました。

それとそれと、昨日の男子マラソンで入賞を果たした佐藤敦之選手のインタビュー、お聞きになりました?
「北京五輪で最下位の屈辱を味わい、陸上をやめようかと思った。でもはい上がるのが会津の人間と言われた。前半に飛び出されても絶対に抜けると信じて走った。今回は勝負というより入賞狙い。結果を誇りに思う。あきらめなければ次につながっていく。世界の入り口にちょっとだけ立った」
くぅ~~、私だって育ちは違えども彼と同じ会津産の男ですから・・・泣けますねぇ、これぞ会津魂!カッコいいぞ会津男子!(笑)

ともかく、スポーツ観戦をメインにした泣いたり笑ったりの日曜日も、たまには良いものであります。

話は、またしてもコロッと変わりますが
最近はミュージシャンにしても、映画スターにしても、聞こえてくるのは訃報ばかりで(・・・・・・つまり私がそういう年回りになったということですが)、全てをこのブログで拾っていくと、毎日が田舎の地方紙、いやいや地場紙と同じになりかねません。

しかし、先日、山城新伍さん、レス・ポールの訃報を伝えながら、いちおうジャズ・ブログでもあるこの場で、ラシッド・アリの訃報を伝えないとは何事かととある方に言われまして・・・・・
本日、あらためてこのラシッド・アリの訃報を取り上げたいと思います。

アリが亡くなったのは去る8月14日、死因は心臓疾患であったようです。享年76歳、私の頭の中では新進気鋭のドラマーとのイメージから何ら変わっていないのですが、これも全て、コルトレーンとの共演以降の彼に、ほとんど興味をいだかなかったせいでありましょう。
というか、私的に「エルビン・ジョーンズを追い出したふてぇ野郎」みたいな思いが何処かにあるのかもしれません。けしてアリのせいじゃないとは分かっているんですけどね。

「くだらないものはやりたくないんだ。トレーンはなんだってあんなおかしなやつと俺を組ませたりするんだろう。それに一曲を何時間もやるなんて正気じゃない。俺はもう御免だ、こんなのは。なんといっても、くだらないことはやりたくないんだ。」
J.C.トーマス著『コルトレーンの生涯』によれば、コルトレーンがアリを迎え入れたとき、エルビンがそう語ったとされていますが、そうだったんでしょうかねぇ?
やっぱ、「双方の良さがどっちも欲しい」というコルトレーンのワガママが悪いのかな。(笑)

そんなこんなで、スポーツ観戦の合間に、コルトレーンの「LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD AGAIN !」を聴きました。今更ではありますが「アリス、アリ」「マッコイ・タイナー、エルビン」これを比べることじたいが無意味だし、必要のないことだと再確認しましたね。
エルビンの力強さはなくとも、自由奔放なパーカッション的ドラムがこの時点でのコルトレーンには不可欠であったのでしょう。
ファラオ・サンダースのあの「バブゥ、バブゥ、バビィ」(別に私を呼んでるわけじゃありませんよ)も、アリスのピアノも、そしてアリのドラムも「必要だからそこにいた。」私にはそれで充分です。

ともかく、彼のご冥福を心よりお祈りいたします。

さて、今日の一枚は、とうぜんラシッド・アリです。

ただ、私は彼のアルバムを紹介できるほど持ってないし、聴き込んでもいないんですよねぇ・・・・・
このアルバムも、たしか自分で買ったものではなかったはずです。
海岸の流木のごとく我が家にたどり着いたアルバムで、あらためて聴くのはウン年ぶりだと思います。
20分超の二曲を続けざまに聴くのにはちょっとした体力が必要ですが、不思議なものですねぇ、何故か今日はス~~っと入ってきました。
体調が優れていたのか、それとも基本この手が好きなのか、それは自分でも分かりません。(笑)

まっ、他人様と集いながら鑑賞するにはいささか相手を選ばないと難しいとは思いますが、たまに一人じっくりと二十数分間という時の空間を楽しむのも、それはそれでアリではないでしょうか。

NEW DIRECTIONS IN MODERN MUSIC / RASHIED ALI
1971年録音
RASHIED ALI(ds) CARLOS WARD(as,fl) FRED SIMMONS(p) STAFFORD L JAMES(b-Violin)

1.AS-SALAAM-ALIKUM
2.AKELA

おまけ、
日曜日ですので『料理当番、本日の一品』です。
今日は最初から「日本酒ディ」と決めておりましたから

まずは、鯵の山河焼き二種。茗荷、ネギ、生姜といっしょにたたいて味噌を混ぜた鯵を焼いた物と、さらにたたいて大葉で包んで焼いた物、この二種類です。

こちらは、お得意のイカと里芋と大根の煮物。これに茄子漬けで終了。日本酒にはピッタリでした。


ワイドショー化?

2009年08月20日 | p-r

今日は久しぶりに夏の暑さを思い起こさせる一日でした。今年は世の不況に追い打ちをかける天候不良で、近くの海水浴場の海の家も散々であったようです。まっ、昔から「海の家の経営は博打のようなものだ」と言いますから、一夏で財を無くすような方はやっておられないでしょうけどね。

今日の昼食は、中華屋さんで半チャーハンラーメンを食べておりまして、
「そろそろこの話題も鼻についてきたなぁ・・・オヤジ、高校野球にかえてくんねぇかなぁ」
とは、テレビを見ていた隣の席のお客さん。
昼のワイドショーでは今日も延々とNぴー関連の話題ばかりです。
「かえてもよろしいですかねぇ?」
中年オヤジの社交場のごとき昼の中華屋さんで、反対する者は誰もおりませんでした。
もう何日も「空白の6日間はナンタラカンタラ」「知り合いの社長がドウノコウノ」「ダンナとの証言が食い違ってドウシタコウシタ」てな話を繰り返し聞かされるより、爽やかな高校球児のプレーを見るほうが数段良いに決まっていますからね。

今回の件だけでなく、最近のマスコミ報道、特にテレビでのそれは、あまりにしつこすぎると感じてしまうのは、私の年齢のせいなのでありましょうか?
ワイドショーで取り上げられるのはある意味しかたがないとしても、通常の報道番組もじつにワイドショー化しているというか、
「端的に事実のみを速やかに報道する」これがテレビやラジオで、後のことは、新聞や週刊誌といった文字媒体で充分、なんてぇのは完全な時代遅れなんでしょうかねぇ。

話はコロッと変わりますが。
一昨日の夜(12時をまわっていましたので、正確には昨日ですが)、Mさんのお店からの帰宅途中のことです。
Mさんのお店から我が家への帰宅路にトンネルがあるんですが、おそらくは大学生でしょうかねぇ、そのトンネルの歩道を若いカップルが手をつないで歩いておりました。
向かう方向に民家はまばらで(もちろん、ホテルも歩いて行ける距離ではありませんよ)、私が想像するに、おそらくは我が家の近くに多くある学生アパートの何処かまで帰るところなんだろうと・・・・・
でもね、歩いて行くにはけっこうな距離なんですよ、しかもダラダラと続く上り坂、さらには道幅は広いものの、あくまで車用の道路で、街灯はまばら、私が自転車で帰宅するときだってちょっと怖いかなってな道なんですから

・・・・・・・それでも、ああして手をつないで歩けば、暗さも長さも坂道も関係ないんでしょうねぇ、二人っきりの時間がただ過ぎていくだけ、
「いいよなぁ、若いって・・・・・・」

 相傘の中を隔てる水溜まり

二人がアパートに帰り着くまで、へんな水溜まりなどなけりゃいいなぁ、なんてね。
なんでなんでしょ、二人の脇を車で追い越しただけなのに、二人がどういう関係なのかも全く知らないくせに、そんなことを思ってしまいました。

私にだって、あなたにだって、あんな時代があったんですよねぇ、(えっ?今だって現役だ?それは失礼しました。)
気が付けば自然と手をつないで、何かを話すとかでもなく歩くだけ、それだけでなんだか充実感があってさぁ・・・
あれこれとお金を掛けたり、下心見え見えでオベッカ使ったり、最後はタクシー飛ばして・・・・・・・
そんなんとは、全く違う世界なんですよねぇ、えっ?結果は一緒だろうって?何を言っちゃいますか、ほら「トレンディードラマ」と「あかちょうちん」の世界の違いというか(なんじゃそりゃ)、ともかく、若いから感じられる、経験できる、そんな世界ってあるじゃないですか。
あの純な心は何処へ行ってしまったんでしょうねぇ・・・・・

あれ?まてよ、手をつないで歩くカップルを車で追い越しただけで、そこまで話を膨らませる私って、ワイドショー化してる?

さて、今日の一枚は、珍しやオスカー・ピーターソンです。(笑)

ジャケット的に同日録音の「PUT ON A HAPPY FACE」にしようかとも思ったのですが、やっぱり「I REMEMBER CLIFFORD」が聴きたくて、こちらのアルバムにしました。
以前、行きつけのバーで「「I REMEMBER CLIFFORD」の良い演奏なにかない?」と訊ねられたことがありましたが、浮かんでくるのはホーン物ばかりで、なんでこのアルバムを思い出さなかったのか、自分でも不思議です。(おそらくは「ピーターソンだから」という、わけのわからない偏見がまだ私にはあるのだと思います。)
それほど、ここでの同曲は名演だと思います。
バラード調で始まる同曲は、テンポを変え、曲調も変え、そのくせ曲のイメージは崩さない、さすがテクニシャン。ピアノ・トリオのながい曲ってぇのは、ヘタをすると退屈になったりするものですが、10分近くの演奏も苦になりません。これがピーターソンの魅力なんでありましょうかね。

SOMETHING WARM / OSCAR PETERSON
1962年9月27日録音
OSCER PETERSON(p) RAY BROWN(b) ED THIGPEN(ds)

1.THERE IS NO GREATER LOVE
2.I REMEMBER CLIFFORD
3.AUTUMN LEAVES
4.BLUES FOR BIG SCOTIA
5.SWAMP FIRE
6.I LOVE YOU


好きが高じて

2009年08月18日 | s-u

コンビニなんぞでお手伝いをするようになって早一年、未だよく覚えていないのは、タバコの銘柄であります。
まぁ新製品はピロピロ出るわ、同じようなパッケージは多いわ、同銘柄の種類だってこれでもかってくらいありますからね、「自分の吸っているタバコ以外、覚える気がない」というのが本音です。
買いに来るお客さんだっていいかげんなもんですよ。
「スーパーライトちょうだい」
って、「オイオイ、なんのスーパーライトじゃい」みたいな。
ひどい人になると
「タバコちょうだい」
って、「テメェの吸ってるタバコの種類をなんでオレがわかるんだい!」(笑)
お客さんですから文句も言えませんけど

それにしても、新商品連発はもとより、ライター、灰皿は言うに及ばず、タブレット菓子の「ミンティア」や缶コーヒーまでオマケに付けたタバコがありますから、JTさんもこの「禁煙ブーム」で販促に苦慮されているようです。

厳選されたバージニア葉が醸し出す
ピースならではの香りの良さ
Only Peace
ピースを知ると、もっと味わい深い。
(ピース情報誌、差し上げます)

現在、私が愛煙しているのは「ピース・ライト」であります。そのB面パッケージに最近こんなコピーが書かれています。(その下の注意文よりかなり文字の大きさが小さいのが、なんともいえませんけど。笑)

「バブ君、バージニア葉って、タバコにはどんくらいの種類の葉があるもんなのかねぇ?」
そのパッケージを見ながらそんなことを言い出したのは、先日ついに禁煙を果たしたN氏です。

喫煙者でも、葉たばこの種類まで覚えたり、気にしている人はまずいませんよねぇ。とうぜん私とて同じようなもので、ただ、パイプを囓ったりしたせいで、ほんのちょっとだけ知ってることもあったりはするんですが・・・・
ここぞとばかり薄っぺらな知識をひけらかすやなヤツっているじゃないですか。誰とは言いませんよ、言いませんが、我が社にもEってヤツがいましてね。(ごめん、ほんとはそんなこと思ってもないよ。笑)

「バージニア葉っていうのはぁ、黄色種と呼ばれる葉っぱでね。甘み臭に特長があるタバコ葉だね。タバコ葉の中では、王道、主流派ならぬ主流葉でね、世界中で作られてんだけど、品質におおいに差があるわけよ。そんでもって最も品質がいいとされるのが、アメリカのバージニア州の丘陵地で栽培された物とされて、ほんでバージニア葉ってわけだ。
他にも、バーレー葉、その一種でもあるラタキア葉、それにオリエント葉、葉巻葉、.暗色日干葉、ぺリック葉、ともかく、もともとの葉の種類だけじゃなくて、栽培方法やその後の加工法なんかでもタバコ葉の種類は変わってくるわけだね。日本の在来葉だと、刻みたばこの原料として知られているのが、国分、水府、指宿、遠州、阿波・・・・・・」

「わかった、聞いても覚えきれないから・・・・でも、なんでそんなこと知ってんの?」
「だって、タバコ好きで、ありとあらゆる物を試した口だから」
う~~ん、ある意味、喫煙者のカガミでしょうか?(笑)
「んで、その知識って何かに役立ってるわけ?」とはN氏。
「・・・・・・・」

最初に訊いたのはNさんですから、その言いぐさはあんまりだと思いますが。
喫煙者が嫌われる現代、タバコのウンチクなど不必要極まりないものかもしれませんねぇ、飲み屋で使うにも「だからなんなんだ」って言われそうですし、私は知らなくてもいいかな(笑)
でもね、ふと思ったのは「好きが高じて」ってアルじゃないですか。
男の趣味なんてぇのはほとんどがこれで、「いらぬ事まで知りたがる」これが楽しいんでありますよねぇ、
「なにそんなのに、お金と時間をかけてんの?バカみたい」
この感覚は、なかなか女性には理解してもらえない。そう思うのは私だけでしょうかねぇ。

さて、今日の一枚は、チャールズ・トリヴァーです。
過去なんどかジャッキー・マクリーンのコンボの一員として紹介したトリヴァーですが、ストラタ・イースト・レーベルを立ち上げて間もなく、ミュンヘン「クラブ・ドミシル」に出演した際のライブ盤です。

この頃のトリヴァーというのは、じつに勢いがありますよねぇ、スタンリー・カウエルとの駆け引きというか、バトルというか、対比というか、フュージョンなどと甘っちょろいもんが(失礼)世を席捲しつつある時、私には刺激的でありました。
ただねぇ、アルヴィン・クィーンのシンバルが若干気にはなるのでありますが、それが二人の勢いを増している効果もあると納得するようにしています。(笑)

ともかく、ちょっと後ろ向きになったとき、アグレッシブな気持ちを取り戻すために、こんなアルバムを聴くのも良いんじゃないでしょうかね。

IMPACT / CHARLES TOLLIVER
1972年3月23日録音
CHARLES TOLLIVER() STANLEY COWELL(p) RON MATHEWSON(b) ALVIN QUEEN(ds)

1. IMPACT
2. BRILLIANT CIRCLES
3. TRUTH
4. PRAYER FOR PEACE


エコ・レクレーション

2009年08月16日 | a-c

お盆休みもあっという間に最終日、まっ私の場合副業がありますので、休んだ気はほとんどしないのではありますけどね。
それにしても、梅雨明けすらしなかったお盆前でしたが、入ったとたんに快晴が続き、
「あれ?梅雨明けってしたんだっけ?」
「今年は無しだって」
「ほんじゃこの快晴は??????秋晴れ?」
立秋は過ぎたわけですから、それでも良いんでしょうけどねぇ・・・どうなんでしょうか?
たしかにこのあたりでは気温はそこそこ高いものの、ここ二、三日の風はみょうに爽やかで、夜になれば虫の声も聞こえてきます。

あのジメジメさがないと、自転車乗りでかく汗も爽やかなように感じるもので、いつもの公園までひとっ走り、子供たちの歓声を遠くに聞きながら日陰のベンチに横になれば、心地よい風が汗を連れ去って、代わりに眠気を置いていってくれます。
「イカンイカン、このまま夜まで寝ちゃいそうだ」
眠気覚ましに煙草に火を着け一服すると、フ~っと口から吐き出された白い煙が青空に吸い込まれて、
「いい休日ジャン・・・」
おっと、もちろん携帯灰皿持参ですよ。(笑)
「ようし!もう一運動、張り切りますか」
麦茶で水分補給を済ませたら、イヤホンを耳にあて、キャノンボールのボサをBGMに上り坂を三往復、もちろん坂はキツイけど、下り坂で頬に当たる風は、ベンチでうけたそれにも増して心地よいのであります。

あはは、これは完全な自己満足の世界ではありますが、お金を全く使わない・・・・しいて不経済だとすれば、帰宅後に飲むビールが一本増えるくらいなもので、まさに究極のエコ・レクレーションじゃありませんか。
「もっと早く出会っていれば、この貫禄ある腹もなんとかなってたかもしれないなぁ・・・・・」
などと思いつつも、お盆休み最終日を、私なりに楽しめたかな、と満足しています。

帰宅後は、シャワーを浴びて、最高に美味しいビールを飲みながらの『料理当番、本日の一品』です。

お盆というと、地域柄かどうしても魚料理を口にする機会が多くて、今日は最初から豚カツにすると決めていました。
私はサクサクのカツを食べたかったのですが、家人のリクエストでソース煮込みカツに、付け合わせはカリカリベーコン入りポテト・サラダです。

「さて準備も出来たし、あらためてビールを・・・・」
 ♪ ピンポ~~ン ♪
「バブさ~ん、ご飯食べちゃったぁ~~?!」

ご近所のOさんが、なんとホッキ飯を持ってきてくれました。
ソース煮込みカツとの相性は、まっ良いとはいえませんが、ホッキ飯は私の大好物。普段夜は飯を口にしない私もいただきましたよ。
「・・・・美味かったぁ」(笑)
思いもよらない好物の襲来に、さらに満足な休日となりました。

さて、今日の一枚は、オーネット・コールマンです。
「そんな心地よい一日を過ごしたあと、コールマンなど聴くもんでねぇ」(ちょっとナマっておりますが)という方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私の場合、こんな日だから聴くんでありますねぇ(笑)

「NEW YORK IS NOW」と同メンバー、同日に録音されたブルーノート最終盤です。
この二枚のアルバムで、私が興味深いのは、やはりリズムセッションに、エルビン・ジョーンズ、ジミー・ギャリソンというコルトレーン・カルテットの二人が入っている事でしょうか。
でも、コールマンにとっては、エルビンだろうがギャリソンだろうが、あまり眼中には無いんじゃないでしょうかねぇ?
というより、各人が個性をぶつけ合うこと、それこそがフリーフォームの醍醐味であって、その「ノングルーヴ」が新たな「グルーヴ」を生むみたいな・・・・あはは、よくわかっちゃいませんが。

今日は、あらためて風呂に入り直し、ウイスキーを傾けながら、ヘッドフォンでこのアルバムを聴いてたんですがね。
私は正直好んでコールマンを聴くお人じゃございませんで・・・でもね、最近「この手も良いかな」って、ウイスキーの酔いがいい感じでまわってくると、ある種トランス的な状態になるのかもしれません。それが、コルトレーンとはまた違うものなんですよねぇ・・・・・・・
Nピーのように薬でトランス状態はいただけませんけど、このトランスならそれもまた良いではありませんか。
A,B面連続で聴くなど、以前は考えもしませんでしたが、今は大丈夫になっている自分が怖い(笑)

LOVE CALL / ORNETTE COLEMAN
1968年4月29日, 5月7日録音
ORNETTE COLEMAN(as,tp) DEWEY REDMAN(ts) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds)

1.AIRBORNE
2.LOVE CALL
3.OPEN TO THE PUBLIC
4.CHECK OUT TIME


長くても短くても・・・

2009年08月15日 | d-f

ここ二、三日、これまでの鬱憤を晴らすような晴天。暑さはともかくも、太陽さんはやっぱり良いものです。

「バブさん、今何してます?」
と昨日の夕方電話をよこしたのは、以前学生アルバイトとして使っていたMONです。
「今ね、Tと飲んでたらバブさんの話が出て、これから出てこられないかなぁ、なんて思ったもんですから」
お盆の真っ最中にさすがの私も急な呼び出しにはお付き合いできませんでしたが、
「ところでお前いくつになった?」
「えっ?もう31ですよ」
「31歳?おまえが?・・・・あ~あ、オレも年取るはずダァ・・・・・」

そうなんですよねぇ、キャツラをバイトで使っていたのなんて、ついこの間のような気がしていたのに・・・・・

大学で2年先輩のMさんが、「末期癌ですでに意識不明」と同期のチャリンコから連絡が入ったのは先週のことでした。
「まだ早い、若すぎる」などといっても、考えてみればそのリスクは自分が思っている以上のペースで高まっているのかもしれません。
「だって、MONが31だってよぉ、31」
父の位牌に手を合わせながら、私らしくもなく、みょうに弱気になったりして。

「大丈夫、あなたはじゅうぶん世間から憎まれているから・・・」
「そうだな・・って、うるさいなぁ!」

そういえば、14日に亡くなられた山城新伍さんも、私なんかからすればずいぶんと先輩ではありますが、70歳・・・・亡くなるにはちょっとばかり若いように思えます。ご冥福をお祈りいたしましょう。

訃報といえば
レス・ポール氏も去る13日にお亡くなりになったとか。そう、かのソリッド・ボディ・ギターの名器、ギブソン・レス・ポールの開発者であり、ギタリストでもあった氏ですが、94歳・・・・こちらはある意味充実した人生をまっとうされたのかな?悲しみにかわりはありませんがね。ともかく、ご冥福を祈りましょう。

名器ギブソン・レス・ポール、ブルースを愛してやまなかったK君が、「ギターはレス・ポール、アンプはマーシャル」と念仏のごとく唱えていたのを思い出します。完全にエリック・クラプトンの影響でしょうか?
私はといえば、クラプトンでもジミー・ペイジでもレスポールの音は聴いているはずですが、それほどにこのギターを敬愛する感じはありません。ハッキリ言ってジャズにはほとんど出演しないギターでもありますしね。(笑)

レス・ポールと聞いて、真っ先に頭に浮かぶのは
 ♪Bye, bye blues, bye, bye blues ・・・・・♪
っていうLES PAUL & MARY FORDの「BYE BYE BLUES」なんでありまして、いつ何処で聴いて覚えているのかは不明なんですが、耳に残っていますし、あまり聴きませんけど、友達から借りて録音した音源は今も手元にあります。

いずれにしても「名器ギブソン・レス・ポールを生んだ男」として、彼の名は音楽史に残るのでしょうし、意味ある人生であったことを羨ましくも思います。

「長生きしても、早死にしても、あんたの人生はそれほど意味無かったりするもんね。」
「そうそう・・って、オイ」

 さて、今日の一枚は、ケニー・ドーハムです。

昨日の夜中、一人寂しく飲みながら聴いた一枚なんでありますが・・・・・落ち着きますねぇ、安心しますねぇ、間違いないですねぇ(笑)

ドーハムのリヴァーサイド第一弾アルバムは、ロリンズ、マックス・ローチを従えての「ハード・バップの王道」的一枚となりました。
「ローチ、ロリンズといえば、クリフォード・ブラウンで決まり!」
これは私の勝手な思い込み、何処か哀愁を秘めたドーハムでも許しちゃいます。(笑)

やっぱり詰まるところ、このへんに帰ってくるんですよ、私の場合は。(笑)

JAZZ CONTRASTS / KENNY DORHAM
1957年5月21,27日録音
KENNY DORHAM(tp) SONNY ROLLINS(ts) HANK JONES(p) OSCAR PETTIFORD(p) MAX ROACH(ds)
BETTY GLAMANN(harp)[3,4]

1.FALLING IN LOVE WITH LOVE
2.I'LL REMEMBER APRIL
3.LARUE
4.MY OLD FLAME
5.BUT BEAUTIFUL
6.LA VILLA


自由研究はこれだ!?

2009年08月13日 | m-o

やれ台風だ地震だと日本列島は天変地異の驚異にさらされている感がありますが、被害に遭われた方々はもとより、交通機関等々による間接被害に遭われた方々にもお見舞いを申し上げます。
おかげさまで我が田舎は、台風の影響で一度大雨警報が出たもののさほどの被害もなくお盆を迎えることができました。

今日は墓参りを早々に済ませ、久しぶりにのんびりと過ごしています。
先日伯母からのもらい物の話をしたばかりですが、お盆となるとこれがまた気を遣ってくださる方がいて、いろんな物をいただきます。
でもまぁ、とうぜん仏前に供えるものが中心ですから、甘~~い日持ちするようなお菓子とかが中心で、私にはさほど魅力あるものとはいえないわけです。
「そんなこと言うとバチが当たるよ。」
「たしかにそのとおり、そのとおりなんだけどね、ほらお返しだって考えなくちゃいけないっしょ・・・・・ビールとかウイスキーとか贈ってくれればなお嬉しい。」
「そうしてほしけりゃ、サッサと仏壇にでも入っちまえ!!!!」

そんな中、
今年はお盆に墓参りが出来ないからと姉からは梨が届きました。
桃にしてもスイカにしても梨にしても、暑い時期に良く冷やしたみずみずしい果物はなによりのご馳走ですよねぇ、焼き菓子や水羊羹には手が出ない私も、果物だったら「何でも来い」であります。
もちろん仏前に幾つか供えさせてもらい、現世に生きる私どももご相伴です。
いやらしくない甘みが(お菓子の甘さにはどうもイヤラシサを感じてしまう私です。笑)これでもかっていうくらいの果汁とともに口に拡がって、
「美味しゅうございます。」

そんなこんなで梨を味わっているときです。

「オレさぁ、梨を食べると思い出すんだよなぁ、ピノキオを・・・」
と私。
「なにそれ?」
「ほら、ケベック爺さんが貧乏でさぁ、喰うもんが無くて、それでもお腹が空いたからなんか喰わせろっていうピノキオに、一つしかない梨を食べられちゃうジャン」
「えぇぇ?全部ピノキオが食べちゃうんだっけ?それに梨じゃなくてリンゴじゃなかった?それからも一つ言えば、ケベックじゃなくてゼベットだし。」
「いや、ぜったいに梨だった!」

お盆にそんなんで言い合いしてもしかたがないんであれますが・・・・
「○○(息子)か△△(娘)の絵本かなんか無かったっけ?」

考えてみればピノキオもそうですが、小さい頃見聞きした『おはなし』ってぇのは、「誰それ著の何々を読んで」とか、「ナントカっていう映画を観て」とか、そんな明確な記憶じゃありませんよね。
梨だと言い切った私だって「ピノキオは木の人形で、ワガママで、人間になりたくて(これは、かなり『妖怪人間ベム』と重なっていますけど....笑)改心して、鯨のお腹の中でゼベット爺さんに再会する。あっそれから嘘をつくと鼻が伸びるんだった。」そんな感じでしか覚えてないんですから、それに『妖怪人間ベム』じゃありませんが、他の『おはなし』と混同して自分自身で内容を作り上げているようなところも「アルと思います。」

でもね、私が聞いたか何かして覚えていたピノキオでは、たしかに梨だったんです。
「まだいうか!」
釈に障るので、今度図書館にでも行ったら調べてきますけどね。(笑)

仙女の白い肌を抱いて、二人は一つのベットに入り、玉のような体を撫で、細い腰をやさしくいたわり、その美しさを口にしながら、交わりの限りを尽くした。それはまるで、比目の魚が並んで泳いでいるような楽しさであり、鴛鴦が心を一つにして遊ぶような夢心地であった。その押したり引いたりするさまや伏して抱き合う姿というのは、・・・・・

かぁ~~、赤面してしまいます。
いやいや、べつに久しぶりにのんびりしたからといって、昼真っから官能小説を読んでたわけじゃありませんよ。
日本書紀や万葉集、丹後国風土記にも出てくる、ご存じ『浦島太郎』。その浦島太郎が竜宮城ならぬ蓬莱山(そもそも浦島太郎は竜宮城などへは行っておりません。)で繰り広げる官能の世界を、平安時代の書物『続浦島子伝記』ではこんな表現(もちろん漢文でベットはありませんが)で書かれているんであります。

まっ、最初はどうだったかわかりませんが、少なくとも平安時代には『浦島太郎』はイッパシの『ポルノ小説』だったわけで
日本の昔話も海外の・・ほら、アンデルセンにしてもグリムにしても、追求すればとんでもない『おはなし』だったりするじゃないですか、
日本書紀から追っかけるのは難しくても、『ピノキオ』だったら、原作がカルロ・コッローディ著『ピノッキオの冒険』だということもハッキリしているわけで、「自分のイメージがどの時代の何の『ピノキオ』に由来するのか」なんてぇのを調べてみるのも、あんがい面白いかもしれませんよね。
「ようし、夏休みの自由研究はこれかぁ!?」
って、やる気もないくせに。


こんな本もちょっと面白い

さて、今日の一枚は、なんと珍しやウイントン・マルサレスです。
私がマルサレスを紹介するのはひょっとして初めてではないでしょうか?
いや、別に毛嫌いしているわけじゃないんですよ。事実、彼のライブを聴きに行ったこともあるんですから。
でも、どうにも燃え切らないところはあるんですよねぇ・・・・いえ、ライブは盛り上がったんですよ。だって、大ホールではなくライブ・ハウス(しかも、それほど大きくない)でのライブでしたから(おそらくその時の来日では唯一のライブハウス公演だったと思います。)、それはもうマルサレスの凄さに圧倒されました。

う~~ん、それでも彼のアルバムとなると・・・なんて言ったらいいのかなぁ・・・・やっぱり上手すぎるから?いや、そういう事じゃなくて・・・・口では説明できませんが、すんなりと受け入れられないところがあります。
特に今日のこのアルバム、ウイズ・ストリングスってぇのがねぇ
同じストリングスものでも、クリフォード・ブラウンならまだしも・・・・・・・

いつもながら、これ全て個人的感想というよりは感情ですからあまり気になさらないように。

えっ?それじゃ紹介するなって?
だってぇ、『ピノキオ』の話をしたらやっぱ「星に願いを」じゃないですか、しかも、この絡みはつい先日、七夕の時にありましたしね。また重複盤というのもさぁ・・・・

HOT HOUSE FLOWERS / WYNTON MARSALIS
1984年5月30,31日録音
WYNTON MARSALIS(tp) BRANFORD MARSALIS(ss,ts) KENNY KIRKLAND(p) RON CARTER(b) JEFF 'Tain' WATTS(ds) Robert Freedman Orchestra

1 STARDUST
2 LAZY AFTERNOON
3 FOR ALL WE KNOW
4 WHEN YOU WISH UPON A STAR
5 DJANGO
6 MELANCHOLIA
7 HOT HOUSE FLOWERS
8 I'M CONFESSIN' (THAT I LOVE YOU)