台風が近づいています。すでに賞味期限を過ぎた我が家が耐えきれるのか、ちょっと心配で、様子見ついでに仕事を切り上げてきました。夕刻から夜にかけてがピークでしょうからけっきょくは出掛けることになるんですが、帰ってくるまで我が家が存在していることを信じましょう。(笑)
「しかし、おんなじような放送を見て、何が楽しいのかねぇ」
あはは、これは昨晩の選挙速報をチャンネルを変え変え見続ける私に、ほとほと呆れた家人の物言いですが、まるでマラソンか駅伝中継のごとく、どうしても目が放せないわけでして、
「なに言ってんの、始まったと同時に結果が出てるようなのと、最後まで分からないマラソンとは違うでしょうが」
おっしゃるとおり。(笑)
「でもほら、大嫌いなあの人はどうだったろうとか、頑張って欲しいと思ってたあの人はどうだったろうとか、各党の動きはどうだろう、どんな発言をするだろうって、気になんジャン」
この心境は、家人にはまったく理解してもらえないようです。
結果はといえば、個別の泣き笑いは置いといて、あれだけ「民主圧勝」との事前報道が続き、「こりゃぁ、そうとう自民への引き戻しがあるよぉ」なんて思っていた私の予想をもろともせずに「民主大圧勝」に終わったわけですが・・・・・・
いやぁ、小選挙区制の怖さですかねぇ、これほどまでに大差がつくとは「恐ろしや恐ろしや」といったところでしょうか。
この小選挙区という制度が、日本という国に適当であるのかどうかは、私にはまったく分かりません。(笑)ただ、裏を返せば「圧勝した民主党とて国民に背を向ける政治を行えば、すぐに何百もの議席を失うことになるよ。」という警告でもあるわけで、与党になる民主党も下野した自民党も、常に危機感を持って国民本位の政治を行って欲しいと期待しています。
得衆則得國、失衆則失國
「衆を得れば則ち国を得、衆を失えば則ち国を失う」
自民にとってはまさに『失衆則失國』だったわけですが、今回の選挙が結果ではなく、次に『得衆則得國』を理解し実行した者が勝者であることを、落選者にも当選者にも肝に銘じていただきましょう。
政権が変わろうとも、台風が来ようとも、今のところ昨日今日の生活に大きな「チェンジ」も無い私、昨日はとうぜんいつものごとく料理当番でした。
ということで『料理当番、本日の一品』です。
私は、サーモンの刺身と秋刀魚の蒲焼き風、それに冷やしトマトとお新香というメニューで、選挙速報同様、長々とお酒を楽しんでおりましたが、家人には同じ材料の「手まり寿司もどき」を作りました。
酢飯には、茗荷の甘酢漬けと大葉をそれぞれみじんにして混ぜ込み、そこそこ好評でしたよ。
さて、今日の一枚は、セシル・テイラーです。
現在の版権はブルー・ノートにあるようですが、もともとはトランディションから発売になった彼のデビュー作で、なんと足代だけのギャラで吹き込んだというアルバムです。
私にとってテイラーは、かなりの間好意的に受け止められなかったピアニストでした。
それは何故だったのか?考えてみると完全な先入観であり、『食わず嫌い』に等しいものだったのかもしれません。では現在は?といえば、『食べたら味があった』に変わっていますねぇ。
もちろん、「何度聴いても根本からダメ」という方を理解できぬわけではありません。つまり、好みがハッキリと出るプレーヤーだとの認識は変わらないからです。
このデビュー作では、まだまだらしさを出し切れていない面もあるものの、モンクやエリントン、そしてコール・ポーターの曲を、みごとに調理してテイラーの曲に変えているあたり、快演だと思います。(もちろん、三曲のオリジナルもですが)
やっぱりテイラーの売りは、いい子ぶらないツッパリ感なんでしょうねぇ、
ここでは、ソロ、トリオ、カルテットと三種類の構成で彼のツッパリぶりを聴くことが出来ます。
私の場合はモンクを聴くときのようにソロを重視する傾向があるからかもしれませんが、ここでもソロに最もテイラーらしさを感じます。ツッパリといわれる人に限って根が優しかったりするから、このての人はまわりに気を遣っちゃイカンのですよ。(笑)
けして八方美人にはなれない「不器用な男ですから」。
JAZZ ADVANCE / CECIL TAYLOR
1956年9月14日録音
CECIL TAYLOR(p) STEVE LACY(ss) BUELL NEIDLINGER(b) DENNIS CHARLES(ds)
1.BEMSHA SWING
2.CHARGE 'EM BLUES
3.AZURE
4.SONG
5.YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
6.RICK KICK SHAW
7.SWEET AND LOVELY