今日、このブログを定期的に読んでいてくれるO君が
「バブさん、昨日の小田実の記事、興味深く読ませていただきましたよ。それにしてもバブさんは良く本を読んでるんですねぇ」
O君は完全に勘違いしてます。
私が本をよく読む人間だとすれば、本当に良く本を読んでいらっしゃる方々に袋だたきにされるでしょう。(笑)
我が姉など、小さいときから「よくもまぁ飽きずに本ばっか読んでるもんだ。そのうち目に活字が印刷されちゃうんじゃないの」ってくらい本を読む人で、その癖は今も直っていないようです。
その反動でしょうか、私ときたら小さな時から本という代物が大嫌い、活字を見ただけでめまいを起こしそうな、いや、活字が目にはいると自然と目線をそらす眼球を所持しているかのようでした。(笑)
そんな私ですから夏休みの読書感想文なんてそれはもう大変。ちょっとだけ好きだった自然科学の本の、感想ではなく中身の丸写し的作文(正確には作っていない文)を、いやいや最終日に仕上げるといった状態だったのを覚えています。
おっと、失礼、たった一度だけ『星の王子様』を読んで感想文を書いたことがありました・・・・書いたつもりになったことがありました。きっとあれが私がまともに読んだ初めての本だったと思います。
そんな私が、もっとも本を読んだのは中学から高校にかけての次期だったと思います。
何がきっかけだったか・・・・・・
じつはね、当時のことですから中学生あたりでも『論争』的なことを、本人達はいたって真剣にやったりすることがあったわけですよ(内容はたわいのないものでしたが)。
そんな時、とあるヤツが私にはチンプンカンプンの『論争』を仕掛けてきたわけです。チンプンカンプンなわけですから、仕掛けられても答えようもない、自分の無知さかげんに愕然としたんですな。(ん?なんだか口調が変になってきたぞ?)
「なんで、おまえはそんなにいろんな事を知ってるの?学校の勉強が出来るわけでもないのに」(えらい失礼な物言いですが)
ヤツはあっさりと答えたわけですよ
「まぁ、しいて言えば本を読んでるからかなぁ・・・」
あたしゃ、カチンときましたねぇ、っていうかクソーって思ったんですかね「意地でも本を読んでやる!」みたな(笑)
ところが、今までそんだけ本を読まない人が突然本を読むといっても、眼球は活字から逃げていくし、それより何より基本的に何の本を読んで良いかも分からないってんですから始末が悪い。そのくせ人に訊ねる、教わるということが大嫌いな人間ですから(これを無意味なプライドと言います。)自分で何とかしなけりゃいけないってんで考えましたよ。
結論は「岩波新書を片っ端から読んでみる」ということでした。
本屋にある緑の岩波新書を内容にかかわらず端から読み始めたのです。
あっはははは、無謀でした。今まで本をまともに読んだことが無い人がやる事じゃありません。だって、内容はなんだか難しくてよく分かんないものが多いし、活字もけっこう小さいから、目がどんどん逃げていくし(笑)。
でもね、頑張りましたよ。「分かんなくてもいいから、ともかく読むことに意義ある」って自分に言い聞かせ、すぐに飽きちゃうもんだから、合間に違う本を読み挟んだり(星新一、筒井康隆、北杜夫、遠藤周作てなね)して
飽きっぽい私が「自分で自分を褒めてあげたい」ってくらい頑張っちゃいました。
高校を卒業する頃には『活字逃走眼球』もほぼ完治して、何とか人並みに本を読めるようになったのです。
そんな話をO君にすると、
「へぇ~~~、それでバブさんは知らなくてもいいような事を良く知っていて、肝心なことは知らないってな事もある、そんな人間になっちゃったわけですね。」
「・・・・・・・・・・・」
ともかく、活字嫌いのお子さんが身近に居てお困りの方がいらっしゃいましたら、我が身を持った体験を参考にしていただければという・・・・
「そんなん参考になるか!!!!」
ごもっともです。
さて、今日の一枚は、ジム・ホールとパット・メセニーのディオです。
えっ?どうしたの?こんな新しい(私的に新しい)CD?
って、突っ込まれそうですが、
じつは、高校時代の岩波新書ばりに、中身も知らずに「エイヤア」で買ってしまったCDなんです。
どうも、この時期の新譜には弱くて(嫌いという意味ではなく)、中身を確かめる機会が無かったというか、ジャズ喫茶で聴いてからということも出来ず、新譜に手を出す勇気を持てない次期だったと言った方が良いかもしれません。
ですから、「エイヤア!」で買ってしまわないと手が出ない次期だったわけです。
そんな中、このディオにはとても満足しています。
ギター二本でもこれだけの厚みを出せるものなんだと感心もしますし、なにしろ聴いていて違和感が全くありません。
左右に分かれたお互いの個性が、良い感じで混ざり合って、香りの良いブレンデット・ウイスキーのような、モルト好きの私でもこれならお付き合いできる美味しさって感じでしょうか。
ただ、17曲は多すぎますねぇ、贅沢な話ですが、私的には岩波新書の合間にチョコチョコっと他の本を読んだように、モルトの香りが途中で必要になってしまうCDでもあります。
ところで、みなさん、実際に42弦ギターって見たことあります?
パット・メセニーのライブにも行ったことのない私には、想像もつきませんでしたが、何とネックが4本付いているそうで・・・・・凄い!
JIM HALL & PAT METHENY
1998年7月30, 31日, 8月1, 2日録音
JIM HALL(g) PAT METHENY(g)
1.LOOKIN' UP
2.ALL THE THINGS YOU ARE
3.BIRDS AND THE BEES
4.IMPROVISATION, No.1
5.FALLING GRACE
6.BALLAD Z
7.SUMMERTIME
8.FARMER'S TRUST
9.COLD SPRING
10.IMPROVISATION, No.2
11.INTO THE DREAM
12.DON'T FORGET
13.IMPROVISATION, No.3
14.WAITING TO DANCE
15.IMPROVISATION, No.4
16.IMPROVISATION, No.5
17.ALL ACROSS CITY