JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

良いお年を

2006年12月31日 | a-c

いよいよ大晦日ですね。
今年一年を振り返ると反省するようなことばかりです。昨夜も今年最後とばかりにいつものバーへ出かけると、
「バブさん、今年最後だから歌いにでも行っちゃおか」
などというとんでもないママのお誘いに
「そうだね、たまにはいいよね」(たまに?)
なんて、午前3時まで飲み呆けてきてしまいました。

そしたらね、神様は見てるんですねぇ、今年最後にイターイお仕置きを受けてしまいました。代行運転で帰る途中、なっなっなんと、パンクですパンク、目の前がガソリンスタンドで営業していたので助かりましたが、結局自宅に着いたのは4時過ぎ、神様も酒を控えるようにおっしゃっているのでしょう。
「神様、申し訳ありませんでした。来年は深く反省して慎みます。大事な私のお酒も御神酒として差し出しますから」

こうして、今年最後の日にブログを更新していると、あきっぽい私がよくも続いているものだと、自分でも感心してしまいます。これも、訪問いただいている皆様に支えられてのこと、心より感謝いたします。
本当にこの一年、ありがとうございました。
来年も懲りずに続けていくつもりでおりますので、よろしければもうしばらくお付き合い下さい。

ネット上での会話で充実感は得られるのか?私には大きな疑問でした。しかし、さまざまな皆さんのブログを拝見したり、また、暖かいコメントをいただいたりすると、充実感を感じますし、いつのまにか私の生活の一部になっていることに気づかされます。
このブログで知り合えた方々はみなさん、私に新たな刺激と関心を与えてくださる最良の友とかってに思っています。
一方的な想いであるかもしれませんが、遠くのパソコンを眺めながら、そんな風に思ってる飲んべえオヤジがいることを、頭の隅にでも置いていただければ嬉しく思います。

ともかく、新たな年が、皆様にとっても私にとっても、充実した良い年でありますよう祈っております。

さて、今年最後の一枚はとうぜん(笑)コルトレーンであります。
とはいっても、今日はちょっと異質のコルトレーン、エリントンとの共演盤です。
「もっと、ジャズを楽しみなさい」と忠告を受けたコルトレーン、大御所エリントンから彼は何を得たのでしょう?
「BALLADS」「AND JOHNNY HARTMZN」そして今日の一枚に関して、「マウスピースが合わなかったのでうんぬん」の説がまことしやかに語られていますが、この時期のコルトレーンがマウスピースを一つしか所有していなかったというほうが無理がある話で、私はこの説をまったく信用しておりません。他のアルバム同様、この3枚もコルトレーンの一つの挑戦と捉えていますし、コルトレーンらしからぬなどという風説はじつにバカらしいと思っています。
コルトレーンがエリントンから何を得たのか?
答えは、以降の彼のアルバムに本当は隠されているのかもしれませんね。

DUKE ELLINGTON & JOHN COLTRANE
1962年9月録音
DUKE ELLINGTON(p) JOHN COLTRANE(ts,ss) JIMMY GARRISON, AARON BELL(b) ELVIN JONES, SAM WOODYARD(ds)
1.IN A SENTIMENTAL MOOD
2.TAKE THE COLTRANE
3.BIG NICK
4.STEVIE
5.MY LITTLE BROWN BOOK
6.ANGELICA
7.THE FEELING OF JAZZ

おまけ、
今日、大晦日は5時ぐらいにお風呂に入り、後はゆっくりお酒をいただきます・・?
ちっとも反省していない私でした。


バブもおだてりゃ・・

2006年12月29日 | d-f

ひぇ~~~、寒い、、、、、
なんでしょうか、突然の寒波到来でありますが、よくよく考えてみれば、これが普段の冬なのでしょうね。それでも、初夏の季候から真冬の季候へ、皆さんも体調を崩さないようご注意下さい。

今日は朝のうちに買いだしを済ませ、仕込み開始です。
「まずは、昨夜から水で戻した黒豆を煮て、おっと身欠きニシンを戻さなくっちゃ・・・」
今年は何を作ろうかと考えたところで、結局はそんなに変わったものを作るわけでもなく、
ざっと、メニューを公開すれば
煮豆、昆布巻き、煮しめ、烏賊人参、数の子青豆、これは今日仕込みました。
煮魚、酢の物、かまぼこ、卵焼き、生ものは当日仕込みでいきましょう。
そうそう、雑煮用の汁は31日ね。って
最近、毎日のように言っていますが、大きな疑問はこれをどうして私が作らなければいけないのかということであります。

「よっ!名料理人!」
「そっかぁ、まいったなぁ、しょうがねぇなぁ・・・・」
『バブもおだてりゃ木に登る』ですかね。まぁ、これも日頃の罪滅ぼしということで頑張りました。

「今晩、烏賊でいい?」
はっはっはっは、美味しそうな烏賊があったんですよ。自分専用つまみにね、塩辛を仕込むのにうってつけ、ところが塩辛用じゃ買い出し許可が下りないんです。だから「今晩、烏賊でいい?」となったわけで、(今晩の料理当番も私でした。)
仕込みましたよぉ、最近少なくなったあの塩っ辛い塩辛、これがぐい飲みくらいの器にちょっとあるだけで、何杯でもいけるんですよねぇ酒が、、、それに『たこ山葵』を家人に内緒で仕入れてきましたので、
「今年も飲み続けの正月だぁぁぁ!!!!」

ともかく
料理の出来上がりは、当日写真に納めてみたいと思っています。こうご期待!
えっ? 誰も期待してないって(笑)

今日一日、なんやかんやと忙しく過ごした私、
「よし、今晩は頑張った私にご褒美だ」と「たこ山葵」をちょいと盗み食いです。

さて、今日の一枚は、昨日チェット・ベイカーだったからというわけではないのですが、「晩年のチェットにも似た、枯れた魅力の」とも評されるトニー・フラッセルにしてみました。私的には、晩年のチェットより数段高く評価しています。
この方も薬のせいで41歳で亡くなってしまいましたが、枯れている中にある艶っぽさは、彼独特の音だと思います。
もちろん、好みはいろいろでしょうが、私はなかなか気に入っています。

このアルバムは、たった一枚のリーダー作で、さらにアレン・イーガーの参加、さらにさらに発売枚数が少なかったことから、幻と言われたアルバムでもあります。
かくいう私も、オリジナル盤にはお会いしたこともありません。

TONY FRUSCELLA
1955年3月録音
TONY FRUSCELLA(tp) ALLEN EAGAR(ts) DANNY BANK(bs) CHAUNCEY WELSCH(tb) BILL TRIGLIA(p) BILL ANTHONY(b) JUNIOR BRADLEY(ds)
1.I'LL BE SEEING YOU
2.MUY
3.METROPOLITAN BLUES
4.RAINTREE COUNTY
5.SALT
6.HIS MASTER'S VOICE
7.OLD HAT
8.BLUE SERENADE
9.LET'S PLAY THE BLUES


魂の鏡

2006年12月28日 | a-c

今日からお休み、お正月の準備が始まりました。
はははは、準備といってもたかがしれた話ですが、まずは『鏡餅』作りであります。

「明日、買い物終わってからでもいいんじゃないの?」
「だめだめ、明日は29日だから・・・『九(苦)餅』は、つくもんじゃないんだから」と母。30日について供えればよいのですが、家庭用の餅つき器でつくと、杵つきより柔らかくなってしまうので形を整えるのが大変、ここは、年長に従うのが一番ということで、仰せの通り餅つきを始めました。
「米粉はあまりつけないようにな、カビが生えやすくなるから」
自分でやらないわりには注文が多いんです。(笑)
大騒ぎをしながらも、なんとかそれらしい鏡餅が出来ました。

「はて?どうして鏡餅は丸餅なのだろう?」
昔、鏡は全て円形(ほら、銅鏡ってやつ、『三種の神器』にもあるじゃないですか)で、魂を象徴する神器でした。これを餅に置き換え、丸い餅を供えて生命力を授かるようにという願いをこめるのだとか、
「そうか、それで鏡餅か。ほんじゃどうして二つ重ねるんだ?」
二つ重ねてあるのは月日を表し、福徳が重なることを願うためなのだそうですよ。
「ふむふむ」

ついでですので、明後日お供えするのにお勉強。
供え方は、三宝の上に半紙を敷いて、裏白の葉を白い方が見えるように置き、大小の丸餅の上にみかんや橙をのせる、あっと四手も飾るのかな?ともかくこんなのが標準。
これに地方によって、昆布、串柿・・・伊勢エビなんて豪華なものをお供えするところもあるのだそうです。
橙は『家族繁栄』を、裏白は『夫婦円満』を、四手は稲穂を表していますから『豊作』をそれぞれ意味しています。

ただ正月だから『鏡餅』をか・ざ・るっていうんじゃなくて、こんな意味を想いながらお供えしたほうが、御利益もありそうですよね。

さぁ、明日は買い物、正月料理の仕込みと忙しいぞ・・・あれ?なんで私が忙しいんだ?

さて、今日の一枚は、チェット・ベイカーです。
このアルバム、バックにはケニー・ドリュー、サム・ジョーンズ、ジョージ・モロウ、フィリー・ジョー・ジョーンズ、ダニー・リッチモンドとそうそうたるメンバーが揃っているにもかかわらず、米ダウンビート誌で、一つ星の評価に終わってしまったという曰くつきのアルバムであります。
まぁ、ジャズ誌の評価が絶対かというのには疑問があります。全て信じるなら、例えばスイングジャーナル誌の「おじさん脱帽マーク」のレコードだけ買って聴いていれば、オールOKってことになりますもんね。(これは絶対にない)

先日の記事で『三脱の教え』の話をしましたが、ジャズ誌の評価も、知った上で聴くよりなんの先入観も無しで聴いて、自分で判断するのが正解でしょう。
そこで、私の評価はあえて出さないでおくことにします。
あなたは、このアルバムをどう評価しますか?

IT COULD HAPPEN TO YOU / CHET BAKER
1958年8月録音
CHET BAKER(vo,tp) KENNY DREW(p) SAM JONES, GEORGE MORROW(b) PHILLY JOE JONES, DANNY RICHMOND(ds)
1.DO IT THE HARD WAY
2.I'M OLD FASHIONED
3.YOU'RE DRIVING ME CRAZY
4.IT COULD HAPPEN TO YOU
5.MY HEART STOOD STILL
6.THE MORE I SEE YOU
7.EVERYTHING HAPPENS TO ME
8.DANCING ON THE CEILING
9.HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON ?
10.OLD DEVIL MOON


最近の・・・

2006年12月26日 | y-その他

いやぁ、なんだか凄い天気になってきました。この時期に発達した低気圧の影響とは、やはり異常気象なのでしょうね。

「最近の若い連中はまったく・・・・」
昔から、オヤジと呼ばれる人種の決まり文句であります。オヤジと成り下がった私も、ときおり口元まで出かかる事がありますが、グッと飲み込むようにしています。

一昨日、焼鳥屋のおやじがこんな話をしていました。
先日、若いお兄ちゃん(二十歳そこそこだったそうですが)が、焼鳥屋を始めたいので、是非アルバイトとして使って欲しいとやって来たのだそうで
「年末に向けて、あと一人ぐらいいてもいいかとも思っていたので、覚える気があるのならと、使ってみることにしたのさ・・・」
焼鳥屋をやるつもりなら、仕込みから教えてやろうと、『包丁使い』から始めたのだそうですが
「あっ、包丁はいいんです。出すのは焼き鳥だけにするつもりですから」
「・・・・・・・・・・・!?」
焼き鳥だけでも包丁は使うだろうと思いながらも、そう言うならと『串打ち』を
「早く焼かせてください、冷凍の焼き鳥仕入れれば、串に刺す必要もありませんから」
「・・・・・・ばっばかやろう!1時間分の時給払ってやるから、とっとと出てけ!!」

「バブさん、今の若いのはあんなんばっかなのかねぇ?」
いやいや、もちろんそんなヤツばかりじゃないこと、いや、逆にそんなヤツは今の若者のなかでも珍しいバカ野郎であることも話はしましたが、
「なんだか、俺の周りには多いんだよねぇ、そういうバカ野郎が」
あとは、飲みに来る若者のマナーの悪さに始まり、果てはゴルフ場での馬鹿たれ若者の話まで、出るは出るは「最近の若い連中はまったく」のオンパレードです。

「まぁまぁ、おやっさん、我々若い頃だって同じようなことずいぶん言われたんだから」
「いや、それでも目上に対する接し方は、表面だけでもキチンとしてたよ。影ではクソジジイとも思ってはいたけどね」
「う~~ん、たしかに・・・・・・、でもそれだけ目上の連中がだらしなくなったって事かもしんないですよ。俺も含めて(笑)」

ともかく、こんな私『バカおやじ』にも、未だ若輩者とご指導いただける先輩方が多々いらっしゃいます。バカ者を非難する前に、この方々には礼を尽くさなければいけませんね。

礼の人に於けるや、猶お酒のげつあるがごとし
(礼は社会を渾然一体にして味わいをつけていく、あたかも酒を醸すのにこうじがあるようなものだ。)

礼を忘れるということは、工業用アルコールだけの酒を飲むようなもの?
酒飲みを気取っている私には、許し難いことではありませんか(笑)

さて、今日の一枚はジャズテット唯一のライブ盤です。
ジャズテットといえば、ファーマー、ゴルゾン、フラーの三人が揃ってないとと思う方もいるかもしれませんが、ジャズテットと銘打って発売になったアルバムは「MEET THE JAZZTET」が最初、この時は確かにこの3人のバンドというイメージがありました。
しかし、半年後にはフラーがマッキントッシュに代わっていましたし、リズム隊もすべてチェンジしていまいましたので(このおかげで、マッコイがコルトレーンの元へはせ参じられたのですが)
ジャズテットというのは、ファーマー、ゴルゾンの双頭3管グループと考えるのが正解だと思います。
えっ?サヴォイの「CURTIS FULLER JAZZTET」には、ファーマーが入ってないって?
これは「MEET THE JAZZTET」のヒットに便乗してつけられたアルバム名みたいですよ。
なかには「BLUES-ETTE」もジャズテットの演奏だと思っている人もいるそうであります。

話を今日のアルバムに戻しましょう、ロスの青空市場とファーマーをひっかけたオリジナル「FARMER'S MARKET」、それとモンクの「'ROUND MIDNIGHT」あたりが聴き所でしょうか。ゴルゾンハーモニーをお楽しみ下さい。
ファーマーがフリューゲル・ホーンを吹き出したのもこれが最初だったですよね。

THE JAZZTET AT BIRDHOUSE
1961年5月15日録音
ART FAMER(flh,tp) THOMAS McINTOSH(tb) BENNY GOLSON(ts) CEDAR WALTON(p) THOMAS WILLIAMS(b) ALBERT HEATH(ds)
1.JUNCTION
2.FARMER'S MARKET
3.DARN THAT DREAM
4.SHUTTERBUG
5.'ROUND MIDNIGHT
6.NOVEMBER AFTERNOON


冬の風物詩

2006年12月25日 | v-x

みなさんはクリスマス・イブをどのようにお過ごしになったのでしょうか?
私は、コンビニ経営をしているMさんのクリスマス商品配達を手伝ってきました。
終わったのは10時過ぎ、
「バブさん、悪かったね、軽ーくメシでも食っていこう」
『メシを食う』つまりこれは、我々の間では『飲みに行くぞ』ということでありまして
そこまでは、良しとして・・・・なんで「軽ーく」が、3件梯子ということになってしまうのでしょうか?しかも10時過ぎからでしょ、帰りの時間は推して知るべしであります。
聖夜をこんなふうに過ごしてしまって、本当にいいのかいバブ君・・・・

ということで、今朝は眠くて眠くて、かといって間もなく仕事納めなのに休むわけにもいかず、気合いを入れ直して仕事へ行ってまいりました。

こういう日は、昼飯を食べたあとが辛いですね。スーっと眠気が襲ってきます。
ふと、昼食をとったところが、白鳥が飛来する河原の近くだったのを思い出し、
「良し、眠気覚ましに河原の空気でも吸ってこよう!」



いやぁ、いっぱいの白鳥ちゃん、これだけ居ると優雅とはちょっと言いにくい感じもありましたが、これもまた冬の風物詩、しばし眺めてまいりました。

お母さんと二人の兄弟が、パンの耳でしょうか楽しそうに餌をあげていました。
それにしても、白鳥というのは妙になれなれしいもんなんですね、子供達が少し怖がるほど迫っておりました。

「なんだよ、おめえは餌も持ってねぇのかよ!」と、若い白鳥君が私にまで突っかかってきました。(笑)

ともかく、白鳥ちゃん達のおかげで、午後も無事仕事をすることが出来ました。
今晩は酒も飲まずに・・・一杯だけにして、早く寝ようっと。

さて、今日の一枚は、私の大好きな白人ピアニスト、ジョージ・ウォーリントンです。
以前紹介したプレスティッジの「LIVE! AT CAFE BOHEMIA 」や「JAZZ FOR THE CARRIAGE TRADE」と並ぶ、イースト・ウエストに残る私好みのアルバムです。
彼の指さばきは、まさにタイトルどおりの「手品師」、ホーン陣とのみごとな掛け合いは聴きものですよ。

THE PRESTIDIGITATOR / GEORGE WALLINGTON
1957年3月4,5日録音
GEORGE WALLINGTON(p) JERRY LLOYD(b,tb) J.R. MONTEROSE(ts) TEDDY KOTICK(b) NICK STABULAS(ds)
1. IN SALAH
2. COMPOSIN' AT THE COMPOSER
3. JOUONS
4. RURAL ROUTE
5. PROMISED LAND
6. AUGUST MOON
7.THE PRESTIDIGITATOR


三脱の教え

2006年12月24日 | v-x

今日は、年賀状も書き終えたことだし、大掃除は正月休みに持ち越しということで、伸びきった頭髪をサッパリしてこようと床屋へ出かけました。
ところが、誰もが考えることは似ているのかいつもの床屋の駐車場が満杯状態です。
「う~む、システマチック理容室(短時間で低料金のかの床屋を私はかってにそう呼んでおります)にでも行くしかないかなぁ~~」
髪型になんのこだわりも持っていない私ですから、ようは何処の床屋でも髪さえ刈ってもらえれば用は足りるわけで
あきらめ半分でシステマチック理容室に向かう途中、最近出来たのか新しい床屋を発見いたしました。駐車場にもまだ余裕がありそうでしたので
「よし、新規開拓だ!」

いくつぐらいでしょ、まだ、いかにも独立間もないイケメンの理容師さんが、お姉様(確かめたわけじゃありませんから、定かではありません。ただ、奥様にしてはかなり年上に思えましたし、お顔もよく似ておられたので)と二人で切り盛りされておりました。
雑誌を見ながら順番を待っていると、ほどなく私の番に
「今日はどういたしましょ?」
「え~と、適当にサッパリしてもらえれば、土台が土台だから贅沢は言いませんから」
「お客様、お住まいはお近くなんですか?」

私は、床屋で髪をいじってもらったり、顔をあたってもらうのが大好きで、その間はできればあまり話しかけてもらいたくないタイプです。
それでも、初めての客となれば、あちらさんも話しかけないわけにも行かないのでしょう。「今日は気温は高いみたいですけど、風は冷たく感じますよね。」とか
「インフルエンザがなんたらかんたら・・・」
「スキー場も雪が無くて困ってるらしい・・・・」などなど、なんとか私の興味を探ろうと一生懸命です。
そのうち、「あー」とか「ええ」とかしか答えない私に、さすがの彼も「こりゃ話したくないな」と気づいたらしく、黙々と作業に徹しておりました。

とかく客商売をするのに、初めての客だと何を話題にしてよいのかわからないときが間々あるものです。
「政治、宗教の話は御法度、天気や三面記事的話をしてれば無難」
なんて人もいますが、
江戸の教えに『三脱の教え』というのがあるのを御存じでしょうか?
『三脱』の三とは、『年齢』『職業』『地位』。初対面の相手にはこの三つを尋ねちゃいけないという教えです。
「この三つの先入観が入ると、いらぬフィルター越しにその人を見てしまうことになる、これは人間を見る観察力、洞察力を鈍らす最大の原因になるからだ。」という事。
じつに的確な教えであります。
客商売において『観察力』『洞察力』は、最大の武器にして、絶対のテクニックなのでしょう。

逆に言えばこれは、私たちがお店を選ぶ一つの基準になる教えでもあるわけで、
たしかに、始めて行った飲み屋のお姉ちゃんが
「バブさん、お勤めは何処なの?お歳は?お名刺頂けます?」
なんて、ブイブイやられたら、考えちゃいますもんね。しかも名刺をわたして、社名と肩書きを見た瞬間に別のテーブルに行かれちゃったりしたひにゃあ~た、二度とそんな店には行かないでしょう。(笑)

ともかく、イケメン理容師は一生懸命さが伝わってきたし、『三脱の教え』も守れていましたから、また利用することにしましょう。
「頭もサッパリしたし、今年もあと一週間、忘年会はあと何回あるかなぁ~、そうそう新年会もあるジャン」って、お前の頭の中にあんのはそれだけかい、こんどは中身もサッパリしてこい!

さて、今日の一枚は、フランス屈指のテナーマン、バルネ・ウィランです。
ケニー・ドーハム、デューク・ジョーダンを迎えてのライブ盤ですが、22才のウィランが二人に負けずと頑張っちゃっている、乗りの良いアルバムです。
この当時のフランスは、ジャズがいかに盛んだったか、彼の演奏を聴くと納得いきますよねぇ。
そんでもって、とうぜんドーハムもジョーダンも気持ちよく演奏してます。「LADY BIRD」あたりのジョーダンのソロなんてノリノリですよ。
以前、アート・ペッパーの「BESAME MUCHO」も紹介しましたが、この「BESAME MUCHO」も一聴の価値はあると思います。なかなかの名盤です。

BARNY / BARNY WILEN
1956年4月録音
BARNEY WILEN(ts) KENNY DORHAM(tp) DUKE JORDAN(p) PAUL ROVERE(b) DANIEL HUMAIR(ds)
1.JORDU
2.LADY BIRD
3.BESAME MUCHO
4.STABLEMATES


違う味わい

2006年12月23日 | p-r

昨晩は今年3回目の忘年会、といってもS君と二人きり、
「なんか飲みたい気分だよなぁ」
「え~?だって所持金が・・・・だけど飲みたいよなぁ」
「じゃあ、安い飲み屋で、忘年会ということで・・・・」
はははは、何が忘年会ですかね。いつもの飲み会です。
あいかわらずの午前様でした。代行運転のドライバーとは、自宅を伝えなくともしっかり我が家まで送ってくれる間柄、あれ?これっていいことなのか?
まぁ、それだけご厄介になっているってことですね、けして飲酒運転をしないことだけでも、ほめてやって下さい。

午前様の翌日は、なぜか朝から家の仕事を仰せつかります。
「今日は、窓拭きする約束だからね」
「はいはい」
とても大きな家なので(笑)、全部の窓を拭くとなるとけっこう大変なんですよ。大汗をかいて、ぜいぜい言いながら磨いていると、
「なんだよ、自分でも酒くせぇよ」
大変な窓拭きも、酒漬けの体からアルコールを絞り出すにはじつに効果的、終わった頃にはアルコールもすっかり抜け、コップ一杯の麦茶の旨いこと旨いこと。

それにしても、趣味部屋の窓を拭いていて思ったのですが、煙草のヤニっていうのは、凄いですねぇ、あれじゃ吸わない人にも影響があるということを実感できます。
それでも、「いやぁ、タバコのヤニが凄かったよぉ」と言いながら、仕事後の一服をしてしまう私は、学習しない猿以下でしょうかね。

ともかく、私の大好物『酒』と『煙草』を、また違った形で味わった一日でした。

明日は、いよいよクリスマス・イブですね。私はお手伝いがあって、明日の夜は出かけなければいけません。
子供が小さい時には、クリスマス・イブも大切なイベント日でしたが、今じゃ重要性も無くなり、いつもと何ら変わらぬありさま、なんだかとても淋しいので
「明日はオレいないから、今晩、クリスマスということで、ワインでも飲もうか?」
「自分でお金出して、自分で用意するんだったら、かってにすれば」
ということで、今晩はイブイブ?
・・・・・・・でも、やっぱり子供たちがいないと淋しいですよねぇ
娘に贈ったCDを、彼女は喜んでくれるかなぁ~~~

さて、今日の一枚は、マックス・ローチです。
今どき、変拍子といっても、さほど珍しくないかもしれませんが、この時代に3/4拍子というのは、ある種冒険だったと思います。ローチだからこそできた所業だったのかもしれません。
もちろん、ドーハムもロリンズも脂の乗りきった時期ですから、悪いわけもありませんし、ロリンズのオリジナル「VALSE HOT」など、意識的に拍子を追わないと変拍子と気づかないほどこなれた演奏を聴かせてくれます。
それにしても、以後、天才の名を欲しいままにしていくローチ、このアルバムを聴くと納得できますよね。

JAZZ IN 3/4 TIME / MAX ROACH
1956年10月12日録音
MAX ROACH(ds) KENNY DORHAM(tp) SONNY ROLLINS(ts) RAY BRYANTay(p) GEORGE MORROW(b)
1. BLUES WALTZ
2. VALSE HOT
3. I'LL TAKE ROMANCE
4. LITTLE FOLKS
5. LOVER
6. THE MOST BEAUTIFUL GIRL IN THE WORLD


楽しい瞬間も今は昔

2006年12月21日 | p-r

私の住んでいる地域では、例年であればこの時期、連日『乾燥注意報』が出っぱなしなのに、今年はなかなか冬型という天気図にならず、静電気におびえる私にとってはじつに良い傾向です。でも、この暖冬でお困りの方もいらっしゃるのですから、喜んでばかりもいれませんね。

今日は曇り空ではありましたが、久しぶりに昼休み公園にまわってみました。
いかに暖冬とはいえ、公園の木々は季節を刻んでいます。ちょっと前まで紅葉でにぎわっていた梢もすっかり葉を落としていました。

こんなどんよりとした天気に公園でのんびりする人はいないだろうと思ったら・・・
(なんだぁ!あの高校生とおぼしき二人連れは!)
今日は平日ですよね?なんで高校生が、しかもカップルで・・・
さらにさらに、なんだかベタベタしちゃって、
(私は、ブログで、このへんの高校生はせいぜい手をつなぐくらいだと豪語していたのに)

「まったく、昼まっから、何やってんだ、まったくもう、親が見たらがっかりすんぞ、まったく、まったく」
「バブさん、やっかみですか?」と同僚。
「違うよ、場所と時間を考えろって言ってんの」
「場所と時間って、夜の遅い時間に人目を忍んでっていうほうが、高校生としちゃまずいんじゃないですか?」
「いやぁ・・・それは・・・・」

たしかに、夜中、親に内緒で逢い引き(古い!)されても困りますけどね。
まして、自分の高校生時代を思い出せば、けして他人のことは言えないわけで・・・・
それでも、同じ高校生の娘を持つ私としては・・・・・
「ダメだ!絶対ダメ!・・・注意してやろうかな」
「ちょいちょい、バブさん止めてくださいよ」

でも、後になって思うと、ああして二人っきりで居れば、寒さも寂しさも感じず、時間だけが過ぎていく、何時までもこうしていたいという気持ちもわからなくもありませんね。
こんな中年オヤジにも、遠い昔にそんな思い出がありますから、
なんだ、結局、同僚が言うように、ただのやっかみだったのかもしれません。

人生でいちばん楽しい瞬間は、誰にもわからない二人だけの言葉で、誰にもわからない二人だけの秘密や楽しみを、ともに語り合っている時である。
ゲーテの言葉です。

・・・・・・あー、私にはもう人生でいちばん楽しい瞬間は訪れないのでしょうねぇ~~~~。(しくしく)

さて、今日の一枚は、こちらも久しぶりにパド・パウエルです。
このころは、彼も「もうあのいちばんの時は来ないのだろうなぁ~~」なんて、思っていたのでしょうか?すでに往年の鋭さはありません。
マイルスは「ベルヴュー病院で痛めつけられるまでは最高のピアニストだった」とパウエルを評しました。
電気療法は、確実に彼を痛めつけていったのでしょう。ここでも、安定した感じと、じつに不安定な感じ、両方をくみ取れます。
それでも、パウエルはパウエルです。「WOODYN' YOU」なんて、私はとても好きです。

BLUES IN THE CLOSET / BUD POWELL
1956年9月1日録音
BUD POWELL(p) RAY BROWN(b) OSIE JOHNSON(ds)
1.WHEN I FALL IN LOVE
2.MY HEART STOOD STILL
3.BLUES IN THE CLOSET
4.SWINGING 'TIL THE GIRLS COME HOME
5.I KNOW THAT YOU KNOW
6.ELOGIE
7.WOODYN' YOU
8.I SHOULD CARE
9.NOW IS THE TIME
10.I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
11.BE-BOP
12.FIFTY SECOND STREET THEME
 
おまけ、
先日、いつものバーで飲み過ぎた時、写真を撮ってきました。
このバー、ママの嗜好で「マッカラン」の品揃えはなかなかのものです。まぁ、そこでバーボンを飲んでくる私はなんなんだ!って話ですけどね。
ママの写真も撮っては来たのですが、本人が出演を拒んでおりますので、本日は「マッカラン」の棚を紹介しておきます。


力をいただきました

2006年12月20日 | p-r

去る17日に岸田今日子さんが、そして今日、青島幸夫氏がお亡くなりになりましたね。やはり一時代が終焉を迎えた感はぬぐえません。
岸田今日子さんの独特な語り口は、個性的で魅力的でありましたし、
テレビが生んだ男、青島幸夫も、放送作家、作詞家、直木賞作家、参議院議員、東京都知事と、じつに強烈なキャラクターでした。
そんなお二人の活躍も、これで完全に過去のものへとなってしまうのでしょうね。なんだか少し淋しい気分です。
よく憶えてはいませんが、私は幼少時に『スーダラ節』を親戚の前で披露して、大いに笑いを取っていたのだとか、三つ子の魂なんとやらで、現在のいい加減さには、ある意味、青島氏の影響があるのかもしれません。
ともかく、心よりご冥福をお祈りいたします。

今日はめずらしく6時頃に帰宅、ニュースを見ていると、両氏の死亡ニュースはもちろんですが、テレビ朝日系列で放送されていた特集に目を奪われました。
特集に出てきたのは、『ミトコンドリア病』という難病と闘う女の子、響ちゃんのお話でした。

先日、『鑑賞の後』で、XP(色素性乾皮症)のお話しをしたばかりなのに、またよくわからない病気に出会ってしまいました。世の中には私の知らない病気と、懸命に闘い続けている方々が本当に多いのですね。
ミトコンドリア病(MCM)とは、細胞内のミトコンドリア(わからない人は中学校の理科の授業を思い出してください。)が正常に機能しないために、エネルギー転換が上手くいかない病気だそうで、大量にエネルギーを消費する、脳や運動機能の発達に障害が起こってしまう病気であるとのこと、症状はバラバラだそうですが、治療法は確立されておらず、響ちゃんの場合は、高エネルギーミルクと投薬で生活を維持されているそうであります。

人間は、知らないうちに多くのエネルギーをあたりまえのように使用しているそうで、特に、風邪で発熱をしたときなどは顕著であるため、響ちゃんにとっては致命傷に成りかねないとか。
「響ちゃんのような病気の子供は、自宅で監禁状態にし、他の病気に感染しないようにするのも一つの手ではある。」とテレビに出てこられた小児科の先生はおっしゃっていました。しかし、続けて先生がおっしゃったのは「けれども、それがはたして、響ちゃんのような患者さんにとって生きがいにつながるものか、考えなければいけない。」
つまり、両親にとっては苦渋の選択をしなければいけないということなのでしょう。

響ちゃんのお母様は
「響が、はじめて、ふりしぼるように、ひ・び・きって言ったんです。幼稚園に行くには名前が言えなくちゃダメだと、わかっていたのだと思います。ひ・び・きと聞いたとき、これは幼稚園に行かせなくては、ぜったいにそうしなければいけないと思ったのです。」
とおっしゃっていました。

今、響ちゃんは、ご両親、幼稚園の先生、お友達、その他まわりの方々の協力に支えられ、大好きな幼稚園に通っています。運動会にも元気に出場しました。クリスマスにぬいぐるみが欲しいとサンタさんにもお願いしました。
彼女を取り巻く、素敵な方々、そして、まわりの人みんなに、生きることの大切さを教えてくれる響ちゃん。
響ちゃんの笑顔に私まで元気をいただきました。

響ちゃんのお父様が、東京新聞に投稿連載されていた文章が、一冊の本になっているようです。さっそく注文しましたが、皆さんもよろしければお読みになってみてはいかがでしょうか。

さて、今日の一枚は、映画「BIRD」のなかで、重要人物(笑)として登場している、白人バッパー、レッド・ロドニーです。
チャーリー・パーカーといっしょに活躍したと聞くと、なんだかとても古い人というイメージがあるかもしれませんが、実際は、マイルスやコルトレーンより一つ年下であります。
映画でも一部表現されていましたが、彼はパーカーを心酔するあまり(?)にドラッグまでまねをして、継続的に活躍できませんでした。これが「白人最高のモダン・トランペッター」といわれた彼を低迷させた最大の要因です。
彼のアルバムで最も有名なのは「1957」でしょうか?
しかし、今日のこのアルバムも、勝るとも劣らぬ彼の名盤、「白人最高のモダン・トランペッター」の神髄を感じ取れる一枚だと思いますよ。

RED RODNEY RETURNS
1959年録音
RED RODNEY(tp) BILLY ROOT(ts) DANNY KENT(p) JAY CAVE(b) FRANKYOUNG(ds)
1.SHAW NUFF
2.RED HOT AND BLUE
3.I REMEMBER YOU
4.5709
5.WHIRLWIND
6.JORDU
7.SHELLEY
8.TWO BY TWO


青い鳥

2006年12月19日 | m-o

いやはや、昨日今日と突然寒くなってしまいました。いかに皮膚の下に他人より一枚多く(だれですか、一枚どころじゃないだろうなんて言う人は)羽織っている私といえども、この寒さには耐えきれず、ついに趣味部屋のストーブに火を入れました。
おもえば、この時期までほとんどストーブ無しでいられたということは、やはり暖冬なのでしょうね。

以前、『ストーブ着火テスト』の時、マッチの話をしたかと思いますが、飲食店からマッチが消えていった最大の理由は、100円ライターの出現にあったように思います。100円ライターは日本で開発された画期的なライター。

第一号は、クラウン社から1970年に発売された、その名も『マッチュラー』という代物でした。ところが、この時はほとんど話題にも上らず、いつの間にか姿を消してしまったのだとか。
では、今の「100円ライターあたりまえ」の時代はいつから始まったのか。
私はよーく憶えてますよ。

第四次中東戦争を機に始まった、第一次オイルショック、トイレット・ペーパーを買い占めに走ったり(どうも原因を作ったのは大阪のおっさんらしいのですが、そのお話しはまた)それはもう大騒ぎでした。
このオイルショックの余波が残る1975年、発売されたのが、㈱東海の100円ライター『チルチルミチル』であります。(ちなみに使い捨てカイロが発売になったのもこの年だったとか。)
ともかく、昨日までマッチで煙草に火をつけていたひとが、「猫も杓子もチルチルミチル」みたいになっちゃって、私はまだまだ煙草を吸って良い年齢ではありませんでしたけど、なぜかよく使っておりました。(笑)

『チルチルミチル』という商品名は、一時100円ライターの代名詞のように使われていましたっけ。
手の中にガスをため込んで火をつけ、その火で煙草をつけるとか、煙草の外袋を気球のようにとばすとか、危ない遊びもしましたねぇ。(今でもできますよ)
ともかく、一大ブームを巻き起こしました。

それでも、しばらくは飲食店からマッチが消えていくことも無かったのですが、やはり『チルチルミチル』ブームがマッチを隅に追いやった要因であることは間違いないでしょう。

商品名『チルチルミチル』は、オイルショックの影響で、物価が高騰していた時期、世知がない世の中だから、童話「青い鳥」の主人公の兄妹「チルチル」と「ミチル」に、幸せを運んできて欲しいという願いでつけられたのだとか。
そういえば、『チルチルミチル』の金属部分に付いている鳥の図柄をご存じですか?
そう、しっかり青い鳥が描かれているんです。青い鳥は㈱東海さんに莫大な利益という幸せを運んできてくれはしたものの、その後破綻をしたと記憶しています。(再建されたみたいですが)

いま、最も普及しているライターは、ジッポーでもデュポンでもなく、100円ライターであることは間違いないですよね。世界中で使われているそうですから、日本発ライターもたいしたものです。ちなみに100円ライターも、もちろん通称、正式には『ディスポライター』というのだそうですよ。

『チルチルミチル』と『ハイライト』、私にはとても懐かしいアイテムです。

さて、今日の一枚は、先日「まさかバブがこんなアルバムを聴くのか?」と言われてしまったチャック・マンジョーネ初リーダーアルバムです。
もちろん、この時期のマンジョーネのスタイルは、クロスオーバーでもフュージョンでもありません、ギンギンのハード・バッパー。
しかも、お世辞にも素晴らしく上手いとは言い難い、まだ未完のマンジョーネ、『青い鳥』ならぬ『青二才?』、21歳の彼はまだそんな感じです。

それでも、バックがいいんですよ。キャノンボール・グループでの相棒同士でもある、サム・ジョーンズとルイ・ヘイズ、二人の組み合わせはじつに良いですよねぇ。もちろんウイントン・ケリーもいいんですよ。
この3人のバックがなければ、このアルバムの魅力は無くなってしまうと、私は思います。

RECUERDO / CHUCK MANGIONE
1962年7月31日録音
CHUCK MANGIONE(tp) JOE ROMANO(fl,as,ts) WYNTON KELLY(p) SAM JONES(b) LOUIS HAYES(ds)
1.RECUERDO
2.BIG FOOT
3.I HAD THE CRAZIEST DREAM
4.SOLAR
5.BLUES FOR SANDER
6.IF EVER I WOULD LEAVE YOU
7.THE LITTLE PRINCE