この夏は、とても暑い夏だったような気もしますし、短い夏だったような気もします。さぁいよいよ秋ですよ。
え?まだ暑い?
この前も書きましたが、いよいよ美味しいものが出てきます。それにつれて酒だってあ~た!!!!!
年中、酒ばかり飲んでいる私ですが、これでも季節に合わせた飲み方に、いささかのこだわりがあります。
たとえば日本酒です。
以前、冷やにも燗にも、冷やし加減、燗のし加減で、幾通りかの呼び名があるという話をしたことがありました。私の好みは年中室温。
昔は飲み屋さんで「冷やね」と頼めば、室温が常識でしだったのが、今じゃ小声で「常温ある?」なんて訊いちゃったりして、一番手間のかからない室温を頼むのに、苦労する時代になってしまいました。
そうそう、季節のこだわりの話でしたね。
酒を飲むときの器が問題なんです。同じ「冷や(室温)」で飲むにしても、飲む器はさまざま。
えーと、もちろん『ぐい飲み』でしょ、『杯』もあるし、『升』もある、『湯飲み』だって酒器になるし、『コップ』酒って手だってある。
さぁ、この中で私が夏場好んで使う酒器はどれでしょう?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?
それはね、『コップ』なんです。しかもモッキリで
あるコラムニストが
「型の良いコップに室温の酒を入れると、室温が満ちて、周りの空気を固めて指でつまむ感じ。そして、容器の重さがほとんど響かないので、酒そのものの重さを感じる。シンプルだけに、飽きのこない器」
と、酒器としての『コップ』を評しておりました。
同感ですね、私は夏場に特にそれを感じます。
涼を配した店内で、受け皿付きのコップに空気と同じ温度の酒が満たされる、口からそれを迎えに行くと、店内の涼が、空気が、コップ型に切り取られて、優しく私の体の中にしみ込んでくるんです。受け皿にしたたる酒滴は、ほら、まさに夏の涼ではありませんか。冷え切って水滴が付いていちゃダメなんです、酒滴、場と同じ温度の酒滴だからこその涼・・・・・わかるかなぁ
あらあら、夏の話を今更してもしょうがない、秋でしたね秋
秋の器は透明ではいけません。
空気を切り取るのではなく、風を感じる器がベストですね。
風に波紋を作るような、しかも波紋に月が映ったりして、揺らぐ名月をスーッと飲み干す。まさに秋を体に入れ込むようなのが良い
大きめの塗り杯なんてどうでしょう?月を飲み干す実感が湧きますよ。
おっといかん、酒の話になるとかくも長くなってしまいます、冬と春の器については、後々にということで
さて、今日の一枚はロン・カーターが、エリック・ドルフィー、マル・ウォルドロンらと組んだ、初リーダー・アルバムであります。
バスクラとチェロの掛け合い、ツー・ベースのデュエット、アルコ奏法と聴き所はたっぷり、
ロン・カーターとドルフィーは、けっこう一緒にやってますからね、気があってたのでしょうか?
ロイ・ヘインズのほうが、ドラムは合っているかなぁ、なんてふと思ったりもしますが、パーシップもけして悪くはありません。
なかなかの一枚だと思いますよ。
WHERE ? / RON CARTER
1961年6月20日録音
RON CARTER(b,cello) ERIC DOLPHY(as,bcl,fl) MAL WALDRON(p) GEORGE DUVIVIER(b) CHARLES PERSHIP(b) CHARLES PERSHIP(ds)
1.RALLY
2.BASS DUET
3.SOFTLY, AS IN A MONING SUNRISE
4.WHERE ?
5.YES, INDEED
6.SAUCER EYES
おまけ、
酒の話をこれだけしておいて、さらにというのは、いかがなものかと思いますが、「酒話」を更新しましたので、よければご覧下さい。
自分では、けっこう面白いかなぁ・・・なんて思っちゃったりしています。