JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

天才の魅力

2007年03月12日 | p-r

ここ二、三日、冷たい風が吹きまくり、春さんもなかなか前に進めないようです。それでも我が家の庭には春の香りが漂います。



そう、夏の『梔子(クチナシ)』秋の『金木犀(キンモクセイ)』そして、春の『沈丁花(ジンチョウゲ)』その花であります。
ものの本によれば、香りが香木の沈香(じんこう)に似ていて、さらに葉が丁子(ちょうじ)に似ていることからこの名がついたのだとか。
花言葉は「優しさ、おとなしさ」だそうですから、私にピッタリの花ではありませんか。(だれだ!両手を上に向けながらあきれ顔をしている奴は!!!!欧米か!!!!!!)

「音楽はきみ自身の体験であり、想像であり、知恵なのだ。もしきみがまことの生活を送らなければ、きみの楽器は真実の響きを持たないだろう。」(チャーリー・パーカー)

チャリー・パーカーは、今から52年まえの今日、ニカ夫人のアパートでTV「ドーシー・ブラザース・ショー」を見ていて、笑った拍子に咳き込み、そのまま帰らぬ人となりました。そう今日は彼の命日なのです。
命日にこけ落とすつもりはありませんが、彼にとって「まことの生活」とは何だったのか?、他人の楽器を平気で使って質入れまでしてしまう人に「きみの楽器」と言われても・・・みたいなところもあったりして(笑)

それでも、ジャズの歴史において、彼が残した業績はその後の全てを方向付けた事は確かですし、彼がいなければ私がジャズに出会うことも無かった(直接彼と出会ったわけではありませんが)かもしれないとまで思わせる人物です。

私ごときがパーカーについてとやかく述べるなど、またまた、両手を上に向けながら呆れられそうでもありますが、
何故彼だけがモダン・ジャズの創始者と呼ばれるのか?チャリー・クリスチャンだって、ロイ・エルドリッチだって、もちろんディジーだって・・・・・・・などと単純に考えたときもありました。
彼が他と違うのは何なのだろう????????

絵画であっても、あるいはその他の芸術と呼ばれるものであっても、改革というのは、正しいと思われていたことを逆から眺めてみた成果なんじゃないかなんて思うんです。
例えば、ブルース音階を西洋音階で表すとE(ミ)とB(シ)の音が半音下がった音階とみるのは西洋音階からの観点であって、逆の視線、つまりブルース音階から西洋音階を眺める事を試みたら・・・
つまり、パーカーという人はこれを即座にやる事ができた大バカ野郎(すいませんこれは褒め言葉です)だったわけで、この才だけは他を圧倒的するものだったのかもしれません。
理屈など後からついてくるもの、それを思うままの即興の中で作り上げていってしまった男、それがチャーリー・パーカーなのでしょう。

そして、その才に多くの者が憧れ、近づこうとし、ハチャメチャな彼からどんなに迷惑を受けても、それ以上に吸収すべきものを彼に見いだしていたということなのでしょう。
金に汚く、時と場所はまったく気にせず、他人のものは自分のもの、自分勝手で酒と薬に溺れたジャンキー野郎・・・
これをかき消すほどの魅力と才能、そう考えると彼のそれはとてつもなく大きなものだったのだと思います。

チャーリー・パーカーの命日に、パーカーのパの字も知らないテキトウ野郎(私です)が、勝手なごたくを並べまして申し訳ありませんでした。
パーカーに関してはまだまだ聴き込みの足りない私、もっともっと彼の演奏を聴いて、彼の魅力をまだまだ知る必要がありますね。

さて、今日の一枚はパーカーのCD盤です。
ダイアルに残る録音を二枚にまとめたうちの一枚目。
ハリウッド大通りに「テンポ・ミュージック・ショップ」を開いていたロス・ラッセルは、いつか独立レーベルを持つことを夢見ていました。
ニューヨークでの仕事がめっきり少なくなっていたパーカーとデジィは、カリフォルニアの長期遠征へと出かけます。
これを知ったラッセルはこのコンボに期待し、録音を敢行。「ビ・バップ」は一部の支持を得ただけではあったものの、これこそジャズの未来を示唆するものだと信じ、ダイアルを創設したのでありました。
航空券を換金して使い込んだためにカリフォルニア居残ったパーカーが、ベニー・カーター楽団の一員として西海岸に来ていたマイルス(19才)を起用して録音した2~6や、れいのぼや事件寸前に録音した伝説の「LOVER MAN」などが納められたCDです。

CHARLIE PARKER STORY ON DIAL Vol.1 Westcoast Days
1946年2月5日~1947年2月26日録音
CHARLIE PARKER(as)
DIZZY GILLESPIE(tp) MILES DAVIS(tp) LUCKY THOMPSON(ts) DODO MARMAROSA(p) その他

1.DIGGIN' DIZ
2.MOOSE THE MOOCHE
3.TARDBIRD SUITE
4.ORNITHOLOGY
5.FAMOUS ALTO BREAK
6.NIGHT IN TUNISIA
7.MAX MAKING WAX
8.LOVER MAN
9.THE GYPSY
10.BEBOP
11.THIS IS ALWAYS
12.DARK SHADOWS
13.BIRD'S NEST
14.HOT BLUES
15.COOL BLUES
16.RELAXIN' AT CAMARILLO
17.CHEERS
18.CARVIN' THE BIRD
19.STUPENDOUS

追伸、
当時のバッパーが著作権を意識したのかどうかは定かではありませんが、すでにスタンダードとして広く親しまれた音楽を、オリジナル・メロディーを取り払い、やりやすいコード進行を生かし、別名の曲として演奏するということを行っていました。
4曲目「ORNITHOLOGY」の原曲はモーガン・ルイスが書いたミュージカル・ナンバー「ハウハイ・ザ・ムーン」です。機会があれば聴き比べなさってみてください。

おまけ、
本日は良き友S君と焼き鳥でいっぱいひっかけに行ってまいります。寒い日にはこれにかぎなぁ~~~!



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