JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

タイムマシーンがあったら

2008年01月23日 | a-c

今日は東京でも雪が降ったようですね。このあたりも午後からは雪かなと覚悟していたのですが、なんとか雨で終わりそうです。
ちなみに「何であれくらいの雪で全国ニュースになるのか分からない」と文句を言っていたのは私の母です。(笑)

昨日は「JAZZ DAY実行委員会」が制定した「ジャズの日」。January(1月)の頭の文字JAと22日を続けて書くとJA22、JAZZに見えるからだそうで、今年も去る1月20日に日比谷公会堂でコンサートも催されたようです。
そんな話を聞くと、「いいよなぁ、コンサートも多いし、ライブハウスもあるし・・・・」
てなことを思ってしまうのは、田舎者のひがみでしょうかねぇ、私だって横浜にいる頃には・・・・(とほほほほ)
こうして毎日のようにレコードを聴いていても、ライブへの憧れはつのるばかりです。

そんな中、昨日の「STUDIO JAZZ PARTY」なんかもそうですが、その場で聴けたらどんなに良かっただろうというライブ演奏は多々ありますよね。

それを大好きなコルトレーンで考えてみれば、1961年の「ヴィレッジヴァンガード」はもちろん、1963年の「ニューポート」でしょ、それからそれから・・・これもきりがないか(笑)あとから出てきたライブ音源もずいぶんありますからね。1965年の「ハーフ・ノート」なんて、その場に居れば全てを聴けたのに・・・

そんななか、一時私がどうしても聴きたくて探しまくったライブ録音がありました。それは「至上の愛」のライブ演奏、1965年の夏フランスはコートダジュールで行われた「アンティーブ・ジャズ・フェスティバル」でのコルトレーン・カルテット初日の演奏です。
その時私は、二日目の演奏が収められた「LIVE IN ANTIBES, 1965」は持っていたものの、肝心の「至上の愛」が収められた「LOVE SUPREME」を持っていなかったわけですよ。

「あまり長ったらしく演奏したし、決して上手い演奏とはいえない。明日の演奏はもっとうまくやらなければいけない。」とコルトレーン自ら演奏後に語ろうとも、「至上の愛」のライブ演奏はやはり聴きたいと思う気持ちも分かるでしょ。
そしてやっと手に入れたわけであります。

いかにも浜辺のリゾートを満喫しているような服装の観客を前に、タキシードに黒ネクタイのカルテットが全部で約48分にも及ぶ組曲を演奏し終えます。
演奏後にコルトレーンがなんと言おうと、私がその場にいれば間違いなく「もっと聴かせろ!!」と叫んでいたかもしれません。
でも、この演奏が「「至上の愛」はライブではやるまい」とコルトレーン決心させた原因だったのかもしれないとも思うのです。

この苦労して入手した音源が、2003年だったと思いますが、本家スタジオ録音の「至上の愛」とともに「至上の愛 スペシャル・エディション」としてCD化されたわけです。

私はね、この「スペシャル・エディション」なるものが、どうにも気にくわないわけですよ。
だって、マイルスの「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」のスーパー・エディションもそうですけど、組み合わせがおかしくありませんか?
「LOVE SUPREME AT ANTIBES」てな感じで一枚CDで出してくれた方がよっぽと良いと思うし、百歩譲って「LIVE IN ANTIBES, 1965」として「アンティーブ・ジャズ・フェスティバル」での2日間のライブをセットにするとか、なんだったらその翌日のパリでのライブもいっしょにしちゃうって手もあるけど、ともかくその方が数段良いように思うのですよね。
それをスタジオ録音とライブを無理矢理ひっつけて、しかもスタジオでの別テイクを入れちゃおうなんて・・・・・・

あはは、変なところで怒ってしまいました。
まぁ、素直に「スタジオ録音とライブ録音を聴き比べてみてください。」という親切だ、と思うことにしましょう。

さて、今日の一枚ですが、もちろんジョン・コルトレーン・カルテットの「アンティーブ・ジャズ・フェスティバル」でのライブ盤です。
へへへへへへ、私ってへそ曲がりですよねぇ。あえて二日目「LIVE IN ANTIBES, 1965」を持ってきました。

J.C.トーマスの『コルトレーンの生涯』には、同行していたランディ・ハルティンが、一日目の演奏を終え、少々落ち込み気味のコルトレーンに「明日はNAIMAをやってみたら?それがイヤだったらMY FAVORITE THINGSでもいいし」と言ったところ、「考えてみよう。」とコルトレーンは答え、翌日「NAIMA」で始まり「MY FAVORITE THINGS」で終わるというプログラム構成になったと書かれておりますが、実のところはどうだったのか?
ただ間違いないのは、二日目のプログラムの方が聴衆ウケは良かったと思うということだけです。(私はもちろん全部聴きたかったですけどね....笑)

もしも、タイムマシーンがあったなら、私は毎晩過去のライブ会場へ出かけることでしょう。

LIVE IN ANTIBES, 1965 / JOHN COLTRANE
1965年7月27日録音
JOHN COLTRANE(ts) McCOY TYNER(p) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds)

1.NAIMA
2.IMPRESSION
3.BLUE WALTZ
4.MY FAVORITE THINGS

追伸、
ランディ・ハルティン(RANDI HULTIN)をご存じない方にちょっとだけ説明させていただきます。
ノルウェーで活躍した彼女は、1956年からジャズ・ライターになり、ついにはノルウェー・ジャズ界の名物おばさんと呼ばれるまでになった方で、ノルウェーを訪れたアメリカのジャズメンを自宅に招待したりしながら親交を深め、高い信頼を得た方です。1988年にはランディさんを称えるジャズ・コンサートがニューヨークで開催されたほど。
SJ誌の「ジャズ・ジャイアンツの知られざる素顔」という記事は、彼女の著書「ボーン・アンダー・ザ・サイン・オブ・ジャズ」を連載したものです。



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