JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

脱水症状殺人未遂事件?

2008年07月06日 | s-u

今日も暑い一日でした。「30度越えもしていないのにブツブツ言うな!」といわれそうですが、暑いものは暑い・ん・で・す!(笑)

趣味部屋の掃除を済ませたら、もう全身汗だらけ、Tシャツなんてそのまま着ていたら、間違いなくオヤジ臭に+αのなんともいえない芳しい香りを放ちそうで
「おやじ、シャワーいただきま~す」
いやいや、汗をかいた後のシャワーって気持ちよいもんですよねぇ、タオルで頭をブルブルってやりながら、そーっと冷蔵庫を開けて、冷えたビールとグラスを盗み出し、珍しくもヤン・ガルバレクの「WITCHI TAI-TO」なんぞをターンテーブルへ
「カー!!ウメエ~~~~」
ほんと、こういう時の飲みっぷりは、映像をビール会社の宣伝担当に送ってあげたいくらい、500mlの缶はあっという間に空になり、A面最後の「HASTA SIEMPRE」が始まる頃には二本目を盗み出しておりました。(笑)

二本目を飲み終えると、今度は何とも心地よい睡魔が・・・
レコードをCDに切り替えて(寝ちゃっても大丈夫なようにね)タイム盤の「SONNY CLARK TRIO」なんぞを聴いておりますと、覚えちゃいないんですが、なんだかとても楽しげだったと思われる夢を見ながら・・・・・・・ところが、最後は悪夢にうなされながら・・・・・・
ハッと気づくと、すでに時計は昼をまわっておりました。しかも、趣味部屋の中は異様な暑さ、きっきまで爽やかだったはずが、またも汗だくで元の木阿弥じゃありませんか
「あれ?南側の大きな窓が閉まってる?????」
暑がりの私が、しかもシャワーを浴びた直後に窓を閉めるわけがありません。しかもテーブルの上に置いてあったはずの盗み飲みの残骸が、綺麗になくなっています。
「あっ、ボリュームが高すぎて近所迷惑だと思ったから、窓閉めといた。」
って、おいおい
「俺を脱水症状で殺す気かぁ~~~~~!!!!脱水症状殺人事件じゃぁぁぁぁぁ!!」
そんな殺人聞いたこともありませんけど(笑)

「また、シャワー浴びるようジャン」
「シャワーなんてもったいないから浴びなくていいよ。庭仕事やら何やらやって欲しいこといっぱいあるから、どうせ汗かくし」
「・・・・・・」
昼食を無理矢理食べさせられ、芝刈りに枝切り、戸井掃除に電球替え・・・・・そして、最後はやはり料理当番と、バブ氏の休日はこうして終わったとさ、めでたしめでたし。
違う、ぜったいにち・が・う
「え~~~ん、これは立派なイジメだょ~~~、家庭内暴力だぁ~~~、訴えてやる!」

ということで『料理当番、本日の一品』

小さな抵抗ではありますが「夜もビール飲んでやる!」てんで、本日はスペアリブのバーベキューソース焼きです。
スペアリブは、脂抜きと臭い取りも兼ねて、ネギの青い部分、生姜、ヒタヒタの水を入れて圧力鍋で10分ほど炊きました。
これを、玉葱とニンニクのおろしたもの+蜂蜜+煮きり酒+醤油+ケチャップ+レモン酢+いり胡麻+少量のごま油、砂糖、塩、胡椒で作ったソースに漬けて、魚用グリルで焼き、
これを、水菜を敷いた上に並べて、漬けておいたソースにも火を通してかけました。
付け合わせは、茄子とアスパラのパスタ(バーベキューソースがかかるので、ほんの薄味のもの)と、トマト、人参です。
いやぁ、我ながらビールにはピッタリのお味でしたよ。

さて、今日の一枚は、ジョージ・シアリングとモンゴメリー・ブラザーズの共演盤です。
どうにも不思議な組み合わせのようですが、これ以前に巡業先でいっしょにやったことがあったのだそうで、「大所帯でのプレーを離れ、小セットでやりたい」というシアリングの希望と、ちょっとドロドロとしたマネージャーやらプロデューサー、レコード会社等の思惑も絡んでの共演だったようです。

まっ、そんなこたぁどうでもいいんであって、問題は中身ですよね。
私の場合、やはりどうしても耳はウェス・モンゴメリーに行ってしまいます。が、ソロがちと短すぎますねぇ、力を入れて聴く一枚では無いと思います。
ただし、だから良いということもあって
というのは、小気味よい軽快な曲調、聴きやすいアンサンブル、一枚聴き終えても全く疲れを感じません。これがシアリングらしさと言ってしまえばそれまでですが、前にも何度か言ったように「ようし、聴くぞう!」だけが、ジャズではありませんから、こんな一枚もたまには良いんじゃないか、なんてね。

軽~~い気持ちで、スーっと聴ける、そんな一枚だと思います。

GEORGE SHEARING ANDTHE MONTGOMERY BROTHERS
1961年10月9,10日録音
GEORGE SHEARING(p) WES MONTGOMERY(g) BODDY MONTGOMERY(vib) MONK MONTGOMERY(b) WALTER PERKINS(ds) AMMANDO PERAZA(conga,bongo) RICARDO CHIMELIS(timbales,conga,bongo)

1.LOVE WALKED IN
2.LOVE FOR SALE
3.NO HARD FEELINGS
4.ENCHANTED
5.STRANGER IN PARADISE
6.THE LAMP IS LOW
7.DOUBLE DEAL
8.AND THEN I WROTE
9.DARN THAT DREAM
10.LOIS ANN
11.MAMBO IN CHIMES


天の戸川で涼みたい

2008年07月05日 | s-u

「暑い!ともかく暑い!朝から暑い!何が梅雨だ!何処が梅雨だ!」
今日は午後からMさんのお店のお手伝いですので、午前中はゆっくりと珈琲を飲みながら音楽を堪能しようかと・・・・・
我が趣味部屋はボロ屋の中では最も環境の良い場所に位置しております。つまり、二階の南東、でもね、この場所が良いのは冬場であって、夏場は日当たりの良さが徒となります。特に午前中ときたら、夏の太陽が容赦なく室内の気温を押し上げるわけです。

それでも、私は貴重な午前中をこの部屋で過ごさなければいけません。しかも入れ立ての熱い珈琲を口にしながらです。
べつに我慢大会じゃないんだから、冷房でも入れりゃいいはなしなんですが
「環境サミットを目の前に、それはイカン!」
なんじゃそりゃ(笑)

ともかく、今もこうして容赦ない夏の太陽と、へんに温度を感じるPCの攻撃に耐えながら更新を行っているわけです。

それにしても、西日本とはうって変わり、このあたりは梅雨に入ってもさほどの雨が降っていないように思います。農家の方々はさぞご心痛のこととお察ししますし、それ以上に
「なんでもかんでも値上げのこの時代、干ばつまで襲ってきたら、我が家はどうなってしまうのか?」
と、自分の心配ばかりしてしまう私です。

とか言いながら、昨年7月10日の我がログを見ると、去年もこの時期さほどの雨が無かったことを思い出させます。しかも、原油高騰、集中豪雨、農作物の不作と心配していることは全くいっしょ、たしかに毎年そんな不安をあおる時期なのかもしれませんが、昨年よりさらに問題は深刻化しているように感じるのは私だけでしょうか?

昨年のそのログの中で「歌舞伎十八番『鳴神』のように、女性の色気にでも頼ってみます?」てなことをお話ししましたねぇ、かの小野小町もお上からの言いつけで『雨乞い』の祈りを唱えたそうで
「天の戸川の桶口 あけさせ給え~~~」
ってね。
その結果、「空は一天にわかにかき曇り大粒の雨がぁ、ベベンベン」小野小町はまさに「水も滴るいい女」になったそうであります。
落語家、故古今亭志ん朝の噺では「以来、小野小町は濡事が身についた」てなバカ噺を付け加えておりました。(笑)

「そこの美しいお嬢さん、暑さを避けて、二人で雨乞いなどいかがですか?」
いかんいかん、これじゃまるでどっかの女子高生を襲った小学校教諭なみです。
色事一つとっても、日本男児たる者『粋』でなきゃいけません。ナイフ突きつけて「舞鶴の事件みたいになりたいんか」なんてぇのは最低ですよね。
もっと、「正面からぶつかって、粋でクールに女を落とす」これですよ。
そうでなくちゃ、いかに濡事が身についた小野小町でも落とせやしませんて・・・
って?何の話でしたっけ?????

いかん、完全に部屋の暑さで思考回路がおかしくなってます。
馬鹿言ってないで、シャワーでも浴びて、サッパリしてからお手伝いに行ってこよ~~っと。

さて、今日の一枚は、トニー・スコットです。
スコットといえば、一時日本に滞在していたときがありましたよね。山本邦山と「MUSIC FOR ZEN MEDITATION」なんていうアルバムも出してましたっけ

バディ・デフランコと並んで、バップ期のクラリネットの雄スコットですが、クラリネットという楽器は、迫力という面でやはり今ひとつ弱いところがあります。(私はとても好きな楽器なんですが)
このアルバムも、正直言って少し重みがないというか、「クラリネットだけでバップの名曲のフロントを取る」というところに多少無理を感じてしまいます。(まぁ、スコットもデフランコもそこに挑戦したからこそ、凄いんですけど)

注目はやはりビル・エバンス、一曲目「LIKE SOMEONE IN LOVE」ではトリオ演奏が聴けますし、各曲とも存在感をにじませています。
やはりエバンス・ファンは押さえておいて良いアルバムではないでしょうか。

GOLDEN MOMENTS / TONY SCOTT
1959年8月9日録音
TONY SCOTT(cl) BILL EVAN(p) JIMMY GARRISON(b) PETE LaROCA(ds)

1.LIKE SOMEONE IN LOVE
2.WALKIN
3.I CAN'T GET STARTED
4.FREE AND EAY BLUES
5.MY MELANCHOLY BABY


重篤問題飲酒群?!!!

2008年07月04日 | s-u

今日は今年一番の不快指数の高さだったのではないでしょうか。
まあ、暑いだけでなく「ジト・ベター」みたいな感覚も許せないし、雨が降るでもない、晴れるでもない・・・・違った、晴れたかと思えば雨が降り、雨が降ったかと思えば夏の太陽が顔を出し・・・・何でもいいや、ともかく私にとってはこういう日が最も苦手なわけで、こういう日にはビール一杯ではとても爽やかな気分にはなりません。はやバーボンを4杯も飲んでしまいました。これすべて、気分の悪い天候が原因なんです・・・よ。

え~そんな私に、一昨日の晩(『ひろし』を皮切りに楽しい酒を飲んだその日です。)いつものバーのママが
「バブちゃん、この小説面白いから読んでみな」
と、文庫本を貸してくれました。

中島らもの『今夜、すべてのバーで』です。
なんだか妙に身にしみる小説で・・・・
「アル中になった主人公の話を、どうして俺に貸すかなぁ・・・しかも、酒を売る立場のママが」
てなもんです。(笑)
とは言いながら、昨晩から今日にかけてほぼ読み終えてみると、今晩あたりは酒など見るのも嫌になるのかと思ったら、不思議ですねぇ、逆にまた酒が好きになっちゃうような、たしかに面白い小説でありました。

「教養」のない人間には酒を飲むことくらいしか残されていない。「教養」とは学歴のことではなく、「一人で時間をつぶせる技術」のことでもある。

いいですねぇ、分かりますねぇ、
「一人で時間をつぶせる技術のない人間」つまりは、酒飲みは「寂しがりやの甘えん坊」ってことでありますな。
みんなでワイワイ飲んでるヤツも、一人でチビチビ飲んでるヤツも、孤独に耐える術を知らない『お子ちゃま』なのかもしれません。
「ボクちゃん淋しいから、今晩もオチャケ飲んじゃう!!」
我が心にこの感情がまったく無いかと訊かれれば、けして否定はできないですもん。(笑)

それにしても、文中に出てくる『久里浜式アルコール依存症 スクリーニング・テスト』ってヤツは、気になりましたねぇ。
私同様ちょっと気になる方がいらっしゃいましたら、チェックできるサイトを見つけましたので、トライなさってみてください。
      http://www.enjoy.ne.jp/~ikuro/alcohol/altest.html

いかがでした?
え?私?  え~~~私の場合は
5.8点「あなたの飲酒はきわめて問題が多い(重篤問題飲酒群)」なんだそうで、これは多いに反省すべきですねぇ・・・・
反省したからこそ、今日はおもてに飲みにも出ず、こうして自宅で飲んでるんですから。
えっ?反省にもなんにもなってない?
まぁまぁまぁまぁ、突然酒量を減らしたら、精神衛生上良く無いでしょ、ね、徐々に徐々に
「ん~~~あと20年ぐらいかけながら・・・」
「こらぁ~~~!間違いなくその前に肝硬変か肝臓癌であの世行きだわい!」
ごもっとも。

さて、今日の一枚は、セシル・テイラーです。
モンマルトルでのセッション、「NEFERTITI」と同日のライブ盤です。
いわゆるフリー・ジャズにおいて歴史的なセッションと呼ばれたこのライブ。ベースにはヘンリー・グラハムが予定されていたものの、結局、ベース・レスになったことで、逆に強烈なフリー・フォームを生む結果になったという・・・・
口で言っても分かりませんよね。

以前も言ったことですが、フリーを聴くときはあまり構えずにお聴きになった方が良いと思います。「真っさらなところへ音をぶつけてもらう」そんな感覚でしょうか。
すると、テイラーのハンマー・タッチとこれに鋭く反応するサニー・マレーのドラムスが・・・・これが、あなたの真っさらな心にどう響くか?
仮にその時少しでも、覚醒感を覚えたりしたら・・・あなたはフリーの世界で充分リスナーを務められる素質をお持ちだと思います。(笑)

INNOVATIONS / CECIL TAYLOR
1962年11月23日録音
CECIL TAYLOR(p) JIMMY LYONS(as) SUNNY MURRAY(ds)

1.THAT'S WHAT
2.TRANCE
3.CALL
4.LENA


そんなヒロシにおこしやす

2008年07月03日 | s-u

昨晩は久しぶりにS君のところへ「飯喰いいこう」と誘いに行くと
「嘘をついちゃいけないよ。飯を食いに行こうと言って飯を食ったためしがない。ならば最初から本当のこと言え!!!!」
「へへぇ、それではあらためて・・・・飲み行こう」(笑)

「ほんだまぁ、まずは軽くお腹に入れて・・・・」
といつもの料理屋に顔を出すと
「えっ?!」
品書きを見て二人で驚いてしまいました。
今はまだ七月になったばかり、なのに
秋刀魚の刺身って?、Hさん(おっと名前を公表してよいと言われたんだ)ひろしさん、(お店の名も『ひろし』です。)書き間違った?」
「いや、あるよ秋刀魚刺し・・・・でも、脂はのってないよ。」
「脂ののりなんかどうでもいい、こちとら江戸っ子よぉ、初物は早けりゃ早いほど良いってもんさぁ!」
って、いつから江戸っ子になったのか。

で、出てきたのがこちら、確かに脂ののりはイマイチでしたが、そこは自宅ではけして口に出来ないこの時期の秋刀魚ですから、じっくりと味わいながらいただいてまいりました。
そして「食べて美味しいのは、こっちの方だと思うよ」と出てきたのが、赤むつの煮付けです。

いやぁ、こちらは絶品でした。皮と身の間の何とも柔らかなゼラチン質とホクホクした身が口の中で・・・・・・・日本酒で洗い流すのがもったいないくらいですがぁ、もちろん、洗い流すばかりが酒の仕事じゃござんせん。幸せいっぱいの口の中に、追い打ちをかけるがごとく幸福まで注ぎ込まれるのですから、あ~~た、口の中に盆と正月とゴールデンウイークまでいっしょに来ちゃったようなものですよ(笑)

え~~名前出しついでに軽く宣伝を一つ
私が暮らすこの田舎をあえてこのログでは公表しておりませんけど、すでにバレバレですよね。もし、こちらの方に来られる機会がございましたら、変に高い料理屋ではなく、ぜひとも『ひろし』へオコシヤス。(江戸っ子になったり、京都人になったり、まぁ忙しい)
その日入った魚によってメニューに変動はあるものの、ひろしさんの目利きと腕は天下一品、旨くないものを出された記憶がありません。しかも、じつにリーズナブル、旨い肴に旨い酒、たらふく味わっても庶民の財布の中身で充分です。
おっと、宣伝しときながら、何処にあるのか分からないんじゃ仕方ありませんよね。簡単な紹介ページがありましたので、そちらを覗いてみて下さいね。
        http://www.abc-iwaki.com/i/hiroshi/

てなわけで、美味しい肴に酒も進み、
「次行ってみよう!!!」
「おう!」
と、いつものバーへ、ここでさらに酒量は進み、
「ママも行ってみよう!!!」
「おう!」(なんじゃそりゃ)
てんで、今度はママが見つけたという、こちらもご夫婦で営まれているカラオケ・スナックへ、三人で飲んで歌って・・・・・・
またまたやっつけてしまいました。でも、楽しい酒だったからよかったよかった。

さて、今日の一枚は、久々のホレス・シルバーです。
このアルバムは、私の少ない経験からすると好き嫌いがわりとハッキリした一枚のように思います。
特に「PSYCHADELIC SALLY」このノリを悪ノリと取るか、超ファンキーと取るか、う~~ん難しいですねぇ、でも私は好きですよ、スタンリー・タレンタインのソロはとてもカッチョイイ。
ということで、前半3曲はタレンタインの入ったクインテット、後半はベニー・モウピンを配したクインテットというツーセッション構成。
タレンタイン好きの私としては、前半に重きを置きたいところなのですが、やはり最大の聴き所は「JUNGLE JUICE」ですかねぇ、これが良いんだなぁ・・(笑)

ただし、シルバー自身を考えてみると、1964年にブルー・ミッチェル、ジュニア・クックをメンバーとする5年越しのクインテットを解散してからは、パッとしない時期が続きましたよね。つまりはアバンギャルドといった時代の流れに押し潰されそうになっていたのでしょう。このアルバムでも悩んでいる表情が見え隠れしているように思います。
シルバーのアルバムとしては、やはり前記のクインテットでのブルーノート4008,4017,4076,4110,そして4185の「SONG FOR MY FATHER」のほうが、らしさがあって良いと私は思います。

ちなみに、ジャケット写真はビリー・コブハムが撮ったものなんだそうでありまして・・・・・・ただねぇ、この時期のブルーノートのジャケットは一時の重みや深みが、何処かに消えていっているような気がして、私はあまり好かんですね。

SERENADE TO ASOUL SISTER / HORACE SILVER
1968年3月25,29日録音
HORACE SILVER(p) STANLEY TURRENTINE, BENNIE MAUPIN(ts) CHARLES TOLLIVER(tp) BOB CRANSHAW, JOHN WILLIAMS(b) MICKEY ROKER, BILLY COBHAM(ds)

1.PSYCHADELIC SALLY
2.SERENA TO A SOUL SISTER
3.RAIN DANCE
4.JUNGLE JUICE
5.KINDRED SPIRITS
6.NEXT TIME I FALL IN LOVE


癒し系バブ?

2008年07月02日 | v-x

このあたりでは「ほんとに梅雨?」といった日が、ここ3日ほど続いています。今日など長袖のシャツを着て出掛けたことをどれほど後悔したことか、いやはや、昔、やつれていた頃には(嘘です、今より健康的でスリムだった頃という意味)、「上着の袖が汗でべたつくから」と真夏でも長袖シャツで通していたのが嘘のようです。

「バブちゃん、あたし血吐いちゃってさぁ、こんだけ吐けば普通死ぬよ、なんて医者に言われちゃったぁ」
と、なんともそら恐ろしい電話を先日かけてきたのは、以前良く行っていたバーのママです。

ママの店が突然休み始めたのは、もう2年近く前になるでしょうか?
それまでは、ママが私の以前通いつめていたバーのマスター(こちらも身体を壊して店を閉めてしまいましたが)の知り合いということもあって、今行きつけのバーと半々とまではいかなくても、よく顔を出していたお店だったんです。

料理上手で飛び抜けた美人とはいいませんし(失礼)ガリガリのやせっぽちで、酒好き話し好きのママでありましたが、難を一つ言うと、ともかく自分を大切にしないというか、人がよいというか、ほぼ毎日休み無しに、朝の4時5時まで客に言われるまま店を開けているような状態で、余計なお世話ですけど何度となく忠告したことがあったんです。

「ママ、うるさいかもしれないけど、こんな営業してたら、いつか身体壊すよ。週に何回か延びちゃったってんならまだしも、毎日でしょうよ。営業時間はある程度守って、週に1回でいいから休みの日を決めて・・・」
「分かってはいるんだけどねぇ・・・・・」

案の定、まずは体調を壊し、長期休店。
「バブちゃん、店再開するから」と連絡が入ったのは、昨年の夏?秋?その頃かな?ともかく、ならばと行ってみればまた閉まっているありさま。
携帯に電話をしても通じず、「こりゃまた入院したな」と思っていたら、先日の電話でしょ。

「まったくもう、どうしちゃったのよ。」
「まだ、生きてた」

内臓近くの大きな血管が破れ吐血、いよいよダメだと思い救急搬送された先で、「よく生きてたねぇ」と医者に言わしめたという
「どっしようもねぇなぁ、生きてたからいいようなもんの」
「ごめんね」
「ごめんねって、俺に謝られても困んけど」

血管に関しては、内視鏡の手術ですでに完治、ただ、以前からひどかった貧血がさらに悪化しているようで、今は週に一回の通院を続けているそうです。
「まさか、すぐにお店を再開するつもりじゃないだろうね」
「うん、まだちょっと無理だと思う。でも、あたしにはお店しかないからさぁ、夏過ぎぐらいには再開したいと思ってんだけど・・・」
「気持ちは分かるけど、無理しなさんなよ。徐々に始めてきゃいいんだから」
「分かってる、また電話すんね」

さても、前振りがとてつもなく長くなってしまいました。
今日の昼時にその話を喫茶店のマスターにすると、
「まだ、店再開するわけじゃないんだろ・・・じゃ何でバブさんのとこに電話してきたんだろうね?」
「えっ?単なる近況報告でしょ」
するとママが
「バカねぇ、バブさんが優しいからよ」(嘘でも嬉しいよママ)
「はぁ??????」
「だから、大きな病気したりすると、気持ちが落ち込むでしょうよ。ママ、淋しいんだと思うよ。そんな時、あの優しいバブさんだったら、話を聞いてくれるかも、みたいに思ったんじゃないの?」
「おぅ!なんだよ、もてる男は辛いねぇ」とはマスター
「まったく、チャチ入れて、そうじゃなくて、お店やってる頃から心配してくれたバブさんの心が嬉しかったんだと思うよ。今度はバブさんの方から電話でもして励ましてあげれば」
「んっ、つまりそれは、『恋人系バブ』じゃなくて『癒し系バブ』をママは欲しているということだな、そりぁ、見舞いがてら遊びに行ってやんなくちゃいけないな」
って、おいおいマスター、それが結論かい!?

はて?みなさんはどう思われるでしょうか?
「そりゃね、あたしゃ『心優しきバブちゃん』でありますから、一肌も二肌も脱ぐことはやぶさかじゃござんせんよぉ」
「なぁ~にが心優しきよ。もしママがそう思ってるとしたら、客商売止めたほうがいいかもね、だって、人を見る目全くないもん」
って、うるせぇ!

さて、今日の一枚は、アンソニー・ウィリアムス????(いやいやトニー・ウィリアムスのことですよ)です。

「バブさんは、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスってとこは、嫌いなんだね」
と、とあるかたに言われまして、
これは、先日の「MILES SMILE」の紹介で、「はなからハンコック、ロン・カーター、トニー・ウイリアムを嫌っているだけなのか?」なんて書いちゃったからでしょうね。

でも、考えてもみてください、V.S.O.P.のコンサートを聴きに行ったこともさることながら、トニー・ウイリアムスに関しては「'OUT TO LANCH」という、私の大好きなアルバムに参加している時点から、心底嫌いになるわけがありますか?
ハンコックだって、ショーターだって、ごく一部が嫌いなだけで、アルバムだって相当数持ってるんだから(プンプン....笑)

話を今日のアルバムに戻しましょう。
ウイリアムスは、17才という若さで、なんとボストンの『コノリー・クラブ』のハウス・ドラマーだったってんですからビックリ。その『神童トニー』を、ニューヨークに連れ出したのはジャッキー・マクリーンで、(マクリーンのところにはほんのチョットしかいませんでしたけどね)翌年1963年にはマイルスに見初められるという「なんじゃそりゃ?」という経歴の持ち主でありますよね。

あのドルフィーとの美しいとまで思える共演は、1964年の2月、それから半年後の8月には初リーダー盤「LIFE TIME」を同じブルーノートに吹き込みます。
そして今日のアルバムが、ブルーノートに残したもう一枚のリーダー盤ということになります。

「'OUT TO LANCH」を含めた3枚のブルーノート盤を聴くと、「'OUT TO LANCH」のイメージがづっと残っているように私には思えます。
つまり、私にとってもじつに興味そそるドラミングだということ、ただし、「LIFE TIME」のときより、今日のアルバムはよりマイルス・バンドの感触が強くなっていることは間違いないんですけどね。
以降トニー・ウィリアムスに関しては、私には「これジャズドラムかぁ?」的な演奏は間々あれど、『神童』と言わしめた才能が輝き続けた事実は否定できません。

SPRING / ANTHONY(TONY) WILLIAMS
1965年8月12日録音
ANTHONY WILLIAMS(ds) WAYNE SHORTER, SAM RIVERS(ts) HERBIE HANCOCK(p) GARY PEACOCK(b)

1.EXTRAS
2.ECHO
3.FROM BEFORE
4.LOVE SONG
5.TEE