地面がしゃりしゃりいう
泥がビチャビチャ跳ねる
道路は灰色
見た事無い景色のような気がする
しかし現に今ここはいつも通る裏路地で
ふと気付けば僕は家の前を通り過ぎていて
自分がどこにいるのかよくわからなくなった
少しの水分がこれだけ景色を変えるのだから
少しの気持ちが様々に景色を変えるかもしれない
そんな事を考えて
僕は元来た道を戻る
裏路地に入ってドアの前に立ち
左手で鍵を取り出して不器用に差し込んだ
くるりとまわして冷たい取っ手をガチャリと
で、ここは僕の家なのか?
違うかもしれないけれど
そうかもしれなかった
そもそも僕には家が必要なのだろうか
いや、人には家が必要なのだろうか
帰る場所がある事はありがたい事だ
暖かい部屋にいられる事はありがたい事だ
だけど家ってなんなんだろう
冷たい現実はしんしんと降り積もっていた
僕にとっての家は現実からの逃げ場所としてしか機能していなかった
年越し蕎麦を作って食べた
蕎麦の温度は、何かを語りそうで語らなかった
泥がビチャビチャ跳ねる
道路は灰色
見た事無い景色のような気がする
しかし現に今ここはいつも通る裏路地で
ふと気付けば僕は家の前を通り過ぎていて
自分がどこにいるのかよくわからなくなった
少しの水分がこれだけ景色を変えるのだから
少しの気持ちが様々に景色を変えるかもしれない
そんな事を考えて
僕は元来た道を戻る
裏路地に入ってドアの前に立ち
左手で鍵を取り出して不器用に差し込んだ
くるりとまわして冷たい取っ手をガチャリと
で、ここは僕の家なのか?
違うかもしれないけれど
そうかもしれなかった
そもそも僕には家が必要なのだろうか
いや、人には家が必要なのだろうか
帰る場所がある事はありがたい事だ
暖かい部屋にいられる事はありがたい事だ
だけど家ってなんなんだろう
冷たい現実はしんしんと降り積もっていた
僕にとっての家は現実からの逃げ場所としてしか機能していなかった
年越し蕎麦を作って食べた
蕎麦の温度は、何かを語りそうで語らなかった