嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

溢れる水も、倒れるドミノもおんなじだ。

2005年12月23日 20時18分30秒 | 駄文(詩とは呼べない)
本当は書きたい事などほとんどないし
言いたいこともたいしてありはしない。

そしてそのようにして
僕は心で何も感じていなくとも
次々と言葉は口をついて出る

それは言葉の性質かもしれないし
僕と僕による嘘吐きの性質的狂乱舞踏かもしれないが
だけど僕は言葉を愛さない
言葉もまた僕を記録しない
だから僕は言葉を語るように話す
そしてまた、話は語られることによって話となる

つまり僕は。

本当はこんなこと、ちっとも書きたくなんか無いのです。
だけど言葉はとめどなく溢れ、
心はそれをせき止めることすら出来ずにただ側をすり抜けるのです
僕はそれがただ悲しい。
いつも心と言葉はちぐはぐなリズムで踊りをおどる。
だから僕はただ悲しいと書く。
その書かれた言葉に、決して悲しいは無く、
また、それを書いた時に、僕は何も悲しんではいないのです
だから僕の文章読んで泣いた人がいたら、
僕はそのたびに嘘吐きである罪を背負うように出来ているのです。
だから笑えよ。
どんなくだらない文章であったとしても。
僕は寂しい顔をして一人で笑っていたいのです

そのように流れ出る言葉の全てが嘘で出来ている物だから
僕は本当にどうしようもない代物だといつも思う。
こうして書き残された言葉達の
いったいどこに僕が棲んでいるというのでしょう。
僕が言葉に拘ることがあっても
きっと言葉が僕に拘ることはないでしょう。
それでも言葉は僕を追いかけようとする。
決しておいつくはずもないのに。

僕はそれを苦しいと思う
時折言葉が流れ続けて僕の呼吸を乱すから
ときどき言葉が濁流のように暴れて僕の心を乱すから
時には言葉が溢れ続けて涙を誘うように水を零すから
だから僕はそのときは、すごく切ないと思うことがあるのです

だって僕の言葉には。
1%も僕の心が含まれていないのに
言葉は全て僕以外のもので構成されているのに
まるで僕を語っているかのようにして全体が僕を包んで封じるのです
言葉はいつも僕の周りをぐるぐる回るけど僕に触れない。
決して僕に触れられない。
だから僕は、時々言葉に触れようと手を伸ばします
けれどその手には、決して掴めない宇宙の光が、
闇の中でキラキラと砂のように零れて光るから
僕が必死で手を伸ばしてもはるか彼方の景色に決して触れられぬように
僕の言葉はいつも本当に僕のそばをゆらゆらと揺れるだけ。

グルムグンシュを少しだけ読みました

なんだか泣きそうになる
すごく優しくて悲しい気持ちをくすぐる。
だけど決して、それは踏み越えられぬ誰かの言葉で。
僕の言葉にすり替わったりはしない。
代わりに言葉は融合していきます。
僕は誰かの言葉をしゃべり続ける。
決して僕自身は僕を語らない
僕は誰かに語られ続ける。

その事を悲しいと思うのは、
僕だけでしょうか?
哀しいのは、僕だけでしょうか?

今、これを読んでるあなたは
いったいどこの空間に言葉を書き込んでいるのですか?
その空間に、僕は触れられますか?
その言葉が書かれた紙に、僕は火を付けられますか?
僕は、この言葉を、あなたに書き込んでいますか?

答えは否。

だから僕は、
こうやって言葉を書き殴る。
決して届きはしないと知りながらも
なおも未練がましく。

それは過去の記憶を逆撫でする激昂の感情とよく似ていて。
憤りを持つ僕の感情の爆発する先が、未来の僕に届くようで全く届かず。
力一杯のなけなしのどうしようもない感情達が暴走する今に似た瞬間でさえも。
僕は全てを忘れ続けてただ過去をなぞる。
僕は決して今を見る事ができない。
今を見たら僕は死ぬように。
僕は過去の灯籠の中に封殺され、
永遠の牢獄を彷徨う。
僕はいつも、本物の今がわからない。
僕はいつも、真実がわからない。

誰か、もしもそこにいるなら。
僕の呼び声を、100%無視して下さい。
僕の音を、全くの静寂の中で
響きだけを、追い続けて下さい。
その残響音には、僕が含まれていません。
だから残り香を吸うように
僕の言葉の後ろを追いかければいい。
決して届きはしないと知りながらも
まるで今であるように読めばいい。

だから僕は君を読者と名付けよう。

君が読めば言葉は流れ出す。
それが永遠に冷たい刻まれた数字であったとしても。