嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

あるふぁべっとを数える事が出来ないようにと。

2006年12月05日 21時47分42秒 | 駄文(詩とは呼べない)
視力と聴力が出会う、不思議な場所がある。
そこはとてもやわらかい場所で、ちょっとでも四角い物音を立てれば簡単に崩れてしまうような、
あやうい丸みを帯びた色しかわからないような場所で、
いわば輪郭の無い世界なのだけど
その泉にある水は、決して汚れない。
あるいは簡単に、とても簡単に汚れてしまう。
だから僕は、その水を、決して耳から出さないように
呑み続けるように護らないといけないのだと思う。

かつて、無我夢中で中空を捕まえようとした手が触れたものに近くて
そして苦みと痛みがとてもよく似ている場所でもある。
そういう領域のことを、決して人は忘れてはいけないのだと思う。

いくつかの、手がかりがある。
僕は視力を失っていないのに、まるで現実が見えていないことや、
眠っている間も手が動き続けていることや、
舌の動きと、指の動きが連動していると感じることがあるような錯覚や、
そうした類の出来事は、
僕にとって、とても大切ななにかで、
そういう何かは、普通名前をつけて呼ぶことはない。

いわばそれは粘土から引きはがした魔力に近くて
忘れてしまったカオスの土でできてて、
そういう土を奪い続けることを人は「知る」と言うけれど、
そんなもので、
たったそれだけの暴力的な行為で、
いったいひとは何をしることができるというのだろう。

だから僕は知らない事をおそれ続ける。
明日を怖がり続ける。
それが例え、自分の決められた通りに動く、
時計の物語のような正確なきざみとりずむを持って啼いたとしても
僕の孤独に触れることもなく、
そして出会うことも無い別世界のアンダーランドなのだから。

だけどまた、僕は運命に刃向かうことで運命を作り出す。
運び続ける命を絶つことで、
その橋を落とすことで、
奈落の底に落ちている絶望を拾う。

それが僕の救済に繋がっているとは自信を持って言えない。
だけどまた、それが必要な行為であると言わざるをえない。

まるで僕は、
閉められた宇宙船の、
閉じられたロケットの、
縮こまった密室の、
そのトーカルエリアを爆破するテロリストに似ていると思うことさえあるというのに。

だけどぼくに
だけどそんなぼくに
いったいなにが、どれほどの、なにができよう。
いったい僕が、この世界で、何を壊すことが出来るというのだろぅ

この世界で刻まれたどんな出来事も、
この世界で確認されたどんな出来事も、
やがてこの世界自身によって、
全ては世界自身から追い出される。
そうすることで、
世界は世界を忘れながら生きている器だと呼べる。
そしてそう呼ぶことが、
変化する自分をたゆたんでゆけるひとつの証明に似ている。

僕は遷ろう魂の溶け出し続けるその箱の中で
シュレディンガーの猫に似たふるえを持つ。
その寒さにゾッとしながら、
血で血を洗う行為にとてもよく似ている。

このわずかばかりの声が、
わずかばかりな小さな叫びが、
決して響かない、
届かない手紙に似ているように。

とてもよく、似ている。

この寒さを僕は、
現実の寒さと、間違えるようなアホさがよくある。
だから僕は
そしてぼくらは、

いつだってなにかに対して、
いつでもだれかに対して、

ずっとずっと寒さにふるえる。
そのことを、白い糸にのせて、
そっと君につたえる。

ちいさな鈴の音が
やがてくる、明日へのおそれと、
喜びを打ち興るわすようにと。

感想文を書くのは苦手だったから。

2006年12月05日 00時46分36秒 | 駄文(詩とは呼べない)
ねぇ、世界がお前の事を裏切り続けても
お前は感性に正直に生きないと駄目だよ。
例えその首が、真っ黒に焼け焦げ、そげ落ち、血だまりの中にあっても
お前はその不幸にも苦痛にも、正直であらねば駄目だよ。

それは神の証明だから
音を聞くよりも
暗闇をぬぐう目よりも
痛みが突き刺さる光よりも
なによりも
感性に正直にあらねばならないよ。

たとえその声が
周りの全てを焼き尽くせと名乗り続ける
魂の業火だとしても
お前は語り続けねばならないよ。

ねぇお前、もっと私に世界をおくれ。
もっと君の、もっと貴方の、もっとすべての、
薄汚れた世界を、ぜんぶぜんぶ私におくれ。

さもなくば。

この世界を
お前一人を残して
幸せにしてしまうよ?

だからおくれ。

すべてを。

世界を投げ出すような、
諦めで満たされたようなすべてを
もっとここに書いておくれ?


そう、僕が祈ったような気がした。