北海道広尾郡忠類村(現・幕別町)にあった忠類村は、根室本線の帯広駅と広尾駅とを結んでいた全線単線非電化のローカル線だった国鉄広尾線(84.0km)の一般駅として、1930(昭和5)年10月10日に開業しました。
しかし、広尾線が1987(昭和62)年2月2日に廃止されたことに伴い、忠類駅も廃駅となりました。
かつては相対式ホーム2面2線を有し列車交換可能で、駅舎横の切欠き部分に貨物ホームと引込み線もありましたが、廃止時点では単式ホーム1面1線でした。
開業時に建てられた木造駅舎は、最後まで残っていました。
忠類駅が属していた国鉄広尾線は、改正鉄道敷設法第133号の規定により建設され、まず1929(昭和4)年11月2日に帯広~中札内間が開通し、それ以降、順次延伸していき、1932(昭和7)年11月15日に全通しました。
全通後は、沿線住民の足となり、またジャガイモなどの農産物の輸送にその役割を果たして南十勝発展の原動力となりましたが、やがてモータリゼーション化と沿線の過疎化によりしだいに旅客・貨物共に輸送量が減少し、1980(昭和55)年12月の国鉄再建法により施行による特定地方交通線選定の際には第2次特定地方交通線に選定され、ついに国鉄分割民営化直前の1987(昭和62)年2月2日に国鉄広尾線は廃止されました。
忠類駅跡は現在、交通公園として整備されており、構内の線路上にワム80000形やトラ70000形などの貨車3両が静態保存されています。 また、旧駅舎は忠類鉄道資料館となっており、当時使用していた鉄道の備品や写真パネルなどが保存・展示されています。
<忠類駅の年表>
・1930(昭和5)年10月10日:国鉄広尾線の一般駅として開業
・1982(昭和57)年9月10日:貨物取扱い廃止
・1984(昭和59)年2月1日:荷物取扱い廃止
・1987(昭和62)年2月2日:広尾線の廃止に伴い、廃駅となる
(かつての駅名標)
(旧駅舎・ホーム側)
(旧駅舎・現在は忠類鉄道資料館)
(旧駅舎内)
(旧駅構内)
撮影年月日:2001(平成13)年6月20日