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内部留保課税、希望が自民の本音代弁?

2017-10-11 17:34:24 | 日記

内部留保課税、希望が自民の本音代弁?

2017/10/11 11:46

情報元自民党も本音では内部留保課税を検討したがっている節がある。
 
首相の経済政策「アベノミクス」は有効求人倍率などマクロの数字では成果は出ているが、国民が経済の好循環を実感できていない点が指摘される。
 
内部留保課税を課すことがきっかけとなり、経済界がさらなる賃上げに乗り出せば、アベノミクスへの国民の評価も上向くと期待できるためだ。

財務省の統計によると、内部留保は2016年度末は406兆円。

第2次安倍政権発足後、毎年20兆円以上積み上がっているが、麻生太郎財務相はそのうち賃上げの原資に回ったのは4年間で4兆円程度にすぎないと指摘する。

自民党内では一部議員が内部留保課税の導入を党幹部らに提言している。

ただ党としては選挙戦では、経済界との関係から内部留保課税を積極的に打ち出しにくい。

自らの党公約で一言も触れられていない代わりに、公明党の公約には「企業の内部留保の透明性を高める方策を検討する」と遠慮がちに盛り込んだ。

首相は8日の日本記者クラブの党首討論会で、希望が掲げた内部留保課税案に自ら触れた。

「安定財源にはならない」。

首相は小池氏を指名し、希望の消費増税を凍結しながら、内部留保課税の導入を公約に掲げている点をこう批判した。

一方で、米国では懲罰的に実施している例があることをわざわざ挙げた。

安定財源としての内部留保課税はなくとも「アベノミクス加速のために企業に内部留保の活用を促すための課税」という手法への余地は残したともみえる。

実際に課税に乗り出すかは別として、永田町で課税を是とする議論が高まれば、それだけで課税を恐れる経済界が自主的に賃上げに着手する可能性がある。

首相が今後、アベノミクスで成果を打ち出すために内部留保課税の検討を始めても、公約に掲げた希望は反対できない。経済閣僚が「ありがたい」とほくそ笑むのもそのためだ。

もっとも、すべては衆院選の結果次第だ。

自公で過半数の議席を得られなければ政権は維持できない。

たとえ過半数を上回っても、自民党が公示前の290議席から大きく減らせば、首相の政権基盤は揺らぐ。ほくそ笑むのはまだ早い。

(島田学)

日本経済新聞 電子版

10日公示された衆院選では、安倍晋三首相が率いる自民党と小池百合子東京都知事の新党「希望の党」との戦いに注目が集まっている。

自民党にとって希望は与党の議席を脅かす存在だが、政策面では悪いばかりの存在ではなさそうだ。

なかでも希望が公約に掲げた企業への内部留保課税は、自民党の本音を希望が代弁しているとの見方もできる。

「内部留保課税は、ためにためられたお金が流動的に動くきっかけになると考えている」。

小池氏は6日の公約発表の場で、内部留保課税を実施すれば、企業が内部留保を企業内保育園の整備や設備投資、株の配当金などに回すきっかけになると主張した。

政府は内部留保課税は「二重課税に当たる」との見解だが、ある経済閣僚は「ああいう問題提起はありがたい」と本音を漏らす。

 


日韓関係、米韓関係、中韓関係の行き詰まり

2017-10-11 17:12:09 | 日記

日韓関係、米韓関係、中韓関係の行き詰まり

新宿会計士記事から

朴槿恵政権の徹底した反日ぶり

李明博が2013年2月に退任し、そのあとに韓国大統領に就任したのは、朴正煕(ぼく・せいき)の長女でもある朴槿恵(ぼく・きんけい)でした。

そして、朴槿恵政権下の韓国は、「親中」に大きく舵を切ります。

大統領就任後の2013年5月、最初の外遊先に選んだのは米国であり、これは歴代の韓国政権の伝統に従ったものでした。

しかし、翌6月、朴氏は韓国の外交慣例を破り、日本ではなく中国を「大統領就任後2番目の外遊先」に選びました。

このように、朴槿恵政権は、就任直後から「親中・反日」を全面に打ち出し、そのうえで「米中二股外交」を繰り広げたのです。

朴政権の反日ぶりは徹底していました。

たとえば2013年5月の訪米時、朴氏は米国議会で上下両院合同演説を行い、日本を念頭に「歴史を忘れた民族に未来はない」と言い放ちましたし、

6月の訪中時、北京で習近平(しゅう・きんぺい)国家主席と会談した際も「歴史共闘」で合意しました。

韓国メディアはこうした朴政権の外交姿勢を「米中両国を味方につけ、歴史問題で反省も謝罪もしない日本を厳しく叱りつけている

と絶賛しました。

ただ、米国のバラク・オバマ大統領(当時)は、最初でこそ安倍晋三総理大臣を「極右のナショナリストだ」と警戒していましたが、朴槿恵氏の米中二股外交を目の当たりにし、温厚なオバマ氏が次第に韓国に対して怒りを示すことが増えてきたのも事実です。

たとえば、2014年3月には、オバマ大統領の仲介で、オランダ・ハーグで日米韓3ヵ国首脳会談が行われましたが、朴槿恵氏に対し韓国語で語りかけた安倍晋三氏を、朴槿恵氏はうつむいたままで返礼をしないという無礼で返したほどです。

また、2015年11月に行われた日中韓3ヵ国首脳会談で訪韓した安倍晋三総理大臣に対し、朴槿恵氏は昼食会を実施せず、しかたなしに安倍総理は、日本大使館員とともにソウル市内の焼肉屋で昼食を取ったという椿事まで発生しました。

天安門軍事パレード事件とAIIB事件

朴槿恵政権は日本を徹底して冷遇する一方、中国には徹底しておもねる政策を取りました。

中韓両国の首脳が頻繁に相互往来するだけでなく、中国が立ち上げた「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)構想にも、韓国は真っ先に参加意思を表明。

また、中国共産党が2015年9月3日に主催した「抗日戦勝利70周年軍事パレード」にも、西側諸国の首脳として唯一参加するなど、韓国の「中国擦り寄り」が明らかになりました。

じつは、あの温厚なバラク・オバマ米大統領が激怒したのは、この2つの事件だったのです。

とくに、「天安門軍事パレード」の方は、ロシアのウラジミル・プーチン大統領のほか、中央アジアの「独裁国家」であるカザフスタンからナザルバエフ、ウズベキスタンからカリモフの両大統領が参加。

さらには、国際刑事機構(ICC)から刑事訴追されて指名手配中の、スーダンのバシル大統領らと席を並べるなど、その非常識さに、西側諸国から韓国は冷笑を浴びました。

余談ですが、潘基文(はん・きぶん)国連事務総長(韓国人)が、スーダンのバシル大統領と席を並べたことは、日本で言えば指名手配中の殺人犯と首相が同席するようなものです。

いずれにせよ、米国の激怒は半端ないものだったらしく、2015年10月に朴槿恵氏が訪米した際、米国・ホワイトハウスは朴氏を徹底的に冷遇。

オバマ氏が朴槿恵氏と面会した時間はわずか35分で、その後の昼食会もオバマ氏ではなくバイデン副大統領が接遇するなど、米国側の怒りがひしひしと示された格好となっています。

慰安婦合意、THAAD、GSOMIAの3点セット

米国を激怒させた韓国は、その後、米国の怒りを解くために、「日韓慰安婦合意」、「高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配備」、「日韓GSOMIA署名」を余儀なくされます。

このうち、「日韓慰安婦合意」では韓国国内の猛反発を食らい、「THAAD」、「GSOMIA」では、せっかく擦り寄った中国から激怒されてしまいます。

つまり、朴槿恵「対中接近」外交は、この3点セットによって完全に破綻を来してしまったのです。

ちなみに「日韓慰安婦合意」では、日本は慰安婦合意に基づき、10億円の資金を拠出し、合意内容を完全に履行済みですが、

韓国側は日本大使館前に設置された、国際法に違反する慰安婦像を撤去すらしておらず、合意を守る気はありません。

それだけでなく、2016年12月末に、韓国の市民団体は釜山の日本総領事館前の公道上にも、日本を侮辱するための慰安婦像を新たに設置。

これにより日本政府側は、日韓スワップ協定の再開交渉を事実上破棄するなどしています。

つまり、「天安門軍事パレード」、「AIIB事件」、「日韓慰安婦合意」、「THAAD」、「GSOMIA」の5つの出来事は、いずれも、結果論として韓国が、米国、中国、日本との関係を決定的に損ねるきっかけになったのです。

ここまで「最悪のタイミングで最悪の手を打つ」民族というものを、私は存じ上げません。

韓国を待つ未来は「破滅」である

再び親北に戻るのか?

朴槿恵氏が今年3月10日に大統領職を罷免され、その代わりに5月9日の大統領選を制したのは、極端な親北派として知られる文在寅(ぶん・ざいいん)氏でした。

文在寅政権では、前任の朴槿恵政権による極端な親中路線の修正を図っていますが、ただ、それと同時に、歴代政権の失策のツケを払わされている立場でもあります。

昨日は中韓スワップ協定の話題でもちきりでしたが、中国による「韓国イジメ」は、むしろこれから本格化することでしょう。

具体的には、中国国民の韓国旅行制限令がこれから本格化し、また、中国に進出している韓国企業に対するさまざまな嫌がらせ、通商制限などが発動されると見られます。

中国からすれば、現在は、米韓同盟を破棄させるチャンスに見えます。

そのためには、全力で韓国を揺さぶるでしょうし、逆に、韓国が米国から離れるまで、中国による韓国に対する「DV」は続くことでしょう。

一方、米国からすれば、米韓同盟を締結していながら、文在寅政権が北朝鮮に人道支援や赤十字対話を呼びかけていること自体、韓国という国を「信じられない」と思ったとしても不思議ではありません。

とくに、北朝鮮による核開発が進行している中で、国際社会が全力で北朝鮮を封じ込めようとしているのに、韓国の動きは「日米韓3ヵ国連携」の足並みを乱すものでしかないからです。

さらに、日本からすれば、醜悪な慰安婦像を世界中に乱立させて日本人の名誉を汚しておきながら、危機になったら日本に擦り寄ってくるという態度に対し、嫌悪感を抱くことはあっても、好意を持つことは決してないでしょう。

このように、現在の韓国は、日米中3ヵ国を同時に敵に回している状態にあります。

そして、韓国に残されているのは、「親北路線」しかないのかもしれません。

そうなれば、現在の文在寅政権の姿勢を見る限り、北朝鮮に擦り寄るという最悪の選択肢すら、現実のものとなってくるのです。

教訓:芯のない国家は滅びる

ここに私は貴重な教訓を見る思いがします。その教訓とは、「芯のない国家は滅びる

というものです。

韓国からすれば、最貧国レベルだった朝鮮半島を合邦し、朝鮮半島の文明水準を古代から近代に引き上げてくれた恩義がある国は、日本です。

それだけではありません。日本は1965年の日韓国交正常化以来、有償・無償の莫大な支援を韓国に与え、韓国の経済発展を助けてくれた国です。

また、1950年代の朝鮮戦争で、北朝鮮に統一されそうになり、軍事介入で助けてくれた国は米国です。

米国はその後、一貫して韓国を武力で守り続けてくれています。

そんな日米両国を裏切り、中国に擦り寄ったり、北朝鮮に擦り寄ったりしている韓国は、日米両国から見れば「恩知らず」以外の何物でもありません。

さらに、愚かなことに、韓国はいったん中国に擦り寄っておきながら、中国を激怒させるようなことをしました。

日米中3ヵ国を同時に敵に回すという芸当は、なかなかマネができることではありません。

その意味で、よくぞここまで自分で危機を招くものだと呆れますが、これが韓国という国の実態なのです。

いずれにせよ、私たち日本としては、

これから短期的には北朝鮮危機に、長期的には中国の対外拡張主義に立ち向かっていかねばなりませんが、

足元で愚かな国・韓国と事実上の「同盟関係」にあるという状況は、ここらで片づけておいた方が良いに違いありません。

私の予想では、今回の総選挙で自民党は改選前と比べ、やや議席を落とすものの、引き続き絶対多数を維持すると考えています。

私の予想通りだと、安倍政権には引き続きこの国難で舵取りをお願いすることになりますが、「芯のない韓国」をどのように切っていくかという点こそが、次の数年間の「隠れた課題」となることは間違いないと考えているのです。

掲載者意見 筆者の見解賛同

 


韓国、「中国交渉術」まんまと乗せられ「骨までしゃぶられた」

2017-10-11 16:02:47 | 日記

勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。

2017-10-11 05:00:00

一部省略

韓国、「中国交渉術」まんまと乗せられ「骨までしゃぶられた」

他国を狙う狡猾な民族

平然と嘘を重ねる度胸

 韓国は、THAAD(超高高度ミサイル網)設置への中国の報復によって、企業は手痛い打撃を受けている。

経済界はすっかり「中国熱」が醒めて「脱中国」へと転換中だ。

一方、韓国大統領府は、「86世代」の特色である「反米・親中朝」基調から逃れられず、中国のイジメにあってもなお「追随」する無様な姿を見せている。

経済界は実利の世界だから損失には敏感に反応する。

大統領府は「86世代」ゆえに、学生時代からの「青臭い」理念追及という浮き世離れした道しかないのだろう。

 韓国が、これまで「反日・親中」を鮮明にしてきた理由は、輸出の25%が中国向けで最大輸出先であったほかに、儒教文化圏で中国への親近感であろう。

だが、中国は儒教文化圏などという情緒的なものに酔うような国でなかった。

ドライに計算して、「国益第一」を露骨に追及している国である。

韓国経済界は今や、遅まきながらこの厳しい現実を知るところとなった。

 韓国はTHAAD設置が、中国を意図したものでないことを繰り返し説明している。

あくまでも、北朝鮮からのミサイル防御が目的であると説明するが、中国は「聞く耳持たず」である。

この硬直化した中国の姿勢から、韓国側には新たな疑念を呼んでいる。

こういう解釈が、韓国側に起こってきた。これが、ますます中国への疑念を膨らませている。

 他国を狙う狡猾な民族

『朝鮮日報』(10月7日付)は、「骨までしゃぶって追い出す中国の外国企業政策」と題して報じた。

 この記事では、中国の露骨な外資系企業利用と、その後の国内企業保護の実態が指摘されている。

「肉(市場)を差し出し、骨(技術)をしゃぶる」という表現の中に、中国の伝統的な対外政策の原型が見られる。

中国4000年の歴史で、異民族(漢民族以外)に支配された時代は二回ある。

一つは、元(1271~1368年)のモンゴル族支配。もう一つは清(1616~1912年)の満州族支配である。

これら異民族支配に対して漢族は、まさに「肉を差し出し、骨をしゃぶる」戦術によって、異民族王朝を倒してきた。

この歴史的な故事にならって、現在も同じことをしているにすぎない。

だから、中国人は腹の中で笑っているのだ。

「いずれ、お前らの技術を窃取して、お前らの首根っこを押さえてやる」という確信に燃えているはずである。

 日中復交後、日本企業は大挙して中国へ進出した。

その際、中国側の交渉条件は到底、日本側の飲めるものでなかったという。

当時、日本側の交渉担当者から聞いた話では、「厳しい条件を出してくるので、渋っていると必ず言う言葉がある。

『日本の戦争責任はどうなんだ』。これを聞かされると、有無なく従わざるを得なかった」。

日本の個別企業に戦争責任はない。

それは、日本という国家レベルの話であり、日中平和条約で解決済みである。

また、ODA(政府開発援助)での金銭支援がされている。

それにも関わらず、「戦争責任」という殺し文句で迫り、技術を窃取されたのだ。

要するに、中国は「ただ者でない」ことを、世界は知るべきだ。この上ない狡猾(こうかつ)な民族である。

 (1)「韓国企業の脱中国の動きに対し、中国の専門家は『外国企業を徹底して中国企業の成長に利用するという中国政府の考え方がつくり出した結果だ』と指摘した。

中国経済金融研究所の全炳瑞(チョン・ビョンソ)所長は『改革開放の当時から、中国政府の政策は一貫して、肉(市場)を差し出し、骨(技術)をしゃぶるというものだった』と指摘する。

市場を開放する代わりに、外国企業に中国に合弁会社を設立させ、中国企業は合弁を通じて技術とノウハウを学ぶ狙いだ。

それが済めば、外国企業を追い出し、自国企業が市場を掌握するもくろみだ」

 中国は、先のコメントでも指摘したように、「狡猾」な民族である。

徹底的に「他人の褌で相撲を取る」国家である。

民主主義国家には見られない、ずる賢こさが充満している。

他国に対する思いやり精神はゼロであり、相手国を利用し尽くすという獰猛さが特色である。

 韓国も、日本に対しては中国同様のずる賢さがあり、骨の髄までしゃぶるという悪弊が見られる。

その韓国が、一杯食わされるほど中国のずる賢さは強烈だ。

中国海軍の南シナ海進出は、米海軍のフィリピン撤退という空白期を狙い即刻、動き出した。

この現実が、中国のずる賢さを証明している。

「鬼の居ぬ間の洗濯」だ。中国は絶対に油断してならぬ。その実例が、南シナ海問題である。これが、私の乏しい中国リサーチの結論である。

 (2)「対外経済政策研究院のヤン・ピョンソプ北京事務所長は、

『中国政府はIT、電気自動車など一部の重要産業分野で、自国企業を育成するため、数年前から外資系企業の活動を規制し始めた』とした上で、

『そこに終末高高度防衛ミサイル(THAAD)絡みの報復まで重なり、韓国企業の相当数が持ちこたえられなくなった』と指摘した。

 韓国企業の悲劇は、重厚長大産業に特化していることだ。

中国に技術を窃取されれば、もはや生き延びる術がない。

韓国が「反日」をやり過ぎて、日本企業との交流さえ閉ざす「暴挙」に出ていた。

それが今や、致命傷になっている。

世界の新技術動向も知らずに過ごした「反日」の数年間が、「第4次産業革命」の足音を聞き逃した。

この貴重な数年間の空白が、韓国企業の成長の芽を摘んでいる。

 新技術を持たない韓国企業は、重厚長大産業技術で中国に追いかけられている。

中国に追いつかれて、韓国企業の生きる道が塞がれる重大な局面にある。

韓国の文政権には、こういう現実認識がない点が、さらに韓国経済を追い込んでいる。

他国のことながら、韓国経済の未来に深い「同情」を禁じ得ない。

 今その荒技が、世界を前にして展開されている。手の内を調べる良い機会だ。

平然と嘘を重ねてゆく度胸

『朝鮮日報』(10月7日付)は、コラム「中国の交渉術」を掲載した。筆者は、同紙編集局政治部記者の金真明(キム・ジンミョン)氏である。

 この記事の前提には、次のような中韓外相会談後、中国の発表と韓国のそれとの間に、大きな食い違いがあったことだ。具体的には、次のような内容だ。

 中国外務省が9月21日公表した韓中外相会談の発表文の最終部分に、事実と異なる点があったという。

発表文は、ニューヨークで20日に行われた中国の王毅外相との会談で、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が、『韓国は韓半島(朝鮮半島)に再び戦術核兵器を配備しないという約束を忠実に守る』と表明したとなっていた。

『戦術核の話はしなかった』という韓国政府の説明を信じるならば、中国は何らかの意図で会談内容をでっち上げたことになる。

中国は、こういう勝手に内容を付け加えて、「事実化」させることが得意な国家である。

 (1)「台湾の学者、林文程氏の著書『中国を扱う:対中交渉と戦略』を思い浮かべた。

台湾の国家安全会議諮問委員を務めた林氏は、中国式交渉論を分析し、『中国が日常的に用いる策略』をいくつか紹介している」

 今回の、「でっち上げ話」の例は、過去にも多く見られる。

日中の尖閣諸島の帰属問題についての外交文書も、日中では異なっている。

中国は、その「原文」なるものを公開せず秘密扱いである。

田中角栄(首相・当時)が、中国との会談で「日本帰属」を明確にする意図で話したことが、中国へ「帰属を相談」した形にすり替えられている。油断ならない国である。

 (2)「その一つは『事実歪曲(わいきょく)だ』。

林氏は、『中・米間の大使クラスの会談で、中国は常に対外的に長文の声明とニュース原稿を発表してきた。

原稿内容は両国の交渉内容とは大きな差があった。国際社会または米国内に異なるイメージをつくり上げ、優位に立つのが目的だった』と指摘する。

林氏によると、中国は相手の言葉で相手を攻撃することにも長けている。

『相手が過去に発した言葉、過去の約束などを細かく記録しておき、相手に反論したり、圧力を加えたりする手段に使う』のだという。

中国がなぜ『(韓国の)戦術核再配備はしないという約束』をつくり出して、記録に残そうとしているのか狙いをうかがえる」

 事実を歪曲することは、中国政府の「十八番」である。

韓国の「戦術核」問題もその類いである。

嘘も100回言えば真実になるという。

デタラメな話を作り上げる点で、中国は出色である。本来ならば、こういう国家とは付き合わないことがベストだが、グローバル社会ではそうは行かないのだ。

 尖閣諸島問題は、国際法においても明らかに日本領である。

中国もそれを認めていたが、付近に原油資源の存在が分かって、にわかに「中国領」と言い出した。

その手口は、南シナ海の中国領海説と全く同じだ。

でっち上げて事実化させる手法は、詐欺師的な巧妙さだが、南シナ海問題では、常設仲裁裁判所によって、完膚なきまでに否定されている。国際詐欺師の中国が敗退したのだ。

 (3)「林氏の本を見ると、我々が典型的な中国式交渉術にどれだけうまく丸め込まれていたのかが分かる。

林氏は『離間』を図ることも交渉術の一つだと指摘する。

『中国は常に相手の内部対立を利用し、政客、政党、オピニオンリーダー、組織の異論を際立たせ、相手の交渉力をそぎ、相手の交渉における最終防衛ラインを把握し、守勢に追い込む』との分析だ。

林氏は、『万一(中国の)要求が達成されなければ、いずれある種の悪い結果が現れる』といった脅しも交渉術に含まれると語った。

振り返れば、全てが終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備過程で韓国が経験したことだ」

中国が、交渉相手国の内部を「離間」させることは、秦の始皇帝以来の得意技である。

始皇帝が中国統一できた背景は、ライバル国の「合従」(同盟)国の間を疑心暗鬼にさせる戦術でバラバラにさせ力を弱めたこと。

それから秦との一対一の関係の「連衡」に持ち込み、秦が征服して、中国の大統一を実現させた。「合従連衡」とはこれを指すのだ。

 この過程を見れば、中国外交は伝統的に相手陣営の「離間」を策す。

これによって団結を弱めるのだ。日本でもこの手が使われている。

日本国内の「親中派」を増やすために、日本のメディアを利用している。

中国に都合の良い記事を書くメディアを優遇するのだ。例えば、つい数年前までの朝日新聞で中国に都合に良い記事を書いた記者は退職後、北京で盛大な「慰労会」の類いが開かれてきた。

さすが、最近はそういう報道も絶えているが、中国はメディア選別をはっきりさせている。 (4)「本の最後で林氏は、『小国が大国に勝つには、小国の内部は必ず一致団結し、一つの声を上げなければならない。

内部に共通認識を形成し、中国の圧力に対抗すべきだ』とアドバイスした。

戦術核の再配備に賛成だろうが反対だろうが、韓国は一致して発言すべきことがある。

大韓民国がどんな安全保障手段を使おうが、中国が関与すべきことではないと」

韓国は、歴史的に内部闘争の激しい国である。

派閥闘争の裏では、外国勢力と手を結んでいる例が多い。

現在の大統領府は、「86世代」の学生運動家上がりが、秘書の3割を占める一大勢力である。

「反米・親中朝」という基本戦略の集団である。

北朝鮮宥和論は、「86世代」がリードしているはずだ。

その北朝鮮宥和論が、北朝鮮の核開発を抑制するどころか、逆の効果を与える。援助する資金が、核開発に利用されるからだ。

国は、THAAD(超高高度ミサイル網)設置への中国の報復によって、企業は手痛い打撃を受けている。

経済界はすっかり「中国熱」が醒めて「脱中国」へと転換中だ。

一方、韓国大統領府は、「86世代」の特色である「反米・親中朝」基調から逃れられず、中国のイジメにあってもなお「追随」する無様な姿を見せている。

経済界は実利の世界だから損失には敏感に反応する。

大統領府は「86世代」ゆえに、学生時代からの「青臭い」理念追及という浮き世離れした道しかないのだろう。

 韓国が、これまで「反日・親中」を鮮明にしてきた理由は、輸出の25%が中国向けで最大輸出先であったほかに、儒教文化圏で中国への親近感であろう。

だが、中国は儒教文化圏などという情緒的なものに酔うような国でなかった。

ドライに計算して、「国益第一」を露骨に追及している国である。韓国経済界は今や、遅まきながらこの厳しい現実を知るところとなった。

韓国はTHAAD設置が、中国を意図したものでないことを繰り返し説明している。

在韓米軍まで、THAAD設置の趣旨とレーダー探索能力の限界(最大1000キロ)を発表して、中国の疑念解消に努めているほど。

あくまでも、北朝鮮からのミサイル防御が目的であると説明するが、中国は「聞く耳持たず」である。

 この硬直化した中国の姿勢から、韓国側には新たな疑念を呼んでいる。

それは、中国東北部・通化に存在する中国のロケット部隊が、「第二次朝鮮戦争」の起こった際、北朝鮮を支援すべく韓国へミサイル攻撃する基地にする、というもの。

通化基地が、THAADで捕捉されるリスクを恐れている。こういう解釈が、韓国側に起こってきた。これが、ますます中国への疑念を膨らませている。

 他国を狙う狡猾な民族

『朝鮮日報』(10月7日付)は、「骨までしゃぶって追い出す中国の外国企業政策」と題して報じた。

 この記事では、中国の露骨な外資系企業利用と、その後の国内企業保護の実態が指摘されている。

「肉(市場)を差し出し、骨(技術)をしゃぶる」という表現の中に、中国の伝統的な対外政策の原型が見られる。

中国4000年の歴史で、異民族(漢民族以外)に支配された時代は二回ある。

一つは、元(1271~1368年)のモンゴル族支配。もう一つは清(1616~1912年)の満州族支配である。

 これら異民族支配に対して漢族は、まさに「肉を差し出し、骨をしゃぶる」戦術によって、異民族王朝を倒してきた。

この歴史的な故事にならって、現在も同じことをしているにすぎない。

だから、中国人は腹の中で笑っているのだ。

「いずれ、お前らの技術を窃取して、お前らの首根っこを押さえてやる」という確信に燃えているはずである。

 日中復交後、日本企業は大挙して中国へ進出した。その際、中国側の交渉条件は到底、日本側の飲めるものでなかったという。

当時、日本側の交渉担当者から聞いた話では、「厳しい条件を出してくるので、渋っていると必ず言う言葉がある。

『日本の戦争責任はどうなんだ』。これを聞かされると、有無なく従わざるを得なかった」。

 日本の個別企業に戦争責任はない。それは、日本という国家レベルの話であり、日中平和条約で解決済みである。

また、ODA(政府開発援助)での金銭支援がされている。

それにも関わらず、「戦争責任」という殺し文句で迫り、技術を窃取されたのだ。

要するに、中国は「ただ者でない」ことを、世界は知るべきだ。この上ない狡猾(こうかつ)な民族である。

 (1)「韓国企業の脱中国の動きに対し、中国の専門家は『外国企業を徹底して中国企業の成長に利用するという中国政府の考え方がつくり出した結果だ』と指摘した。

中国経済金融研究所の全炳瑞(チョン・ビョンソ)所長は『改革開放の当時から、中国政府の政策は一貫して、肉(市場)を差し出し、骨(技術)をしゃぶるというものだった』と指摘する。

市場を開放する代わりに、外国企業に中国に合弁会社を設立させ、中国企業は合弁を通じて技術とノウハウを学ぶ狙いだ。それが済めば、外国企業を追い出し、自国企業が市場を掌握するもくろみだ」

 中国は、先のコメントでも指摘したように、「狡猾」な民族である。

徹底的に「他人の褌で相撲を取る」国家である。

民主主義国家には見られない、ずる賢こさが充満している。

他国に対する思いやり精神はゼロであり、相手国を利用し尽くすという獰猛さが特色である。

 韓国も、日本に対しては中国同様のずる賢さがあり、骨の髄までしゃぶるという悪弊が見られる。

その韓国が、一杯食わされるほど中国のずる賢さは強烈だ。

中国海軍の南シナ海進出は、米海軍のフィリピン撤退という空白期を狙い即刻、動き出した。

この現実が、中国のずる賢さを証明している。

「鬼の居ぬ間の洗濯」だ。中国は絶対に油断してならぬ。その実例が、南シナ海問題である。これが、私の乏しい中国リサーチの結論である。

 (2)「対外経済政策研究院のヤン・ピョンソプ北京事務所長は、『中国政府はIT、電気自動車など一部の重要産業分野で、自国企業を育成するため、数年前から外資系企業の活動を規制し始めた』とした上で、

『そこに終末高高度防衛ミサイル(THAAD)絡みの報復まで重なり、韓国企業の相当数が持ちこたえられなくなった』と指摘した。

韓国経済研究院のソン・ウォングン副院長は、『中国政府は中国市場に進出しようとする企業が増えると、1カ国や2カ国の企業が中国から消えても構わないという態度に変わった』と話した」

 韓国企業の悲劇は、重厚長大産業に特化していることだ。

中国に技術を窃取されれば、もはや生き延びる術がない。

韓国が「反日」をやり過ぎて、日本企業との交流さえ閉ざす「暴挙」に出ていた。

それが今や、致命傷になっている。

世界の新技術動向も知らずに過ごした「反日」の数年間が、「第4次産業革命」の足音を聞き逃した。

この貴重な数年間の空白が、韓国企業の成長の芽を摘んでいる。

 新技術を持たない韓国企業は、重厚長大産業技術で中国に追いかけられている。

中国に追いつかれて、韓国企業の生きる道が塞がれる重大な局面にある。

韓国の文政権には、こういう現実認識がない点が、さらに韓国経済を追い込んでいる。他国のことながら、韓国経済の未来に深い「同情」を禁じ得ない。

 韓国は、中国の交渉術にまんまとはまりこんだ。

THAADに見せる中国の凄みは、韓国をどこまでも追い込んでゆく「中華帝国」の手口である。

今その荒技が、世界を前にして展開されている。手の内を調べる良い機会だ。

 平然と嘘を重ねてゆく度胸

『朝鮮日報』(10月7日付)は、コラム「中国の交渉術」を掲載した。筆者は、同紙編集局政治部記者の金真明(キム・ジンミョン)氏である。

 この記事の前提には、次のような中韓外相会談後、中国の発表と韓国のそれとの間に、大きな食い違いがあったことだ。具体的には、次のような内容だ。

 中国外務省が9月21日公表した韓中外相会談の発表文の最終部分に、事実と異なる点があったという。

発表文は、ニューヨークで20日に行われた中国の王毅外相との会談で、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が、『韓国は韓半島(朝鮮半島)に再び戦術核兵器を配備しないという約束を忠実に守る』と表明したとなっていた。

『戦術核の話はしなかった』という韓国政府の説明を信じるならば、中国は何らかの意図で会談内容をでっち上げたことになる。

中国は、こういう勝手に内容を付け加えて、「事実化」させることが得意な国家である。

 (1)「台湾の学者、林文程氏の著書『中国を扱う:対中交渉と戦略』を思い浮かべた。台湾の国家安全会議諮問委員を務めた林氏は、中国式交渉論を分析し、『中国が日常的に用いる策略』をいくつか紹介している」

 今回の、「でっち上げ話」の例は、過去にも多く見られる。日中の尖閣諸島の帰属問題についての外交文書も、日中では異なっている。

中国は、その「原文」なるものを公開せず秘密扱いである。

田中角栄(首相・当時)が、中国との会談で「日本帰属」を明確にする意図で話したことが、中国へ「帰属を相談」した形にすり替えられている。油断ならない国である。

 (2)「その一つは『事実歪曲(わいきょく)だ』。

林氏は、『中・米間の大使クラスの会談で、中国は常に対外的に長文の声明とニュース原稿を発表してきた。

原稿内容は両国の交渉内容とは大きな差があった。

国際社会または米国内に異なるイメージをつくり上げ、優位に立つのが目的だった』と指摘する。

林氏によると、中国は相手の言葉で相手を攻撃することにも長けている。

『相手が過去に発した言葉、過去の約束などを細かく記録しておき、相手に反論したり、圧力を加えたりする手段に使う』のだという。中国がなぜ『(韓国の)戦術核再配備はしないという約束』をつくり出して、記録に残そうとしているのか狙いをうかがえる」

 事実を歪曲することは、中国政府の「十八番」である。

韓国の「戦術核」問題もその類いである。

嘘も100回言えば真実になるという。

デタラメな話を作り上げる点で、中国は出色である。本来ならば、こういう国家とは付き合わないことがベストだが、グローバル社会ではそうは行かないのだ。

 尖閣諸島問題は、国際法においても明らかに日本領である。

中国もそれを認めていたが、付近に原油資源の存在が分かって、にわかに「中国領」と言い出した。

その手口は、南シナ海の中国領海説と全く同じだ。

でっち上げて事実化させる手法は、詐欺師的な巧妙さだが、南シナ海問題では、常設仲裁裁判所によって、完膚なきまでに否定されている。国際詐欺師の中国が敗退したのだ。

 (3)「林氏の本を見ると、我々が典型的な中国式交渉術にどれだけうまく丸め込まれていたのかが分かる。

 中国が、交渉相手国の内部を「離間」させることは、秦の始皇帝以来の得意技である。

始皇帝が中国統一できた背景は、ライバル国の「合従」(同盟)国の間を疑心暗鬼にさせる戦術でバラバラにさせ力を弱めたこと。

それから秦との一対一の関係の「連衡」に持ち込み、秦が征服して、中国の大統一を実現させた。「合従連衡」とはこれを指すのだ。

 この過程を見れば、中国外交は伝統的に相手陣営の「離間」を策す。

これによって団結を弱めるのだ。日本でもこの手が使われている。

日本国内の「親中派」を増やすために、日本のメディアを利用している。中国に都合の良い記事を書くメディアを優遇するのだ。

例えば、つい数年前までの朝日新聞で中国に都合に良い記事を書いた記者は退職後、北京で盛大な「慰労会」の類いが開かれてきた。

さすが、最近はそういう報道も絶えているが、中国はメディア選別をはっきりさせている。

中国から歓迎される記者は、報道の中立性を犯している。ジャーナリスト失格のはずだ。

 (4)「本の最後で林氏は、『小国が大国に勝つには、小国の内部は必ず一致団結し、一つの声を上げなければならない。内部に共通認識を形成し、中国の圧力に対抗すべきだ』とアドバイスした。

戦術核の再配備に賛成だろうが反対だろうが、韓国は一致して発言すべきことがある。大韓民国がどんな安全保障手段を使おうが、中国が関与すべきことではないと」

 韓国は、歴史的に内部闘争の激しい国である。

派閥闘争の裏では、外国勢力と手を結んでいる例が多い。

現在の大統領府は、「86世代」の学生運動家上がりが、秘書の3割を占める一大勢力である。

「反米・親中朝」という基本戦略の集団である。北朝鮮宥和論は、「86世代」がリードしているはずだ。その北朝鮮宥和論が、北朝鮮の核開発を抑制するどころか、逆の効果を与える。援助する資金が、核開発に利用されるからだ。

 


希望の党、東京で支持率急落 小池百合子氏も不支持が上回る 

2017-10-11 15:31:30 | 日記

2017.10.10 11:22

産経

希望の党、東京で支持率急落 小池百合子氏も不支持が上回る 

JX通信調査

 

 報道ベンチャー・JX通信は7、8両日に東京都内の衆院選情勢調査を実施した。比例東京ブロックの投票先を聞いたところ、希望の党と答えた人は前回調査(9月30日、10月1日)の29%から18%に急落した。

代表を務める小池百合子東京都知事に関しても、支持率と不支持率が逆転した。

比例東京の投票先として自民党を挙げたのは前回比1ポイント増の29%。

今回調査で初めて選択肢となった立憲民主党は18%で希望の党に並んだ。

これに共産党7%(前回比3ポイント減)、公明党6%(同1ポイント増)が続いた。

未定・不明は19%(同4ポイント減)だった。

一方、小池氏の支持率は37%で、不支持率は54%に上った。

前回調査では支持48%、不支持43%だったが、1週間で支持・不支持が逆転した。

9月23、24両日に実施した調査では支持率が58%に達しており、小池氏の支持率が急落傾向にある状況を示している。

調査は電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、1003人が回答した。

 


韓国という「国のかたち」――朴槿恵大統領の弾劾というケース / 浅羽祐樹

2017-10-11 14:54:46 | 日記

韓国という「国のかたち」――朴槿恵大統領の弾劾というケース / 浅羽祐樹

なぜ朴大統領は弾劾訴追されたのか

朴槿恵大統領の弾劾には、韓国という「国のかたち」、憲政秩序のありようが凝縮して表れている。

朴槿恵や崔順実といった個人にだけ焦点を当てると、事の本質を捉え損ねてしまう。

一般に、「そもそもどういう問題なのか」を正しく理解することが最も難しい。

2016年12月9日、韓国国会は野党3党が提出した朴大統領に対する弾劾訴追案を234対56という票差で可決した。

与党セヌリ党からも62票以上の「造反」があったということで、弾劾訴追はそもそも党派対立の結果ではないことを意味している。

韓国憲法(「韓国WEB六法」では憲法、憲法裁判所法、公職選挙法などを日本語で読むことができる)は

「大統領(など高位の公務員)がその職務執行において憲法や法律を違背したときには、

国会は弾劾の訴追を議決することができる」(第65条第1項、括弧内は著者)と定めているが、

朴槿恵大統領は崔順実らと共謀し職権乱用、強要、公務上機密漏洩など刑法上の罪を犯しただけでなく、

国民主権(第1条)や代議制民主主義(第67条第1項)、職業公務員制(第7条)や公務員任命権(第78条)という憲政秩序の根幹を毀損したというのが、弾劾訴追の事由である。

そもそも、大統領制では、議会だけでなく執政長官も国民に直接選出され、それぞれの任期が固定されている。

朴大統領の任期は2018年2月24日24時までの5年間で、次期大統領選挙は元々17年12月20日に予定されていた。

任期途中に国民は大統領(や議会)をリコール(解任要求)することはできないし、大統領も自らに対する信任を問う国民投票を行うことはできない。

国会も大統領や内閣に対して不信任決議を可決し、総辞職に追い込むことはできない。

首相や内閣の成立と存続の両方が議会に依存している議院内閣制とは制度設計が異なる。

代議制民主主義では、「本人(principle)」である国民は「代理人(agent)」である政治家に国政を委任し、一定の裁量を認めている反面、

通常は選挙で、政策パフォーマンスを基にその責任を問う(待鳥聡史『代議制民主主義-「民意」と「政治家」を問い直す』中公新書, 2015年)。

政治家が官僚にさらに委任する場合も、本来、「公務員は国民全体に対する奉仕者であり、国民に対して責任を負う」(憲法第7条第1項)という位置づけになっている。

韓国国民は朴槿恵を大統領に選出したが、その大統領が政策や人事など国政全般に一民間人を介入させることまで白紙委任したわけではない。

「国政壟断」「憲政蹂躙」と現地で広く理解されているのはこのためである。

この委任(delegation)と責任(accountability)の連鎖を核心とする代議制民主主義の中で、

重大な「代理人の逸脱(agency slack)」が起きたときには、

「本人」はいつでも委任を撤回し、直ちに責任を追及することができるというのが、朴大統領に対する「即時退陣」要求である。

任期途中で大統領が自ら辞任することは憲法で予定されていないが、

世論調査でも、毎週末のろうそくデモでも、事実上の「リコール」が、

大統領が辞任する時期を明言する代わりに与野党合意で選挙管理の暫定内閣を形成する「秩序ある退陣」(朴による「4月退陣」表明)や「弾劾」を圧倒した。

言うなれば、「われら大韓国民」(憲法前文)という生身の主権者が直接現れ、

憲法典の規定を超えて憲法体制を変化させる「憲法政治」という局面、「市民革命」前夜になっていた。

国会における大統領の弾劾訴追は、こうした中で、なんとか憲法典の規定に従って大統領を公職から排除しようとしたものである。

大統領制では2人の代理人がいるが、

そのひとり(大統領)が委任と責任の連鎖という代議制民主主義の根幹を毀損したとき、

もうひとり(国会)がその事実を認定し、

憲法裁判所の審判に罷免するかの最終決定を委ねることで憲政秩序を回復しようとするのが、この制度の趣旨である。

弾劾訴追後も、憲法裁判所による決定を待たずに「即時退陣」を求める世論が圧倒的多数で、韓国政治が憲法の枠内で展開するか、今後も予断を許さない。

つまり、「憲法政治(constitutional politics)」と「通常政治(normal politics)」(Bruce Ackerman)のせめぎ合いはまだ完全には収束していない、ということである。

憲法裁判所は国民の期待どおりに「罷免」するか

韓国憲法では、国会による弾劾訴追を受けて、最終的に罷免するかを審判するのは憲法裁判所である。

憲法裁判所は、民主化・憲法改正の結果、現行の1987年憲法で法院(裁判所)とは別に新設された機関で、

弾劾の他にも、法律の合憲性、政党解散、国家(地方)機関間の権限争議、憲法訴願の審査を専管している。

任期は6年、9名の裁判官で構成されていて、大統領、国会、大法院長(最高裁判所長官)が3名ずつ選出する。

その所長や大法院長は大統領が国会の同意を得て任命するため、憲法裁判所はそもそも大統領の意向が反映されやすい構成になっている。

一体、「即時退陣」や「罷免」を求める圧倒的な「民意」を前に、国民に直接選出されていない憲法裁判所はどのような基準や論理に基づいて行動を選択するだろうか。

盧武鉉大統領のケース(事例/判例)が唯一のレファレンスである。

2004年、盧大統領は総選挙を前に与党ウリ党への支持を呼びかけたが、

公務員の「政治的中立」(公職選挙法第9条)義務違反として中央選挙管理委員会から警告を受け、

それが国会における弾劾訴追事由になった。

憲法裁判所は法令違反であることを認めたものの、

憲政秩序を回復するためには罷免するしかないというほど重大ではないとして棄却した(憲法裁判所「2004憲ナ1」2004年5月14日)。

この「重大性」が今回、朴槿恵大統領のケースに対する法理判断の基準になり、当然、ケースどうしも比較衡量される。

当時の憲法裁判所法では、弾劾審判に限って裁判官一人ひとりの個別意見は公開されなかったが、

金栄一、権誠、李相京の3名の裁判官は罷免に値するという「認容」だったことがのちに明らかになっている

(李範俊(在日コリアン弁護士協会訳)『憲法裁判所 韓国現代史を語る』日本加除出版, 2012年, 317-321頁)。

金栄一は金大中大統領が任命した大法院長による選出、権誠と李相京は国会選出だが、

弾劾訴追を推進したハンナラ党と民主党(金大中大統領の与党で、

盧武鉉もその公認候補として大統領に当選したが、のちに離党しウリ党を結成した)がそれぞれ推薦した。

この規定は05年に改正され、現在は、弾劾も含めて、憲法裁判所による審判は全て、

法廷意見だけでなく個別意見も公開される(個別意見の重要さについては、大林啓吾・見平典編『最高裁の少数意見』成文堂, 2016年に詳しい)。

現在の憲法裁判所の構成は、大統領選出3名分は所長も含めて全員、朴大統領の就任直後に人事が行われた。

大法院長3名分のうち2名は李明博大統領が任命した大法院長による選出で、残りの1名は盧武鉉大統領が任命した大法院長による選出である。

国会選出3名分は李政権の末期に人選され、慣例で与党1名、野党1名、与野党合意で1名、それぞれ推薦された。

今回、弾劾審判の主審裁判官を務めるのは、与野党合意の国会枠で選出された姜日源裁判官である。

選出母体や過去の判例動向から、野党選出で、統合進歩党の解散審判で唯一「反対」の個別意見(憲法裁判所「2013憲タ1」2014年12月19日)を表した金二洙裁判官以外は保守的とされる。

憲法裁判所の構成に関する変数は、朴漢徹所長と李貞美裁判官(大法院長選出)の2名がそれぞれ2017年1月31日と3月13日に相次いで退任することである。

罷免を決定するには6名の裁判官の同意が必要で、そもそも審判は7名の裁判官が出席しないと成立しない。

特に問題になるのが所長の後任であるが、大統領権限代行に就いた黄教安国務総理(首相)が人事権を行使することは憲法上認められているのか、

また政治的にも野党が過半数を占める国会は同意するのか、未知数である。

罷免であれ棄却であれ、憲法裁判所による弾劾審判の決定が下る時期も重要である。

罷免ならば、「60日以内」(憲法第68条第2項)に大統領選挙になるし、棄却ならば朴槿恵大統領は直ちに職務に復帰し、大統領選挙は当初どおり2017年12月20日に行われる。

大統領選挙の日程によって各候補者の競争条件が左右されるため、一部で「迅速な審判」を求める声が出るのもある意味当然である。

憲法裁判所の審判は「180日以内」(憲法裁判所法第38条)とされているが、

67日間で決着がついた盧武鉉のケースとは異なり、朴槿恵大統領は法理だけでなく事実関係についても全面的に争う構えを示している。

他方、朴大統領の刑事上の容疑に対する特別検察官による取り調べは同年2月28日まで行われることになっているが(一度だけ3月30日まで延長できるが、大統領権限代行による裁可が必要)、

その後、李貞美裁判官の退任(3月13日)、

朴自身も表明していた退陣時期(4月)と続くため、

この間が審判の決定が出るタイミングとしてフォーカルポイント(期待が収斂する点)になることは確実である。

決定の内容については予断を許さないが、

「憲政秩序を回復するためには罷免するしかないほどの重大な法令違反があったか」という法理判断以上に、憲法裁判所は「民意」に敏感にならざるをえない。

そもそも、韓国に限らず、司法は違憲審査にあたって、法律を違憲・無効にした場合、

議会がそのとおり法改正を行うかどうか、

さらには有権者が議会と司法のそれぞれをどのように評価するのかを「読み込んだ」上で、

そもそも違憲にするかどうかを選択しているというのが、

「司法政治論(judicial politics)」の視点である(たとえば、Georg Vanberg, The Politics of Judicial Review in Germany, Cambridge University Press, 2009)。

そこでは、議会だけでなく司法も、中位有権者の動向によって行動選択が左右されるという知見が示されている。

韓国の憲法裁判所も例外ではなく、

その積極的な違憲審査は概して、

「民意」に沿ったものであると評価されているし

(たとえば、車東昱「空間分析モデルを通じてみた憲法裁判所の戦略的判決過程」『韓国政治学会年報』第40集第5号(2006年12月), 111-137頁)、憲法裁判所自身も「常に国民の側に立」ってきたことを自負している(憲法裁判所ウェブページ「憲法裁判所長の挨拶」)。

日本の最高裁判所とは異なり国民審査もなく、憲法裁判所にとって民主的正統性はより切実である(棚瀬孝雄『司法の国民的基盤-日米の司法政治と司法理論』日本評論社, 2009年)。