働き口不足で日本就業を希望する韓国の若者たち…日本企業も「肯定」(イ・ドンジュンの日本は今)
2021.01.11|午後5:46
日本就業コンサルタント「働く意欲のある人材、日本でも多くない」
韓国の若者採用の日本企業、半数以上が「再び採用する」
コロナ19の拡散によってマスクを着用して合同企業説明会場に向かう就業準備生たち。産経新聞
国内で新型コロナウイルス感染症(コロナ19)事態が発生する前から続いている就業難のため、韓国の若者の一部は、日本に目を向けて社会生活を始めていることが分かった。
政治的な韓日関係は冷え込んでいるが、2019年基準で日本に就業した韓国の若者たちは2469人に上るなど、
日本は米国(1524人)やシンガポール(473人)、オーストラリア(340人)を抜き、韓国の若者たちが就業、移住する場所の1位を記録している。
日本もコロナ19事態で採用市場に困難が伴う中、直撃を受けた旅行、サービス業などの業種を除けば、韓国より事情が良いのが現実で、日本企業も韓国の人材採用に積極的な姿勢を見せた結果だ。
10日、日本の毎日新聞によると、韓国人を1回以上採用した企業のうち半数以上が「韓国人を再び採用する」と明らかにしたという。
韓国の若者たちに日本企業の就業情報を提供する企業関係者は「働く意欲のある人材は日本でも多くない」とし「コロナ19事態で日本就業がしばらく中断されたが、終息すれば日本就業を希望する韓国の若者たちはさらに増えるだろう」と見通した。
昨年12月12日、ソウル新村のある日本就業セミナー会場の様子。毎日新聞
働き口不足、日本就業を希望する韓国の若者たち
新聞によると、昨年12月12日、コロナ19事態の中でも、ソウル新村のある日本就業セミナー会場に就業準備生集まった。
この日集まった就準生たちは、日本就業のための支援要領、面接などの教育を受けたという。
セミナーは、日本就業情報を提供する(日本)企業が行った。2017年からこの事業を行ってきた企業は、2019年に正式な法人登録を受けてから現在まで200人余りが受講を申し込み、300人余りの韓国の若者たちが、この企業を通じて日本就業に成功した。
セミナーに参加した韓国の若者たちは、参加理由を尋ねると「韓国では就業が難しい」と打ち明けた。
就準生たちのこのような反応は、日本の若者らと比べれば理解しやすい。
コロナ19事態が拡散し始めた2020年春の日本の卒業予定者の就業率は98%に達する。
一方、韓国の卒業予定者の就業率(2018年基準)は64.2%にとどまっている。
また2019年基準の韓国の若者層(15~29歳)の失業率は8.9%に達するが、同期間の日本の失業率は3.6%で韓国の若者失業率は日本の2倍を超えている。
この日のセミナーに参加したある韓国の若者は、足りない働き口と共に、スペック競争や専攻または希望とは無縁の進路選択が、日本に足を向けさせたと話した。
ある就準生は「企業が望む就業スペックを作るためには、語学点数取得など多くのお金が必要だ」とし「スペックを備えても競争が激しいため就業は難しい」と話した。
他のある就準生は「自分が何が好きなのか、将来したいことと関係なく専攻を選択する人が多い」と韓国と違う日本企業の雰囲気について言及した。
日本企業も「肯定」
新聞によると、韓国の若者たちが日本就業を希望する理由には「韓国より優れた就業市場」という理由が多かった。
日本の就業率が韓国より高いのは事実だが、就業が簡単なわけではない。ただし、日本企業の場合、韓国とは異なる形の新入社員育成システムが、韓国の若者らに有利であり、魅力的だという。
例えば、韓国の場合、専攻によって該当職務のインターンなどを経て正社員になるのが一般的なら、日本の場合は総合職で一括採用した後、適性や希望などを反映して各部署に配置する。
すなわち、専攻とは関係なく就業が可能で、日本企業は新入社員の潜在力(可能性)を優先視するから可能なことだ。
よって、自分の適性と関係のない専攻を選択した韓国の若者たちが望んだ業務に割り当てられる可能性があり、その結果、専攻によって就業の門が狭まるなどの問題が日本にはなく、あっても一部に限定される。
韓国では理工系列の就業率が高い反面、文系は相対的に低いが、日本ではこのような現象がないと見てもいいほどだ。
ただし、就業のために日本語などより多くの努力は明らかに必要だ。
また、日本企業が韓国の若者たちに比較的高い評価をするのも一役買っている。
これに先立ち、日本就業情報を提供する企業関係者は、韓国の若者の△仕事に対する意欲と△誠実さ△高いスペック△円満な対人関係などを長所に挙げ、日本企業もこのような姿に採用に肯定的だと説明した。
企業関係者は「韓国人だけを対象にした3泊4日のインターンシップ進行のため旅費などをすべて負担する(日本)企業もある」とし「高い語学能力に働く意欲がある人材は日本でも珍しい」と話した。
一方、この日就業セミナーを取材した日本人記者は、韓国の若者たちの姿が「不安な様子で気の毒に感じた」と話した。
悪化した採用がコロナ19事態でさらに厳しくなり、未来に対する不安感が目についたものと見られる。
韓国の若者たちが日本で高い評価を受け、就業に成功するのは肯定的な姿だ。ただし、一部では働き口不足、または競争に疲れたり、希望する仕事ができないという理由で、日本企業を選択しなければならないのは残念な姿だ。