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マケイン米上院議員の訪韓取りやめ、尋常でない兆候だ

2017-06-18 16:42:15 | 日記
【社説】マケイン米上院議員の訪韓取りやめ、尋常でない兆候だ

2017年06月16日09時05分

[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
米国共和党の大物ジョン・マケイン上院軍事委員長が文在寅(ムン・ジェイン)大統領側の冷遇を懸念して訪韓を取りやめていたという報道が出た。

昨日、日本のメディアによると、先月末に訪韓を予定していたマケイン委員長が文大統領との面会が確約しなかったことから訪韓を取りやめたということだ。

これを受け、外交部側は「面会の要請が受け付けられて一週間後、大統領と会うことが可能だと通知したところ、マケイン側から他の日程が決まったとして訪韓を取り消した」と釈明した。

理由はどうであれ、北核危機とTHAAD対立が依然としてくすぶっている中で、米大物政治家の訪韓が不発に終わったというのは残念なことだ。

5選上院議員であるマケイン氏は2008年、米大統領選で共和党候補に選出された米国の代表的な保守派政治家だ。

今は北核対応とTHAAD配備を含み、米国防政策を左右する強大な権力をもつ上院軍事委員長だ。

特に、彼は高高度ミサイル防衛(THAAD)体系の配備をめぐって韓国側に有利な声を出してきた人物だ。

「韓国がTHAADの費用10億ドル(約1109億円)を負担せよ」と主張するドナルド・トランプ大統領の発言が出た後に「その費用は米国が出すもの」と釘をさした人がマケイン氏だ。

それだけではなく、THAAD対立で中国側の報復が猛威を振るうと、「韓国を困らせることをやめよ」と公開的に警告したのも彼だった。

結局、韓国が積極的に声をかけるべき人が訪韓を取りやめたというのはただごとではない。

最近、米国の雰囲気を見ると、彼が門前払いを懸念したという話が出ても全くおかしくない。

実際に、先月訪韓したマック・ソーンベリー下院軍事委員長とコリー・ガードナー上院外交委員会東アジア太平洋小委委員長は文大統領に会うことができなかった。

ディック・ダービン上院議員らも文大統領との面会が取り消しになって翌日、短時間会えたという。


いつにもままして堅固な韓米同盟が切実な状況だ。マケイン氏の訪韓が反故になったのは尋常でない兆候だ。

いわゆる「THAAD報告漏れ」よりはるかに衝撃的で深刻な問題だ。何が間違っていたのかその理由を探して同じ失敗を繰り返さないようにしなければならないだろう。

米国また金利引き上げ…家計と企業の対処火急=韓国

2017-06-16 17:56:58 | 日記

【社説】米国また金利引き上げ…家計と企業の対処火急=韓国


6/16(金) 11:40配信

中央日報日本語版


米国連邦準備制度(Fed)が昨日、予想通り基準金利を0.25%引き上げた。

Fedは連邦公開市場委員会の定例会議を開き、基準金利の範囲を既存の0.75~1%から1~1.25%に上げた。

これで米国と韓国の基準金利(1.25%)が同じになった。

Fedはまた、ことしあと1回、来年中に3回の引き上げ基調を維持した。

ことし下半期の追加引き上げが断行されれば、韓米間の金利逆転の可能性が高まり、韓国銀行の基準金利引き上げの圧力も高まることになる。

しかもFedが年内の保有資産縮小の可能性を示し、グローバル金融市場に米国発金融緊縮の衝撃が予告されている。

Fedは2008年のグローバル金融危機以来、米国債と住宅担保付証券などを買い入れる方法で市中に資金を供給し、4兆5000億ドル規模の資産を保有してきた。

しかし、景気回復の傾向が明確になり、2015年12月から金融緩和を縮小したが、今は失業率も4%台まで落ちており早ければ今年9月に保有資産も減らす量的緊縮(QT)を行うということだ。

米国発の金融緊縮の引き金が引かれ、それに伴いグローバル金融市場の基調の変化も避けられなくなった。

ユーロ貨幣を使うユーロゾーン国家と日本は依然として低金利基調を維持しているが、米国が金融緊縮の程度を継続して高めればグローバル金利も上昇するほかないためだ。

特に韓米間の金利逆転が現実化すれば米国で資金に還流する「マネームーブ」が本格化し、韓国は外国人投資資金離脱の事態に直面するおそれがある。

何より金利引き上げは韓国経済の時限爆弾である家計負債と小商工人をはじめとする中小企業に直撃弾を飛ばす可能性がある。

外国為替危機の直後は200兆ウォン(約19兆6000万円)に過ぎなかった家計負債は低金利基調が不動産市場を焚きつける役割をし、絶えず増加してことし3月には1359兆ウォンに増えた。

その上で急激な金利引き上げがあれば家計負債の悪化と金融圏の不健全化の導火線になる可能性がある。

すでに家計負債は危険水位に来ている。

現代経済研究院によれば基準金利が0.25%上がれば1世帯当りの利子負担は年間42万ウォン増える。

しかもことしの下半期の23万軒をはじめとし、列をなして待機中である入居爆弾も危険要因だ。

このような衝撃を緩和するには経済主導者は徹底した負債管理を行わなければならない。

韓銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁も最近「通貨政策緩和を調整する必要がある」と金利引き上げに方向指示器を点した。

長期にわたる低金利基調が家計負債の根源という点から適切な信号であった。政府も文在寅(ムン・ジェイン)大統領が8月に準備するようにいった家計負債総合対策を早めるべきだ。

間もなく出る不動産対策の場合、住宅担保認定比率(LTV)と総負債償還比率(DTI)の規制は再調整する必要がある。

市場衝撃を緩和するには地域別・対象別に「オーダーメード型ピンセット規制」が必要だ。

家計は無理なローンで不動産を買ったとすれば1日も早く借金ダイエットに取り組み、迫りくる衝撃に備えなければならない。

政府と金融当局も先制的な構造調整を怠ってはならない。

あらかじめ玉石を区別してこそ、金利引き上げの過程で堅実な中小・中堅企業の資金が滞るようなことが起きない。

韓国、文在寅大統領の公約通り「脱原発」へ?新規2基の設計中断

2017-06-16 16:30:36 | 日記
韓国、文在寅大統領の公約通り「脱原発」へ?新規2基の設計中断、日本との廃炉共同研究も

レコードチャイナ 2017年6月3日 18時30分 (2017年6月6日 00時00分 更新)

2017年6月3日、韓国が「脱原発」に舵(かじ)を切りつつある。

文在寅大統領は大統領選の公約の中で、新規の原発建設計画などを白紙化すると明言。

これを受け、韓国水力原子力(韓水原)は新規2基の設計を一時中断した。

日本との間で廃炉の技術や人材養成などの分野で協力する構想も浮上している。

石油などの化石燃料が乏しい韓国は1957年、国際エネルギー機関(IAEA)に加盟した直後から原子力エネルギーの開発に着手。

62年に最初の研究炉が臨界に達し、78年になって初の商用原子力発電所の古里原発が運転を始めた。現在は25基が稼働している。

IAEAのデータによると、総発電量に占める原発依存度は28.3%で世界第4位。

朴槿恵政権下の2014年には東日本大震災に伴う福島原発事故で原発の安全性を疑問視する声が高まったことなどから、原発依存度目標を35年までに総発電量の29%程度とし、30年までに41%との計画から下方修正している。

半面、原発の輸出には積極的で、09年には日本などに競り勝ってアラブ首長国連邦(UAE)で4基の建設を受注。

昨年10月には期間60年で、総額54兆ウォン(約4兆9000億円)で運営権を獲得した。

韓国にとっては海外で原発の受注から建設、運営までを一貫して手掛ける初のケースとなった。

原発をめぐって文大統領は大統領選中、「新規の原発建設を全面的に中止し、建設計画そのものを白紙化する」と公約。

韓国紙は5月末、韓水原が慶尚北道蔚珍郡に建設する予定だった新ハンウル原発3、4号機の設計見合わせを発注した韓国電力技術(韓電技術)に申し入れた、と相次いで報じた。

韓水原は昨年3月、韓電技術と3、4号機の総合設計発注契約を結び、今年2月には発電事業許可を得た。

韓水原の計画通りなら3号機は22年12月に、4号機は23年12月に完成する予定だった。

朝鮮日報は「文政権の政策実行を見越した措置で、新規の原発計画白紙化という公約を実現するシグナルと受け止められている」と伝えている。

さらに、東亜日報は「慶尚北道盈徳郡に建設する予定で敷地買収の手続きが進められている天池原発(仮称)の先行きも不透明になった」と報道。

現在工事が行われている新古里5、6号機(工程28%)も政府方針によっては建設が中止になる可能性があるという。

一方、聯合ニュースよると、韓国の政府系シンクタンク・蔚山科学技術院は5月30日、在韓日本大使館の担当者を招き、原発の廃炉に向けた韓日の共同研究センター設立案を協議した。

韓国では古里1号機(釜山市)が6月に永久停止され、これが最初の廃炉事例となる。30年には現在運転中の商業用原発の約半分が設計寿命に達する。(編集/日向)



「反日だった」朴槿恵前大統領を、なぜ韓国国民はブタ箱に放り込んだのか?

2017-06-15 18:09:44 | 日記
マネーボイス

「反日だった」朴槿恵前大統領を、なぜ韓国国民はブタ箱に放り込んだのか?

2017年4月4日

ついに逮捕された朴槿恵前大統領。敗因は反日の封印であり、ストレスのはけ口を失った韓国国民が経済状況の酷さに気づいたことだ。

この政権の4年間を振り返って解説する。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)

※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2017年4月2日号の抜粋です。

反日でギリギリ保っていた?朴槿恵前韓国大統領の4年間を振り返る

「日本を千年恨む」就任早々に宣言をしたワケ

今回はついに逮捕されてしまった韓国の朴槿恵前大統領を特集する。

当メルマガは2011年に配信を開始し、ほぼ週1ペースで5年半ほど配信を続けてきた。

メルマガを始めた当初は明博政権だったが、それから1年後に朴槿恵政権がスタート。

その当時から今までに取り上げた内容を見ながら、朴槿恵前大統領の4年間を振り返って解説する。


朴大統領は2月25日の就任後、麻生太郎副総理との会談などで、日本に歴史問題への対応を求めているが、演説で日韓関係についてメッセージを発するのは初めて。

竹島、慰安婦問題など具体的懸案には触れなかったが、未来に向かうためにまず過去の問題を解決すべきだという内容で、安倍政権に厳しい注文を突き付けた形だ。

大統領は「歴史に対する正直な省察がなされるとき、共同繁栄の未来も共に開ける。加害者と被害者という歴史的立場は千年の歴史が流れても変わらない」と言明。

これは私が第81回(2013年3月3日配信日)のメルマガで取り上げた時事通信の記事である。本当に就任早々、「日本を千年恨む」と宣言したのだ。

なぜ、最初から朴槿恵前大統領が反日全開だったのか。その理由は、支持率の低さにある。

朴槿恵前大統領は、次の韓国大統領候補で最も人気がある文在寅(ムン・ジェイン)氏との選挙戦にわずかな票差で勝って大統領に就任した。

当然、ギリギリの勝利では政権基盤が弱いことになる。

【関連】親日か反日か?次の韓国大統領になる男「文在寅」(ムン・ジェイン)の狙い

そこで朴槿恵前大統領は、反日政策を邁進することで地盤を固めようとした。

その効果はてきめんだった。

すぐさま支持率は爆上げとなり、日本が批判する「告げ口外交」と「慰安婦ガー」という、聞かれてもいない「反日」を世界中で触れ回ったことで、朴槿恵前大統領は「外交の天才」と評価された。

当時、私はこんな言葉を残している。


最低の支持率の結果、すぐさま反日に行動を移した韓国の朴槿恵大統領。

文章を読んで驚いたと思うが、現時点で盧武鉉前大統領、明博大統領なんて遙かに超える逸材である。

就任して舵を取っても、韓国経済が苦境に立たされる未来は決定している。

つまり、これは始まりであってゴールではない。明博大統領なんかとは比べものにならないぐらい、日本批判を展開してくることだろう。

最後に私の朴槿恵大統領に対する経済評価は、明博前大統領以下なのは言うまでもないが、はっきりいって「無能」である。

今年、韓国は日本に貿易赤字を255億ドル出している。

そして、日本批判するということは、経済的な視点からしてもマイナスだ。

つまり、4年前に私はいずれはこうなることを予言していた。

そして案の定、朴槿恵前大統領の経済政策は無能そのものであった。

もっとも、当時は弾劾罷免されるとまでは思っていなかったが。

結果的に、韓国経済は衰退化が顕著となった。

今の株価や通貨ウォンは、サムスン電子のおかげで当時よりも高水準を保っているが、それもいつまで持つかはわからない。

あまりにも韓国以外の外部的な要因が複雑過ぎるのだ。

暴落するのは、韓国が米国によって「為替操作国」として認定される時か、韓国の次の大統領がTHAAD配備の中止を宣言する時か、はたまた赤化に進んだときか。

朝鮮戦争の再開といったことも十分に考えられる。

引き続き、朴槿恵前大統領の4年間を振り返っていこう。

「オバマの逆鱗」に触れて幕引きに

オバマ政権が韓国に甘く、日本に対して「もっと韓国と仲良くしろ」と迫る中で、韓国は増長していく。

朴槿恵前大統領は「アジアのバランサー」と褒め称えられてコウモリ外交を行い、中国依存をさらに高めていった。明博政権でもそれなりに中国依存はあったわけだが、朴槿恵前大統領の時代はそれをさらに加速させていく。そして、中国も韓国を快く受け入れ、蜜月関係が始まった。AIIBへの参加と副総裁の地位、500億ドル規模の韓中通貨スワップ、中国の軍事パレードへの参加など、誰が見ても赤化するんじゃないかと思うほどだった。

しかし、2016年の12月末には、激怒したアメリカに脅迫されたのか、朴槿恵前大統領は急に日韓慰安婦合意を締結。さらに北朝鮮が水爆実験を行った際、中国に頼ろうとホットラインを使って連絡するも不通だったことがあり、突然の方向転換を行った。反日を止め、THAAD配備を検討するなど、いきなり赤化から逆戻りを始めたのだ。

これに関しては、アメリカが本当に激怒したのではないかと思っている。

今まで韓国が中国にべったりだったことについて、オバマ前大統領はなんとか我慢してきたが、もう限界だったのだろう。

THAAD配備という踏み絵をちらつかせて、従うか、そのまま中国の元へ走るかの2択を迫られたのではないか。

これが朴槿恵前大統領の外交の幕引きだったと記憶している。

韓国国民から漏れ始めた「不満の声」、一気に政権崩壊へ

そして、反日がすっかりなりを潜めたことで、韓国の国民から不平が漏れ始めていく。反日でストレスを解消していた韓国だが、造船や海運、原油価格の急落などのよる海外建設不振などといった、経済状況の酷さに気づき始めたのだ。

そんな中、2016年8月31日、韓進海運の破綻から起きた物流大混乱事件での政府対応のお粗末さに続き、サムスン電子のギャラクシーノート7の爆発事故によって韓国に抑えられない不満が高まりつつあった。

支持率もすっかり低迷しており、与党のセヌリ党からも批判されていく。

今思えば、朴槿恵前大統領の弾劾罷免までの下準備はもうこの頃にはできていたのだろう。

そして、2016年10月24日に朴槿恵前大統領のスピーチ原稿に

チェ容疑者の関与を示す文書が見つかった。

そこから朴槿恵前大統領は占い師に操作されていたという根も葉もない噂が韓国中に拡大して支持率は4%となり、100万人を超える抗議デモが毎週ソウルで開催されていく。

最後は弾劾されて数ヶ月後、それが憲法裁判所の裁判官によって罷免されて、2017年3月31日に逮捕された。

大統領という最高の地位にまで上りつめた4年間の最後は囚人生活という。

最高から最低までを朴槿恵前大統領は経験することとなった。

しかも、この先は魔女裁判にかけられて処刑される未来すらあるという。

朴槿恵前大統領がこうなった最大の理由は、「反日の封印」である。

政府への不満を反日で抑え込んでいたからこそ、3年も持ったのだ。つまり、韓国では反日でなければ1年すら大統領が務まらないことになる。

結局、朴槿恵前大統領が残したものは、日本の鳩山元総理と同じようなものである。日本と米国との関係の悪化、中韓関係の悪化、北朝鮮関係の悪化、告げ口外交による韓国の権威喪失という、考えうる限り最悪の外交情勢を作りだした。

しかし、日本との関係だけは、朴槿恵前大統領のせいだけではない。朴槿恵前大統領は日韓慰安婦合意によって、日本との通貨スワップ協定の交渉を再開し、なんとか韓国を経済危機から救おうとした。しかし、それは韓国国民には届かなかったのだ。それは当たり前のことで、今まで散々「日本側にメリットがある」と吹聴してきた通貨スワップ協定である。韓国側だけが必要だとは、認められるわけがないのだ。

「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)

2017-06-15 17:27:20 | 日記
fujipon

2015年07月19日 00:00

【読書感想】「ドイツ帝国」が世界を破滅させる (fujipon)

「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)

作者: エマニュエル・トッド,堀茂樹
出版社/メーカー: 文藝春秋
発売日: 2015/05/20

フランスの歴史人口学者・家族人類学者、エマニュエル・トッドさんが、現在のヨーロッパ、とくにドイツを中心とするEUの問題について語ったインタビュー集です。

 僕自身、こういう海外情勢に関する話って、「日本人が外国を語ったもの」か、「外国人が日本について述べたもの」のいずれかを読むことがほとんどなので、フランス人であるトッドさんが、ドイツやEUについて語るという「外国人が他の外国について考察したもの」というのは、こんな感じなのだな、と興味深く読みました。

 トッドさんは「国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論」で、ソ連の崩壊やアメリカの金融危機を「予言」した人なのだそうです。

 ここに掲載されているインタビューを読んだかぎりでは、自分の国であるフランスについては、かなり悲観的で、ドイツについてはちょっと「陰謀論的」なのではないか、という気がしたのですが、ヨーロッパの中では、ドイツ脅威論、というのはけっこう強いのかもしれませんね。

 ギリシャ問題でも、「ドイツのユーロ圏での『一人勝ち』っぷり」が、採りあげられることが多いですし。

 まあでも、このタイトルは、ちょっと「釣り」っぽいとは思います。

 この本を読んでいて面白かったのは「歴史人口学」という観点でした。


――あなたは人口学的指標を通じて、さまざまな人間社会とその未来を理解しようとする学者ですね。

ロシアは40年前から、あなたが好んで扱うフィールドの一つです。

奇しくも今日、ロシアがふたたびヨーロッパを震撼させています。この現状をどう捉えているか、教えてください。

 1976年に、私はソ連で乳児死亡率が再上昇しつつあることを発見しました。

 その減少はソ連の当局者たちを相当面食らわせたらしく、当時彼らは最新の統計を発表するのをやめました。

というのも、乳児死亡率(1歳未満での死亡率)の再上昇は社会システムの一般的劣化の証拠なのです。

私はそこから、ソビエト体制の崩壊が間近だという結論を引き出したのです(『最後の転落』)。

 ところが今日、数か月前から私が観察し、注目しているのは、プーチン支配下のロシアでかつてとは逆に、乳児死亡率が目覚ましく低下しつつあるという現象なのです。

並行して、それ以外の人口学的指標も有意の事態改善を示しています。

男性の平均余命、自殺と殺人の発生率、また何よりも重要な出生率などの指標です。

 2009年以来、ロシアの人口は増加に転じて、すべてのコメンテーターや専門家を驚かせています。

 これは、ロシア社会が、ソビエトシステム崩壊による激しい動揺と、1990年代のエリツィン統治を経て、今、再生の真っ最中だということを示しています。

 ロシアのこの状況は、数多くの点で、中央ヨーロッパの国々や、底知れない実存的危機に沈んだウクライナに比べればいうまでもないですが、西欧の多くの国々と比べても、より良好な状況だといえます。

 トッドさんによると、「人口学的なデータはきわめて捏造しにくいので、最高度の信頼がある」のだそうです。

 そうか、乳児死亡率とか出生率で、ある国の「情勢」みたいなものがわかるんですね。

 それだけでわかるのか?とちょっと思ったのだけれど、乳児死亡率は公衆衛生や医療のレベルを反映しているし、結局最後には「人口」がモノをいう、という面はあるわけで。

 トッドさんは、いまのドイツの隆盛の理由を、このように説明しています。


 最近のドイツのパワーは、かつて共産主義だった国々の住民を資本主義の中の労働力とすることによって形成された。

これはおそらくドイツ人自身も十分に自覚していないことで、その点に、もしかすると彼らの真の脆さがあるのかもしれない。

 つまり、ドイツ経済のダイナミズムは単にドイツのものではないということだ。

ライン川の向こうの我らが隣人たちの成功は、部分的に、かつての共産圏諸国がたいへん教育熱心だったという事実に由来している。

共産圏諸国が崩壊後に残したのは、時代遅れになった産業システムだけではなく、教育レベルの高い住民たちでもあったのだ。


 ドイツはグローバリゼーションに対して特殊なやり方で適応しました。

部品製造を部分的にユーロ圏の外の東ヨーロッパへ移転して、非常に安い労働力を利用したのです。

 ベルリンの壁が崩壊し、ドイツは東西が統合されたのですが、当初は、旧東ドイツの経済的な遅れが、統合ドイツにとっての大きな負担になっていました。

 しかしながら、ドイツは、結果的に「旧共産圏の安くてそれなりに教育を受けている良質の労働者」を使ってつくった商品を、ユーロ圏の国々に売ることによって、経済的に潤っていったのです。

 中国製の安い商品が、日本の国内産業に大きなダメージを与えていったように、ドイツで安い労働力を使ってつくられた製品は、ユーロ圏の各国の製品との競争に勝っていきました。

 ドイツは、EUという共同体と、その外側にある旧共産圏の「均一性と格差」を利用して、いいとこ取りをし、「うまくやってきた国」なのです。

 この本を読んでいると、ギリシャ問題などで、EU各国がドイツに「なんとかしろ」と丸投げしようとするのも、わかるような気がするんですよね。

 結局、ドイツが「ひとり勝ち」の状況なのだから(実質国内総生産(GDP)でも、ドイツがヨーロッパ諸国のなかでも抜きん出ています)。

 まあしかし、トッドさんはフランス人だからなのか、とにかくドイツに対しては危機感を煽っているようにもみえます。

 その一方で、母国フランスの指導者たちには、呆れ返っているのです。

 この本のなかで、トッドさんは、こう言っています。


 最後に、人類学者からの助言を一つ付け加えます。

自分たちの道徳観を地球全体に押し付けようとするアグレッシブな西洋人は、自分たちのほうがどうしようもなく少数派であり、量的に見れば父系制文

化のほうが支配的だということを知ったほうがよろしい。

 私は個人的には、われわれの生活様式が気に入っているし、フランスで同性婚が認められたことをとても喜ばしいと思っています。

しかしそうしたことを文明と外交の領域で主要なリファレンスにするのは、千年戦争をおっぱじめることであり、その戦争はわれわれにとって勝ち目のない戦争なのです。

 日本に住んでいても、つい、アメリカやヨーロッパが、「世界基準」なのだと思いこんでしまいがちなのだけれど、少なくともその文化に属する人の数でいえば、「父系制文化のほうが支配的」なのです。

 今後、人口や経済の面で、西欧以外の、アジアや南アメリカなどの力が増していくと、彼らがいまの西欧の道徳観に近づいていくのか、それとも、伝統的な父系制文化が復権していることになるのか。

 いまのヨーロッパの状況というのは、ドイツが覇権主義に陥っているというよりは、ドイツは自分の役を鬱陶しそうにこなしているだけ、のようにも見えるのですが、今後、どうなっていくのやら。

 ヨーロッパの情勢についてはもちろんなのですが、「歴史人口学」というモノの見方には、興味深いものがありました。