今週の日曜日2014年12月14日が衆議院議員選挙の投票日ゆえ、何の影響力もない零細ブログとしても言葉づかいには気をつけなければならないようで、少し不自由な期間かも知れませんね(笑)。
しかし出始めました。選挙が近づくと、閣僚や党の幹部が各地へ応援演説に出かけますが、そういったときに決まったように見られるのが、いろいろな「失言」。
というよりも、そういう時、重点的にマスメディアがアンテナを張り巡らすのかもしれません。
あと数日間、北海道の釧路出身者が増えますね。その心は・・・・
湿原(しつげん)が多い〔失言(しつげん)が多い〕。
<麻生財務相>子ども産まない方が問題…社会保障費巡り発言
麻生太郎財務相は7日、札幌市内で行った衆院選の応援演説で、社会保障費の増大に絡み、「高齢者が悪いようなイメージを作っている人がいっぱいいるが、子どもを産まない方が問題だ」と述べた。
社会保障負担が増えるのは「子どもを産まないこと」が原因と指摘したもので、批判が出る可能性がある。麻生氏は「子どもが生まれないから、子ども3人で1人の高齢者(を支え)、もう少しすると2人で1人(を支える構図)になる」と指摘。増大する社会保障費を賄うため「みんなで少しずつ負担する以外に方法がない」とも強調した。【横田愛】
毎日新聞:2014年 12月7日(日)22時10分配信
応援演説の一部を取り上げて批判するのが多いので、十分に注意しなければなりません。これは私が麻生を支持するかしないかに関係なく言えることです。
また「批判が出る可能性がある」と批判を誘導するような毎日新聞の書き方にも疑義があります。批判が出て欲しいのか、批判は出なければならないという記者の信仰か。
しかし出ましたね、麻生節(あそうぶし)が。多くの人を相手にした応援演説とはいえ、いつも思うのが、麻生という人間は
聞いた人に足を引っ張られないよう「考えながら演説する能力」を欠く
ということ(笑)。
居酒屋レベルの会話ならいざ知らず、麻生太郎は田中真紀子などと同様に人の上に立つ人ではなさそう、とも思ってしまいます。
ただしこういう「飾り物」にすべき人に拍手喝采する人が多いのもまた、事実。だからこそ、次々とこういう人が続くのでしょう。
麻生演説の内容について少し触れておくなら、
- 高齢化で医療費の負担が大きいという不満
- ↓
- 少子化に原因がある(負担する人、つまり分母が減ったため)
- ↓
- もっと産めば少子化解消、医療費負担者も増える(分母が増える)
- ↓
- 一人あたりの医療費負担額が減り、不満が解消される
尤もそうではあるけれど、まるでネズミ講のようなことを言っているのですね。
一人あたりの負担額が増えることに懸念している人を安心させたいとする麻生の親切さが、実は実現不可能とわかっている無限連鎖講〔無限に人口が増えると無限に負担額が減る〕の夢を語らせ、選挙前の演説としては相当悪質でしょう。
こいう失言が、政治家不信をつのらせ、投票率低下につながり、相対的に固定層による特定政党の得票率向上効果があるのかどうか、誰にもわかりません。
どの国の政治家でもそうですが、反論のないヨイショ集団に囲まれた日常生活を送っていると、うっかり「自分の発言には全員が賛成する」と錯覚してしまうようです。
結果出ないのは経営者能力ない…麻生氏発言波紋
麻生副総理兼財務相が衆院選の応援演説に際して、「問題発言」とも取れる発言を繰り返していることが波紋を呼んでいる。
まず、問題となったのが、6日の長野県松本市内の街頭演説での発言だ。麻生氏は安倍首相の経済政策「アベノミクス」に関連し、「間違いなく我々は結果を出した。60年ぶりの企業の利益率を出している」としたうえで、「(結果を)出していないのは、よほど運が悪いか、経営者に能力がないから」と述べた。
野党側は、麻生氏の発言について「中小企業の実態とかけ離れている」などと問題視している。民主党の枝野幹事長は7日、東京都内で記者団に対し、「財務相が中小企業の実態に全く理解を示していない。経済政策の恩恵が世の中に行き渡らないのは当然だし、おごりの象徴だ」と厳しく批判した。
2014年12月08日 07時34分 Copyright c The Yomiuri Shimbun
「経営がうまくいかないのは、運が悪いか能力がないかだ」というのも、これまた居酒屋レベルならば許され喝采も受けるでしょうが、選挙前の演説としては低レベルであり、選挙に勝てば低レベルでもいい、という姿勢さえ見られます。
ただしこれに対して野党が「・・・・と厳しく批判した」の『厳しく』は記者の思い入れが込められた情緒であり芳しくありません。全体的に与党批判の記事となっていて、選挙前らしく各紙の特長が表われていますね。
もちろんこのブログ著者が与党びいきか野党びいきかは、別問題です。とにかく選挙前はつらいですね(笑)。
麻生財務相「利益出してない企業は運が悪いか能力ない」
麻生太郎財務相は6日の長野県松本市内での街頭演説で、「この2年で株価は1万7千円まで上がった。円安にも振れた」と景気回復の実績を強調する中で、「その結果として企業は大量の利益を出している。出していないのは、よほど運が悪いか、経営者に能力がないかだ」と語った。麻生氏は3日の香川県内や5日の神奈川県内での演説でも同様の発言をしている。
最近の円安については「(2年前に)円高不況でどうにもならんといわれたけど、1ドル79円だったのが120円まで安くなっている」と述べた。
円安の影響で、輸出産業の大企業を中心に収益が改善している半面、輸入価格の上昇で経営が圧迫されている中小企業も少なくない。民間信用調査会社の帝国データバンクによると、円安の影響による企業倒産は11月まで3カ月連続で過去最多を更新した。:朝日新聞デジタル 2014年12月6日19時41分
私は比較的朝日新聞には批判的なほうですが、この記事は、上の読売新聞のような「波紋を呼んでいる」とか「厳しく批判した」といった情緒的な表現が見られず、その公平な姿勢に好感をもちます。
朝日新聞は、まだまだ油断はできず、中国の問題点を指摘できるほど成長はしておりませんが、最近になって気付いていることは、少なくとも中国には不都合なことでも、ニュース記事を書けるようになったことです。
朝日新聞は、なにもニユーヨーク・タイムズや人民日報と縁を切ることはありません。べったりヨイショではなく、ただ普通に、どこにもおもねることなく、いくぶんかは報道会社の意向が入ってもいいから、事実をそのまま伝えたらいいのです。
ガンバレ朝日新聞!
朝日新聞が、中国・韓国の政府キャンペーン型マスメディアより幾分かマシになったことを喜ぶ吉日に記す(笑)。