世界各地でみられる「熱狂」
それがいい方向へ進めばいいのですが、残念ながら、だいたいは危ないものです。
- 本人たちは「一番正しい」ことだと信じているため、指摘されても「何が問題なのか」とし、逆ギレしそうですね。
- しかし外部から見ると要注意で、特に発展途上国でみられる「動員された熱狂」には、国をまとめ上げる効果がありそうで、それが「危険」なのでした。
- そういう「挙国一致」が要求される時期もあるでしょうが、民主主義の根幹はこの「混乱」「多様性」なのであり、一色に染まった熱狂は、あぶないのです。
- この点で、韓国・北朝鮮・中国は、民主主義とは縁がないと言えます。
北朝鮮の熱狂
朝鮮戦争(1950-1953)が休戦状態になり10年以上経過した1966年のサッカーW杯ロンドン大会で北朝鮮が8強入りしました。このとき北朝鮮国内では異様な熱狂が見られたようで、まるで北朝鮮が立派な国の仲間入りをしたような錯覚をしたものです。
これを金王朝が利用しないはずがありません。しかし残念なことに50年後の今、独裁国家にありがちな「不都合なことは公表しない」ためでしょうか、北朝鮮は世界の最貧国家近くにまでなってしまったのです。
北朝鮮国民があまりにもかわいそうとも言えますが、まるで3代目にして崩壊する企業や鎌倉幕府(頼朝・頼家・実朝の3代で終焉)のように、金王朝3代目の金正恩が最後の「最高指導者」になりそうです。
因みに金正恩は、「畏れおおい」ためか父親の役職を継がず、新しい役職を設けてこれに就き、文字通り最高指導者(党・国家・軍の三権の長)となっているようです。
しかし粛正し尽くしたからでしょうか、50歳~60歳の「若い」人がおらず、映像で見る限り、「取り巻き連中の多くが、先の長くない安心できる老兵ばかり」なのが気になります。
♪ もろともにあはれと思へ山桜 花より外に知る人もなし ♪
天台座主「行尊」の一句を思い出す次第です。
中国の熱狂
文化大革命〔1966-1967〕で見せた異様な熱狂を知っているかたも減ってきましたが、今なおその中国共産党が武力支配している中国ですので、文化大革命について最低限のことは知っておきたいものです。
その場合、「最低限」と言いましたが、奇妙な「最低限」でも困るんですね。
尤も日本の反自民党勢力の中には、「自分たちの利益追究のためには文化大革命が障害になっており、触れたくない中国の負の側面」なのでしょう。
つまり外国である中国を利用してまで「自分たちの利益を追求しようとすると、つけこまれてしまう」のですが、「自分たちの利益追求」が原因でこの単純なことでさえ理解できないままのようです。
その中国共産党が、その規模では文化大革命にかなわないものの、天安門事件〔1989〕で多くの重要な中国人を武力弾圧し、母国に希望を見いだせなくなった人たちが海外へ亡命脱出しました。
北朝鮮からの脱北と似ていますね。
立派な人たちがどんどん脱出して、今の政権幹部は「カス」ばかりなんでしょうか。そういえば、そうとも思える昨今です(笑)。
韓国での熱狂
2002年サッカー日韓共催では、韓国でも熱狂が見られました。
世界中で熱狂がみられますが、これほど国家規模で熱狂が起るのは「中国・朝鮮半島」以外では、そう見られません。今でもなお中国・北朝鮮では報道規制・言論弾圧のため攘夷の「熱狂」がみられるのです。
当時日本人の多くが、韓国の試合(対日本以外)では韓国を応援していたようですが、韓国人のほとんどが、日本の試合(対韓国以外)でも日本の敗戦を祈っていたようです。
東北沖震災でも「ざまをみろ」とばかり喝采した韓国人が多かったようですから、やむを得ない「民族性」なのでしょう。中国に進出したロッテが経済制裁のイチャモンで撤退の瀬戸際にあるのに何も言えないのはなぜなんでしょうね(笑)。
何が日韓のサッカー応援姿勢の違いを生じたのでしょうか。
言う迄もありませんが、北朝鮮や中国と同じで、韓国にも多様性がないのであり、異論は許されず、北朝鮮のマスゲームのように一色に染まるのを『善』とみなすのが儒教の汚点なのです。
私は決して儒教のすべてを否定しているわけではありませんが、汚点は汚点だと指摘せざるを得ません。その1つとして、多くの韓国人たちのサッカーの応援姿勢に疑問をもつのです。
その韓国から逃げ出す人も多いらしく、脱北・脱中と、似てませんか。
そう儒教国では、社会的に改善が許されないため、先を見通す力のある人が母国を見限るものなんです。
日本での熱狂
これらに対して日本では、そういう時代もあったでしょうが、この数十年のあいだ、全国的に熱狂することなどなかったのです。
高校野球にしても、終わってしまえば何事もなかったかのように日常生活に入ります。
オリンピックにしてもそうだったし、きっと2020年の東京オリンピックでも、一部地域では事前に金儲けのため異様に盛り上がることでしょうが、終わってしまえば何事もなかったかのように日常生活に入ることでしょう。
ただし「総中流意識が薄れ、経済格差が広がってきた」ことから、これからも同じように推移するとも思えません。
とはいえ、これが大切なところですが、中国や朝鮮半島と比較する限り、日本には全体主義的な脅威は少ないようで、「異様に日本国内の経済格差を強調したがる人には注意したほうがいい」と私は思っております。
外国の事情を知るにつれ、「日本のことで見えていなかったことが見えてくる」ものです。
しかし「そういったマトモな人が増えるとマズイ」と思う人もいるようです。
「自分たちの言う通りになる視野の狭い無知な人」が望ましく、できるだけ日本人を海外事情から遠ざけて、自分たちが主張することに「熱狂させる」よう取りはからうことでしょうから、ご注意あそばせ!
熱狂とは、かかるほど「こわいもの」なんです。
さてさて、皆様はどう思われますか。