Part.2 配色のテーマ
今日は「メカゴジラ ブラックバージョン」の配色のテーマについて。
■カッコかわいく悪いやつ
今回の「ブラックバージョン」は、その名の通り黒のイメージのメカゴジラです。しかし、ご承知の通り黒いメカゴジラは『ゴジラ対メカゴジラ』劇中には存在しません。ですからテーマとなるイメージを想像・設定してそれに合う配色を検討しました。
テーマは「完全な悪役」です。
劇中において、ゴジラはすでにかつての人類の敵という扱いではなく正義の怪獣、子供のヒーローとして描かれています。対するメカゴジラは地球侵略を企む宇宙人作ったロボット怪獣、しかもゴジラに似せて、なおかつより強力な武器を多数備えた兵器。これではゴジラも勝てないのではないかと思わせるほどの強さを表現している完全なる悪者です。
それまでゴジラが戦ってきたどの怪獣とも共通点が少ない敵となります。メカですから自らの意志はなく、命令のまま攻撃もとことん容赦ない描かれ方をしていると言えます。当時としては、ゴジラにとって今までにない強敵である事がわかります。
典型的な「悪」としての存在感がありました。
そして悪と言えば、真っ先に浮かぶ色としては「黒」。黒のメカゴジラですから配色のテーマとしては「カッコかわいく悪いやつ」なのです。
さらに黒い悪者が最も似合うのは夜。そのため、夜中に不気味に街中に現れる雰囲気を出したい考えました。暗い夜の背景の中にわずかに見える金属の怪しい黒光……。これらをイメージして配色を具体的に検討しました。
深夜、皆さんがお住まいの街中に突然巨大な真っ黒な悪役顔のロボット怪獣が立っていたら……と想像してみて下さい。ビビリません!?