2 グレーの濃淡
モノクロのカラーリングでキャラクターソフビを作るとなると、どういった配色を皆さんは考えますか?
成型色を黒系、グレー系、白系にし、塗料も同一の濃淡で行う。これを基本として考えると思われますし、私もずっとそう思っていました。色数が限られるのでさほど悩むことなく配色を決められると思っていました。
ところがいざ彩色サンプルを作る段階(成型の発注前です)になると悩み所は意外な形で出てきました。
まず最初は濃いめのグレー成型色とし、濃淡の違うグレーなどで強弱を付けてスプレーしてみて作る訳ですが、その濃淡の度合いや強弱がどの程度にしたら良いのかなかなか決められません。映像でのイメージカラーとしてテーマを決めているにも関わらず、モノクロのこの作品に出てくるゴジラの色はシーンによって大きくコントラストだったり、黒の濃淡の印象が違うのです。
ゴジラの色だけに集中してみてもそれらはシーンによって、ライティングや炎やライトの反射が変えられ、演出として見せ方がしっかり考えられているのがわかるからです。あらためてこの映画の素晴らしさが長年経っても感じられる部分でした。
旧DVDだけではなく,「デジタルリマスター版」を見ていなかったらまた違った印象だったのかもしれません。
デフォルメですからリアルにこだわる必要はないのですが,初ゴジとしての立体的フォルムを崩さないよう,そして映像での印象を持たせるべく、結局5種類の濃淡のグレーを作っていくつか試してスプレーしました。
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