3 成型色にあえて青を入れる
最初に作った彩色サンプル。
思っていたように塗装したはずなのですが、でき上がったものを見て実は全然納得ができませんでした。
いつもの商品に比べて「触って遊びたい」という印象が実に薄いのです。確かにGメモリーズらしく「カッコかわいく」初ゴジのモノクロらしい色に仕上げたつもりですし,手前味噌ですがカッコ良く見えます。
でも物足りないのです。
飾るのは良いけど触りまくりたいという気持ちが薄いのです。
これが意外な盲点でした。
触れるソフビとしては存在感が薄いということです。
劇中映像のようなモノクロオンリーの配色になると、飾る上では充分だと考えますが,Gメモリーズのコンセプトは「飾るだけではなく触って遊べる」ものとして考えていますので,それでは役目を果たせません。
かといって塗装色に黒系,グレー系,白系以外の色を使用してはモノクロでなくなってしまいます。
久しぶりに配色で悩みました。
そこで基本的な限定された色の枠を取り払い,思い切って地色(成型色)に少し他の色を混ぜてみてその上にグレー系の塗装をしてみることにしました。
すると意外なことに存在感がぐっと増します。プラスアルファの色を抑えつつの複数のグレー系のスブレーをする事で、前よりずっと「カッコかわいく」なりますし,触りたくなるのです。
不思議な発見でした。
いくつか調合を調整してみて、地色に若干の青を入れることで一番イメージするモノクロの初ゴジになると判断し,濃いめのグレーに少しだけ青が入った成型に決めたのでした。
厳密に言えば、完全な白系、黒系だけの配色ではなくなるのですが、それよりもやはり手に取った皆さんが触りまくりたくなるような物であってほしいという思いの方を優先してこのような配色となった訳です。
ある意味今回の一番こだわった部分でもあるし,冒険でもあります。
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