最近地元の書店には面白い本が少なく、大抵は新聞の書評やネット通販のサイトに掲載されている書評を見て本を買う事が多くなった。今回読んだ本も新聞の書評を見てネット通販で購入した本だ。
太陽の戦士 岩波少年文庫570
ローズマリ・サトクリフ作
岩波書店 ISBN4-00-114570-7
¥760税別
物語の舞台は紀元前900年の青銅器時代のイギリス(厳密にはブリテン島)、征服者の部族の少年ドレムの物語である。少年ドレムは羊飼いの老人の話を聞いたりして過ごしていますが、いずれは祖父や父と同じように戦士になることを夢見ています。そして自分も必ずなれると信じていますが、実は自分は他の同世代の少年たちと違い片腕が生まれつき不自由で祖父曰く「片腕では槍使いになれない」と言う母との会話を偶然聞いてしまうのです。
この事から、自分が戦士になれないのではと言う不安にさいなまれます。しかし森の中で出会う、戦争で片腕を失った狩人のタロアに「片手でも戦士を目指せと」諭されて、一生懸命努力します。ドレムは数々の試練を乗り越えて、最後のオオカミ殺しに挑みますが失敗してしまいます。
失敗イコール死または追放という厳しい掟の前に、ドレムは自らの進む道を羊飼いとし、羊飼いたちと暮らし始めます。やがてかつての仲間達が一人前の戦士として働き始めるなか、ドレムは羊飼いたちとも違うという疎外感を味わうのです。
やがて月日は過ぎ、何時もより春の訪れが遅い雪降る日に羊飼いの老人と羊が行方不明になります。ドレムは一人雪降る中を捜しに行き見つけ出しますが、一人では助け出せません。そこで、忠実な愛犬に応援を呼んで来るように命令をし、老人と羊をオオカミから守るのです。しかし、応援が来る前にオオカミ達の攻撃を受けます。ドレムは力の限りをつくし戦い、そうしてオオカミを倒すのです。丁度その時、応援が駆けつけます。
結果はハッピーエンド! ドレムは失敗したオオカミ殺しの時のオオカミを結局倒すことができて目出度く戦士になることができるのです。
簡潔にストーリーをまとめ、肝心な事を端折っているので、この物語の面白い核心には触れていません。対象年齢は中学生以上の本ですから大人が読んでも良いはずです。興味がある方は読んでみてください。