横須賀市の鷹取山は、何時でも行けそうでいて未だそのチャンスに恵まれないでいたのです。知人に登った人は数多く、皆気軽に登られたように聞いていたので、ようやくその日が来たかと喜んだのですが、年を重ねすぎて厳しいものがありました。でもでもやっぱり嬉しい!
神武寺【天台宗】
天台宗の古刹。鎌倉宝戒寺の末寺。神亀元年(724)聖武天皇の勅願により、行基の創 建とされる。1183年ころ、源頼朝が平氏討伐を祈って坊舎を造営し、文覚を住持とする。客殿には、鎌倉後期作と言われる阿弥陀三尊が祀られている。不動明王立像及び十一面千手観音菩薩像は、鎌倉国宝館に寄託中。
弥勒櫓 一番奥の「みろくやぐら」で鎌倉鶴ヶ岡八幡宮の雅楽所の首長だった中原光氏の墳墓窟。石造りの正応3年銘の弥勒菩薩坐像が安置されている。埋蔵者の明らかな「やぐら」は珍しく鎌倉八幡宮国宝館にある「はだか弁天]の右足裏に光氏の名が刻まれている。
薬師堂(本堂) 行基が創立したと言われる本堂(薬師堂)。本尊は薬師如来坐像で、日光・月光菩薩が脇侍として祀られている。毎年12月13日に「お祓い法会」があり、この時お祓いが出来る。
私達はこの日にお参りしたので、上図の僥倖に出会うことが出来ました。はじめの写真に 本堂で大屋根の中央に大きな飾り瓦が建造されていて、何度見てもこれ程のものは見たことがないと思うほどの巨大さで釘付けになってしまいます。そして 神武寺のさらなる山に登ります。朱塗りの茅葺の四脚門が現れ、 その奥に薬師堂の威厳のある姿がありました。
ここからがいよいよ建物の無い山に向かうのでした。山の頂上にいきなり立っている感覚です。文物はいきなり眼下なのです。私は10年ぐらい山歩きをしましたが、久々の山は嬉しさと共に怖さもありました。滑りそうな岩肌をステッキ一つ持たず歩くのですから・・・
この状態が1時間位続いたでしょうか。違う違うと何度心で叫んだでしょうか!
しかし楽しいところに差しかかりました。垂直の岩肌にしがみついて登っている若者たちがいたのです。それは左側の斜面で隠れていますが、10名位で競い合っていました。その麓を迂回して反対側へ廻ることで、右側の展望台に登ることが出来るのです。そこからは東京湾が広がっていてベンチでお弁当も頂けたのでした。
そして山道も次第に歩きやすくなり、階段を下るようにさえなっていたのです。
磨崖仏は、逗子市在住の実業家川口満氏の熱意に、横須賀市佐原在住の彫刻家藤島茂氏が協力し、昭和37年ころに制作した「弥勒菩薩」(4m✖8m) 巨大な彫像に圧倒されました。
この後も暫く山の頂上部を歩いていると、水道設置がコンクりーとで覆われて延々と伸びていることに気付きました。高低を利用してしかもその上を歩きやすくしていることに感銘し、横須賀をもっと知りたくなっているところで~す。