ずいぶん更新をさぼってしまいました・・・
また、がんばって更新します!
今日は斎藤先生が提供してくれた勉強会の内容からです。皮膚科をローテートしていた時期もあり、皮膚真菌症についてまとめてくれました。
<皮膚真菌症について>
〇診断について
薄皮がはがれるような発疹
特徴は遠心性に広がる小嚢疱、細かな鱗屑
KOH染色で診断(×10で検鏡するとよい)
簡便なセロファンテープ法もある
・足白癬以外には適応可
・病変部位にセロファンテープを貼付け、角質を採取する
・テープの隙間から1/2滴のKOH液を滴下
※試してみましたがまあまあ見えました
〇治療について
代表的な外用抗真菌薬:
<アリルアミン系>
・ラミシール®(テルビナフィン)
<イミダゾール系>
・ルリコン®(ルリコナゾール)
・ニゾラール®(ケトコナゾール)
■優劣を示唆する臨床データなし
■接触性皮膚炎が多い(ラミシール®>ルリコン®)
※液剤>クリーム>軟膏の順で接触性皮膚炎の発症が多い
※ルリコン軟膏®が最も刺激が少ない
■カンジダの第一選択薬はイミダゾール系
■臨床的にはルリコン®の効果が高いと考えられている
治療期間:
足白癬・手白癬 3〜6ヶ月
爪白癬 6ヶ月〜1年
足白癬の外用指導
片方の趾間のみに所見があっても両足全体に塗布
目安:ラミシールクリーム®10日で1本(日頃実際に処方されている量はやや少なめ?)
爪白癬の3徴候:肥厚・白濁・粗造化(が一番重要!)…物理的刺激での肥厚も多いため
爪白癬は抗真菌薬内服で6−8割が治癒
しかし実際に内服治療が選択されることは少ない
これまでの抗真菌薬外用で爪白癬を治せる確率は1本の指に対して約10%→ほぼ治らない!
クレナフィン®(エフィコナゾール)
・日本初の外用爪白癬治療薬
・処方にはKOH染色必須 1回2本まで処方可能
・ただし、1本5900円(1年で7~14万程度)
Q:接触性皮膚炎?カンジダ性間擦疹?で迷ったら・・
KOH染色が困難な条件下での診断的治療
まずはステロイドvsまずは抗真菌薬
→expert opinion としてはまずはステロイドが推奨 それでも効果ない時は抗真菌薬を考慮
(「抗真菌薬は接触性皮膚炎が多いので内科の先生方はステロイドを優先したほうが失敗が少ない」とのこと)
皮膚真菌症は、高齢者医療において本当によく遭遇しますが、知識としてまとまっていない部分もあったので勉強になりました。
セロファンテープ法!面倒くさがりな自分には向いてるかもしれないなと思いました。