三河島の路地裏に、ゴマ香る絶品「担々つけ麺」あり
JR常磐線・三河島駅そばの「桃天花」へ。この駅は1962年、戦後の国鉄5大事故の一つに数えられ、死者160人を出した三河島列車衝突事故が発生したことで知られている。また、戦前からコリアンタウンが存在し、本格的な観光料理が食べられるなど面白い場所なのだが、私のような余所者には用事の少ない町である。
2000年に創業した「桃天花」は、元々は中華料理店だったが、客足が遠のく中、2007年に担々麺の専門店として再出発。その戦略が当たり、一番人気の「担々つけ麺」は、その元祖として全国的に知られるようになった。なお、店内外のPOP等の表記が「坦々麺」「担々麺」「タンタン麺」と定まらないのが、良い雰囲気を醸している。
その「担々つけ麺」は、麺量が180gの小盛(750円)から、460gの特盛(1000円)までの4段階。辛さも、控えめ→普通→辛口→激辛→極辛の5段階から、こちらはお値段そのままで選ぶことが出来る。あまり攻撃的な辛さではないので、激辛や極辛でも十分に完食できるレベルだと思う。むしろ、激辛マニアには物足りないくらいか。
真っ赤なつけ汁は鶏ガラ・ゲンコツベースで、自家製ゴマペーストとラー油、山椒のほか、豆鼓、八角、シナモンなどの香辛料をブレンドしている。八角の香りや煮豚の味付けに中華料理店らしさが残る。ゴマペーストの甘さは控え目で、ドロドロではないのでサラっと食べられるのが嬉しい。
一方の麺は、浅草開化楼の平打ち多加水麺。「担々つけ麺」に行きつくまでには開化楼スタッフの助言があったと聞くので、合わないはずがない。汁が薄くなってきたら、卓上の自家製ラー油を入れると良い。また、シメにライスを投入するのもオススメだ。個性の光る一杯、近くを通る際はぜひ一度。
<店舗データ>
【店名】 中国料理 桃天花
【住所】 東京都荒川区東日暮里3-37-11
【最寄】 JR常磐線「三河島駅」徒歩3分