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肥宝館 -貧すれば丼する-

【福島 喜多方】 喜一「Sio(塩)ラーメン(550円)」

福島県民ラーメン総選挙殿堂入りの名店

JR喜多方駅から東に歩いて13分ほど。喜多方警察署の裏手、県道210号=稲荷橋通りから路地を少し入った場所にある「喜一」へ。土日は休み。営業日も12時頃には完売状態という市内100余軒の中でも最難関の店である。福島県民ラーメン総選挙2018、2019と2年連続1位となり殿堂入りした「Sioラーメン」を啜りに連日大行列。

ご主人・吉田満氏は30代から会津若松で洋食店を営むも、独学でラーメンを学び54歳で「喜一」を創業。屋号は、ご主人・吉田満氏の曽祖父である喜一郎氏が由来という。喜一郎氏は明治中期、医者を目指して会津若松の「会陽病院」に書生として住み込んでいた。その時、同室にいたのが猪苗代出身の野口英世だそうだ。

寝る間も惜しみ勉学に勤しんだ喜一郎氏は、留学を経て軍医に。最後は故郷・喜多方で医院を開業。こうと決めたら一心に努力を惜しまなかった喜一郎氏にあやかって「喜一」としたそうだ。現在は、東日本大震災で津波災害を受けた「道の駅よつくら港」に支店を、また山形県高畠町に姉妹店「高畑Sio-YA 山喜」を展開している。

なお、2013年10月に喜多方市大谷地田392から現在の場所にプチ移転。日本料理屋のような佇まいで、客席の窓が大きく開放感があるのが印象的である。店内はコロナで減席中なので、カウンター7席、6人がけボックス3つの計25席。ちなみに客席の椅子は会津桐タンス株式会社の職人さんが作ったものだそうだ。

10時20分の到着で先客は25人ほど。席に座ったのは11時。麺メニューは人気の「Sioラーメン」を始め、熟成しょうゆラーメン、熟成味噌ラーメン、煮干し味「昭和の香り」、日本海の藻塩を使った「汐の香り」などをラインナップ。それぞれ大盛、特盛を用意している。今回は「Sioラーメン」を並盛(税込550円)で注文した。

透き通ったスープは鶏ガラをベースに煮干や昆布などの出汁を加えたもの。塩の加減が絶妙で、出汁の旨味を存分に楽しめる飲み口である。そこに朝日屋食品製の平打ち中太麺を合わせている。ニュルっとした食感でコシがあり、スープとの絡みも抜群。なお、醤油と味噌は曽我製麺製と、スープで製麺所を使い分けるコダワリよう。

チャーシューはトロリとした脂身が旨いバラ肉が4枚。塩味より出汁の旨味が効いており絶品である。ほか、アクセントに辛みを残したネギが乗る。このクオリティで一杯550円とは恐ろしい。野口英世でお支払い。店を出た11時20分には「本日の受付終了」の看板が。公式には午後2時までの営業だが、早じまいは当たり前。ご注意下され。

<店舗データ>

【店名】 喜一(きいち)
【住所】 福島県喜多方市関柴町上高額境田635-7
【最寄】 JR磐越西線「喜多方駅」徒歩13分

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