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肥宝館 -貧すれば丼する-

【福島 福島市】 伊達屋「塩雲呑麺(1230円)+煮玉子(120円)」

塩ラーメンの頂点といえる一杯

福島駅と奥州三名湯のひとつ飯坂温泉を結ぶ福島交通飯坂線。「いい電」の愛称で親しまれる全長9.2キロの鉄道は、今年4月に開業100年を迎えたそうだ。今回のお目当てである福島屈指の行列店「伊達屋」は、福島駅から5駅目の上松川駅を降りて徒歩2分の場所にある。無人駅とレトロな車体、車窓に広がる信達の地が旅情を誘う。

県道3号=萬世大路沿いに2001年4月に創業した「伊達屋」の営業は午前11時に始まる。しかしこの時間にはすでに待ち客多数。軒先にあるウェイティングボードに記帳をして待つルールで、私は今回、休日であることを考慮し9時に出向いたが既に24組が名前を書きこんでいた。さっそく記名し、開店まで時間を潰して待つ。

ちなみに女将さんに名前を呼ばれた際に居なかった場合、30分間は待ってくれるが、それでも来ない場合は無効となるので注意が必要だ。駐車場は店の左側に5台分、さらに店北側の交差点を西に折れた先に9台分あるが、すぐに埋まってしまうのでアプローチにも工夫が必要である。お店を守るためにも路上駐車はされぬように。

店内にはカウンターに9席と4人がけテーブルが2卓で17席あるのだが、ご夫婦で切り盛りしているため提供スピードに限りがあり、客席もフルでは埋めていないようで、のんびりとした進み具合だ。結局、午後1時10分に入店することが出来た。一応「午後2時半まで営業」とはあるが、スープ切れで終了なので11時来店では遅すぎる模様。

さて麺メニューだが、醤油清湯の「中華そば」を筆頭に「塩ラーメン」「赤みそラーメン」「白みそラーメン」の4種をラインナップ。それぞれチャーシュウ、雲吞、煮玉子、メンマ、海苔、バターを追加トッピングすることが出来る。飯モノには半ライス、ライス、ネギチャーシュウ丼が。また替え玉も用意されている。

今回は人気の「塩雲呑麺(1230円)」に「煮玉子(120円)」をトッピングし注文した。常連には塩チャーシュウメンも人気だそうで、塩雲吞麺にチャーシュウを追加する猛者もいるそうだ。待つこと8分ほどで着丼。艶めかしい雲吞と大判チャーシュウが食欲をそそる。スープは伊達地鶏をベースに豚骨、野菜、昆布、鰹節を炊いた塩清湯。

鶏の旨味と甘みをしっかりと引き出し、滋味深く実に良い味だ。塩ダレも角がなく優しい舌ざわりのスープである。ご主人は栃木県野木町の人気店「中華そば 阿波家」で修業されたそうで「伊達屋」はその暖簾分けにあたる。阿波家は地鶏を使った清湯ラーメンに定評があるので、そのDNAをしっかりと受け継いでいると言えよう。

そこに卵を練り込んだ自家製の中細麺が泳ぐ。モチモチでしなやか。スープとの相性は抜群だ。箸もレンゲも止まらない。チャーシュウはホロホロに煮込まれた国産豚の肩ロース肉が1枚。肉の旨味を存分に楽しめる。雲吞は厚みある皮に肉餡とブリンとしたエビが包まれており、食感、味、食べ応えとパーフェクトな仕上がりだ。

味玉も甘みある黄身がホックリとしており美味である。ほか海苔、メンマ、分葱がトッピングされている。卓上には黒胡椒と七味があるが、使うことなく最後まで美味しく頂いた。 うっとりする一杯、これぞ塩ラーメンの頂点だ。朝9時に訪問し食べ終わったのが午後1時半。4時間半待ったが、その甲斐ある旨い一杯との出会いになった。

<店舗データ>

【店名】 伊達屋
【住所】 福島県福島市南沢又字下番匠田22
【最寄】 福島交通飯坂線「上松川駅」徒歩2分

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