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【高知 介良】 豚太郎 介良店「みそカツラーメン(990円)」

ソウルフード・みそカツラーメンの発祥「豚太郎」

高知発祥のラーメンチェーン「豚太郎」。味噌ラーメンに豚カツを乗せた看板メニュー「みそカツラーメン」は、日本テレビ系「秘密のケンミンSHOW 極」でも取り上げられるなど、広く高知のご当地麺として認知されている。現在、高知県下に27店を構えるほか、四国全土の幹線道路から山間部にまで出店する四国の救世主だ。

創業者の大本孝行・大本明子夫妻が食堂を始めたのが1964年(昭和39年)。経営は順調ながら、更なる飛躍のため「ラーメン」の提供を思いつく。そこで孝行氏は妻の故郷・鹿児島で修業。1967年(昭和42年)に高知市菜園場町に「豚太郎本店」をオープンした。高知ではまだ当時珍しかった味噌ラーメンを提供したことで一気に繁盛店に。

そして、食堂時代の人気メニューだった「ひと口カツ」をラーメンに入れたら旨いのではないかと試したのが「みそカツラーメン」の始まりと言われている。人気店ながら当初はチェーン展開する気はなかったそうだが、1970年(昭和45年)に社長が本店以外の8つの支店をそれぞれの店長に譲り渡したのをきっかけにチェーン化の道へ。

やがて暖簾分けの形で徳島、香川、愛媛にも出店。今は各県それぞれが別の資本、経営、材料で運営されている。そのため高知「豚太郎」のHPには他県の店舗情報は掲載されていない。またチェーンで統一されているのは味噌、醤油、塩の各種ラーメンと餃子の素材・価格のみ。トッピングやセットメニューの構成は各店に委ねられている。

そのユルい縛りゆえ、豚カツも一枚揚げの店から、ひと口サイズを数枚乗せる店など様々。各店で微妙に違いがあり面白いのである。数多の店舗がある中で、今回訪れたのは国道32号線沿いにある唯一の本部直営店「豚太郎 介良店」だ。菜園場の創業1号店はすでに閉店しているため、介良店が実質の本店という感じだろう。

公共交通機関を使うなら、とさでん伊野線「田辺島通停留所」から徒歩6分ほど。とさでんバスの「本江田橋通バス停」だとすぐ目の前だ。工場を併設しているのか、店舗は大きな建物の一角に入居。キャラクター「とんちゃん」の大きな看板と「元祖 みそカツラーメン」の幟がお出迎え。店内はカウンターとボックスで40席ほど。

麺メニューは味噌、醤油、塩の3種のラーメンに加え、カレー、豚骨、タンタン麺なども提供。それぞれカツ、チャーシュー、からあげ、玉子、ニンニク、京ネギ、キムチ、バター、コーン、ピリ辛、豚担ミンチなどを追加トッピング可能だ。家族連れ用に「お子様ラーメン」や、夏場は「冷めん」も揃えている。

さらに単品メニューも充実。餃子、揚げ餃子、野菜炒め、ニラ豚、からあげ、酢どり、一口カツ、焼きそばは単品でも良し。ごはんや味噌汁、小付、漬物の付いた定食にもアップグレード出来る。うむ、盤石。隙がない。今回は、やはりコレはハズせないだろう、元祖「みそカツラーメン(990円)」を注文することに。

介良店では大き目の一口カツが3枚。サクサクの衣を纏ったロース肉はジューシーで、味噌スープにどっぷり浸しても良し、そのまま揚げたてを楽しむも良しである。そしてスープは豚骨と香味野菜などを炊いたライトな白湯に、赤味噌メインのタレを合わせたもの。味噌の甘さが控えめなのでスッキリした飲み口に仕上がっている。

だからこそ揚げ物とのバランスが絶妙なのだ。そしてガツンと効いたニンニクがまた良い仕事をしてくれる。トッピングの下には柔らか目に茹で上げられた中細麺。ほかバラロールチャーシューが2枚、モヤシ、ワカメ、メンマ、固茹での味玉が半玉、刻みネギが乗る。中毒性の高いトレビアンな一杯、美味しく完食した。絶対また来る。

<店舗データ>

【店名】 豚太郎 介良店
【住所】 高知県高知市介良乙1060-6
【最寄】 とさでん交通後免線「田辺島通停留所」徒歩6分

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