事故を乗り越え復活。立石の名店「倖佳」
呑んべの聖地・京成立石駅の北口から歩いて4分ほど。静かな住宅街に佇む「めん処 倖佳(こうか)」へ。ご主人は都内屈指の豚骨の有名店「田中商店」と、姉妹店の「田中そば」での修業を経て2017年6月に創業。鶏と煮干しの清湯に細縮れ麺。山形・米沢のラーメンをイメージして作られた一杯を啜れる地域密着の人気店である。
大変人気のある店だが、2019年1月に車が店に突っ込む事故があり、しばらく営業を休止していた。数ヶ月の時を経て復活を遂げたとの情報を得て訪問することに。こじんまりとした店内は、カウンターとテーブルが混在。ご主人には「地域の子、子連れ客、車椅子の方などを大切にしたい」との思いがあり、実際に子連れ客も多い。
レギュラーメニューは「らぁめん」と、濃厚鶏白湯の「つけめん」の2種で、らぁめんは醤油と塩、細麺と平打ち麺から選ぶことが出来る。また偶然にも、この日は不定期限定の「煮干しの日」。らぁめん、つけめん共に、大量の煮干しを使った一杯を提供している。せっかくなので「濃厚煮干しらぁめん」に煮たまご(100円)を乗せオーダー。
粉とオイルの浮かんだ薄濁りのスープを口に含めば、強烈な煮干フレバーに包まれる。煮干しは1つずつ丁寧にワタを取り除いているので嫌な苦味やエグミは皆無だ。旨味は凝縮されているが、飲み口はライトで旨い。また細く縮れた麺がスープと良く合うこと。これだけ手間がかかっているのだ、不定期限定も頷ける。
そしてトッピングも秀逸。味玉も肩ロースのチャーシューも旨いが、特筆すべきは幅広のある「しなちく」だ。厚みも歯ごたえもあるが、ちゃんと噛み切れる絶妙な加減。ほのかに甘さを感じる味付けも良い。あっという間にスープまで飲み干してしまった。次回はレギュラーメニューの「らぁめん」を啜りに来るとしよう。
<店舗データ>
【店名】 めん処 倖佳(こうか)
【住所】 東京都葛飾区立石4-30-14
【最寄】 京成押上線「京成立石駅」徒歩4分