お花茶屋、フィジカルでプリミティブな豚骨
京成本線・お花茶屋駅の北口から徒歩2分。深夜まで営業している「博多魂ラーメン お花茶屋店」へ。最初に申し上げておくと「絶品なので是非行ってみて!」枠ではない。外から店内が窺えず入るのに勇気がいる、どこか怪しげなオーラを纏った気になる存在。そうフィジカルでプリミティブで、どこかフェティッシュな店なのだ。
失礼ながらあまり衛生的とは言えない店内は6人がけテーブル3卓と4人がけ3卓の計30席。飲み屋使いするグループ客の姿もチラホラ。全体に中華系独特の香辛料の香りと、喫煙可能店なのでタバコの臭いが漂い、独特の空気感を演出している。嫌煙家には厳しい環境だろうな。そして空調が弱いのか各所にサーキュレーターを設置している。
麺メニューは看板の「博多ラーメン」に加え、「とんこつ正油」「とんこつ味噌」の2種のラーメン・つけ麺も提供。それぞれチャーシュー、玉子、もやし、メンマ、わかめ、のり、ネギを追加トッピングでき、替え玉も可能だ。そして飯モノだが、驚くことに各種ラーメンにプラス180円でフルサイズの「チャーハン」を付けられるのだ。
なおチャーハンはレタス入り、キムチ入りも用意している。さらに特製餃子、から揚げ、肉野菜炒め、ニラ玉炒め、枝豆、冷奴、明太子、キムチといったツマミ類もあり、ビールやハイボール、サワーなどを引っかけることも可能だ。今回は「ネギチャーシューメン(1000円)」をチャーハンセット(180円)でオーダーすることに。
なお麺の硬さを粉落とし、ハリガネ、バリカタ、硬め、普通、柔らかめから選べるが、今回は「普通」でお願いした。待つこと10分弱で麺とチャーハンが同時に到着した。獣臭残る白濁スープは、壁の説明書きによると豚の頭と大量のゲンコツを丸一日かけて炊いているそう。シャバっとした飲み口で、業務用かと思ってしまうほどにクセがない。
そこに素麺の様にしなやかな食感の細ストレート麺が泳ぐ。どこの製麺所のものかわからなかったが、店頭にはマルミ食品、豊華食品、菅野製麺所と3社の麺箱が。そしてチャーシューは1センチほど厚みのあるバラ肉が5枚乗る。噛み応えがあり、脂もさほど強すぎず。土地柄、学生など若い客も多いようだが、これは嬉しいボリュームだろう。
もはや主役は煮豚という印象。ほか胡麻油の効いた白髪ネギ、刻みネギ、海苔、白胡麻がトッピングされる。卓上にはニンニク、高菜、紅生姜、胡椒、ラーメンタレ、ゴマがあるのでお好みで。一方のチャーハンは、チャーシュー、ネギ、玉子を具材にしっとり仕上げてある。こちらもボリューム満点だ。量重視という時には悪くない店である。
<店舗データ>
【店名】 博多魂ラーメン お花茶屋店
【住所】 東京都葛飾区お花茶屋1-23-12
【最寄】 京成本線「お花茶屋駅」北口徒歩2分