あの小宮氏が手掛けるガード下の話題店
JR西日暮里駅の2番出口横に2019年8月にオープンした「伊蔵八(いぞばち)本店」へ。店主は「つけめんTETSU」の創業者として知られる、あの小宮一哲氏である。小宮氏は2005年、西日暮里駅の徒歩圏内である文京区千駄木に「つけめんTETSU」を創業。焼き石でスープを再加熱する仕掛けなどで、つけ麺ブームを牽引した。
店舗拡大と複数ブランドの展開により、わずか8年で年商20億円にまで成長させるも、2014年に運営会社「株式会社YUNARI」の全株式を別の外食企業に15億円で売却。その後、TETSU出身者が共同で立ち上げた「あの小宮」にプロデューサーとして関与はするものの、自身が厨房で麺上げを行うのは久々という。話題性は十分だ。
店内はL字カウンターの9席のみ。麺メニューは、椎茸の旨味を際立たせた醤油清湯の「中華そば」を中心に、鶏の濁りそば、つけそば、ごまの辛い中華そばを提供。また、ご飯モノは「ネギライス」と「特製醤油の卵かけごはん」を用意している。今回は「鶏の濁りそば」に味玉(100円)を追加し、更にネギライス(250円)も注文した。
茶濁したスープは、強火で炊いた鶏白湯に、椎茸と昆布の和風出汁を合わせたもの。鶏白湯がベースではあるが、和風出汁の割合が高いからか、粘度の低いスッキリした飲み口に仕上がっている。椎茸の香りと旨味、醤油のカエシの甘み、香味油のコクが重なり、他にはない独特の味わいを生み出している。
麺はカネジン食品製の中細ストレート。加水率は低めでパツパツとした歯触りの麺はスープとの相性も抜群だ。トッピングされた柔らかな鶏モモ肉、トロリとした味玉、香りのよい九条ネギ、いずれも良い味。卓上には激辛ニラと、胡麻油風味でプルプルの食感の「味付キクラゲ」があるので、適量を加えつつスープまで完食した。
一方の「ネギライス」は、九条ネギと解した豚チャーシューが乗った逸品。甘目のバター醤油と胡椒が絡めてあり、もう箸が止まらない。次回は旗艦メニューの「中華そば」や「つけそば」も啜ってみたいところだ。なお、本店よりも一足早く、6月には祐天寺にも支店がオープンしているので、お近くの方は是非お試しあれ。
<店舗データ>
【店名】 中華そば つけそば 伊蔵八(いぞばち)本店
【住所】 東京都荒川区西日暮里5-21-2
【最寄】 JR山手線「西日暮里駅」2番出口横