クラムチャウダー日本一のラーメンBAR
京成船橋駅の西口から南へ歩いて4分ほど。本町通り沿いで深夜まで営業する「ラーメンBAR 963(くろさん)」へ。代表の黒川裕士氏は、こちらのお店は2009年7月にオープンしたが、他にも船橋でアジアンバル「MAE963」やパクチー専門店「URA963」(既に閉店)を、また式根島で「島cafe963」を展開するなど、やり手の実業家だ。
お店はラーメンBARではあるが、船橋の町おこしイベント「日本クラムチャウダー選手権」の第1回・第2回を連覇。更に2020年には本場アメリカでの大会にも出場し、革新的な味を競う「カッティング・エッジ」部門で優勝したという異色の経歴を持っている。さすがホンビノス貝の水揚げ日本一の船橋だ。店先にも堂々と「優勝」の文字が。
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話は逸れるが、ホンビノス貝は元々、北アメリカの大西洋岸が原産地。東京湾では90年代後半から2000年代にかけて相次いで見つかった外来種だ。今のところ在来種への悪影響は無いそうで、船橋ではすっかり名産品として定着している。さて、店内はカウンターとテーブル席が混在。1階と2階を合わせて50席弱といったところ。
麺メニューは貝出汁の効いた「ラーメン963」を主軸に、味噌、辛味噌、塩バター、タンメンといったオーソドックスなラーメンに加え、船橋のご当地麺「ソースラーメン」、ソースとマヨネーズで啜る「元祖たまそば」、さらに限定の「冷やしかけホンビノスラーメン」などの個性的な一杯までラインナップしている。
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一方、餃子やポテトフライ、鶏唐揚げ、豚生姜焼き、手羽先、納豆オムレツなどのツマミメニューも充実。卵かけご飯や炒飯、焼飯といった飯モノも提供している。お酒を呑んでからシメに麺という方も多いようで、ラーメンは全品「半麺」も注文可能とのこと。今回は「特得963ラーメン全部乗せ(980円)」をオーダーすることに。
待つこと7分ほどで着丼。薄濁りのスープは、ホンビノス貝が主軸だろうか。貝出汁の旨味が前面に押し出され、後引く味わいだ。表面にラードを中心とした独特の風味の香味油を浮かべ、ジャンクさを演出する。そこに合わせるのは、しなやかな中細麺。少しパスタのような食感でスープをよく拾う。貝出汁は冷めても旨いのが嬉しい。
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チャーシューは厚めにカットされた豚バラ肉が3枚。箸で崩れる柔らかさで旨い。味玉も黄身がトロトロで良い味付け。ほかメンマ、刻みネギ、海苔、レモンスライスが乗る。丼相こそ普通だが、啜ると個性的な一杯。あっという間に完食。なお今回はクラムチャウダーは頂かなかったが、冷凍パウチを1個540円でテイクアウト。楽しみだ。
<店舗データ>
【店名】 ラーメンBAR 963(くろさん)
【住所】 千葉県船橋市本町2-27-20
【最寄】 京成本線「京成船橋駅」西口徒歩4分