アクセス悪いが味は良し。足立区奥地の新店
東京メトロ千代田線の終点・北綾瀬駅を出て、メトロの車両基地沿いを北へ歩いて20分ほど。食品や雑貨を破格で販売する通称「えびす屋」ことABS卸売りセンターの本社そばに2022年4月21日にオープンした「Made in Tokyo らーめん松」へ。この辺りは10分も歩けば埼玉との県境という住宅街で、交通の便は決して良くはない。
北綾瀬駅から歩くのが面倒な方は、綾瀬駅と六ツ木都住を結ぶコミュニティバス「はるかぜ2号(朝日バス)」でのアプローチが楽だろう。綾瀬駅西口を出て、駅東口、北綾瀬駅前を通過し「神明障害福祉施設前」停留所で下車。そこから歩いて1分はかからないだろう。ご主人の松本光政氏は浅草「きび太郎」で店主を務めた経験をお持ちである。
POPには「トーキョーメイドをコンセプトに東京の業者様と作り上げる準東京ラーメン」とある。店内はL字カウンター9席のみ。麺メニューは鰹豚骨醤油の「らーめん鰹」を筆頭に、あっさり系の「らーめん醤油」、ごま油香る「らーめん塩」、米酢とごまラー油の「らーめん酸辣」、そして「つけめん鰹」をラインナップ。
今回は、券売機最上段の「らーめん鰹」を味玉入り(950円)でオーダー。茶濁したスープは鰹>豚骨で合わせ、キッコーゴ醤油を使ったカエシを重ねたもの。味も香りも鰹が前面に出ており、豚骨は旨味を下支えする程度。脂は強すぎず、やや酸味があってライトな飲み口だが、焦がしネギが適度なコクを与えており絶妙なバランスに。
合わせる麺は、三河屋製麺の中太平打ち麺。モッチリとコシがあり、スープとの相性も良く旨い。チャーシューは肉厚で噛み応えあるバラ肉の煮豚が2枚。肉の旨味を存分に楽しめる逸品だ。黄身がトロリとした味玉も良いお味。先述の焦がしネギは千住葱を使用。ほか、シャキシャキの小松菜、歯ごたえある細メンマがトッピングされる。
卓上には生姜酢、黒胡椒、七味が置かれているが、意外と鰹に生姜酢は合うのでお好みでどうぞ。完食した後も嫌な重さが無いのも嬉しい所だ。キッコーゴ醤油をはじめ、豊島屋酒造の天上味醂、ヨコ井の酢、小野田製油所のゴマ油など東京のメーカーの調味料を使った地産地消の新店舗。アクセスは悪いが味は良し。今後が楽しみである。
<店舗データ>
【店名】 Made in Tokyo らーめん 松
【住所】 東京都足立区神明南2-7-28
【最寄】 東京メトロ千代田線「北綾瀬駅」徒歩20分