信州ラーメン四天王② 長野「ゆいが 総本店」
長野のラーメンシーンを盛り上げるべく2011年4月に発足した「信州麺友会」。加盟店は現在90を超え、精力的にイベントやコラボを実施中だ。そして加盟店の中で特に勢いのある松本市「らあめん寸八」、上田市「おおぼし」、佐久市「麺匠 文蔵」、長野市「ゆいが」の4店主は「信州ラーメン四天王」と称されている。
その中で今回訪れたのは長野市内、信玄と謙信の戦いで知られる川中島にある「ゆいが 総本店」だ。店舗は JR信越本線・今井駅から北東方面に歩いて20分ほど。県道77号=長野上田線沿いに建つ。創業は2006年3月。代表の田中崇志氏はバンド活動をしていた10代の頃、東京・荻窪の「春木屋」で啜った中華そばに感動し麺の道へ。
現在は県内を中心に認定独立店、プロデュース店多数。また、都内にも曳舟に「すずめ食堂」を展開中だ。店内はカウンター5席と4人がけテーブル4卓の計21席。行列時はまず最後尾に並び、スタッフの指示があってから食券を買うという流れでOKである。暑い日は行列客に麦茶をふるまうなど、ホスピタリティも万全だ。
麺メニューは節系濃厚スープの「らーめん」「つけそば」「焦がしそば」の3種をラインナップ。また、日替わりの限定麺もあり、この日は多加水手揉み麺で啜る「淡麗海老塩そば」とのこと。また白飯に加え、肉三種盛りの「豚めし」、ギョーザ、とろっプリンといったサイドメニューも用意。お土産セットも販売している。
評判の良い「らーめん」と迷ったが、今回は券売機最上段に記載のある「つけそば(1050円)」を注文した。着丼までは待つこと7分ほど。つけ汁には魚粉のみで、トッピングは全て別皿での提供だ。つけ汁は豚骨、鯖節、煮干しなど30種類以上の素材から、季節や気温ごとに吟味し炊き上げたという無化調の豚骨魚介スープ。
節の香ばしさと仄かな酸味が先行し、豚骨の旨味が後を追いかけてくる。変に甘すぎず、嫌な重さも無く、それでいて濃厚なつけ汁。合わせる麺は自社工場で製麺。厳選ブレンドしたオリジナル小麦粉「魂の味」を使っているそう。ツルっとした麺肌で、少し歯が食い込むモッチリとした食感だ。小麦の香りも良い。
チャーシューはタレが染みたバラ肉と、レアな仕上がりの肩ロース肉が1枚ずつ。ほか柔らかな極太メンマ、海苔、刻みネギが乗る。いずれも手抜きない出来だ。卓上には本枯れ節漬け込み酢、ドライ柚子チップ、深煎りガーリックチップがあるのでお好みで。このタイプではハイレベルな一杯。次回は「らーめん」を啜ってみたい。
<店舗データ>
【店名】 ゆいが 総本店
【住所】 長野県長野市川中島町御厨829-2
【最寄】 JR信越本線「今井駅」徒歩20分