虎ノ門ヒルズ地下で啜る勝本の「担々麺」
虎ノ門ヒルズのビジネスタワー地下1階にある「てんせんめん」へ。こちらは都内で複数の行列店を展開する「勝本」が手がけた担々麺の専門店だ。勝本といえば、同じビジネスタワーの3階にある虎ノ門横丁に「虎ノ門 勝本」をオープンしたが、それより2ヶ月早い4月10日に、地下飲食店街に「てんせんめん」を開業していたのだ。
ここビジネスタワーで飲食と言えば、話題の中心は名店26店舗が所狭しと軒を連ねる「虎ノ門横丁」だが、地下1階にもバルやカフェ、ベーカリー、カレー屋、パスタ専門店、デリカテッセンなど9店舗が出店。酒の呑める虎ノ門横丁に比べると、軽食や一人飯のニーズに対応している感じなので、特にランチ時は混雑しているようだ。
さて、屋号の「てんせんめん」だが、1919年にドイツで設立された造形学校・バウハウスの教壇にも立ったカンディンスキーの「点・線・面」に由来するそうだ。そのため、店内はアートのコンセプトをモチーフにしたインテリアが採用され、芸術作品が展示されているのである。スタイリッシュな店内はカウンター20席ほど。
麺メニューは「味噌担々麺」の一本で、現在は「清湯」のみが用意されているが、今後は「濃厚」も提供予定とのこと。麺大盛りはプラス150円。追加トッピングはパクチー増量(50円)のみとシンプルで、一応、白ご飯やビールの提供もある。今回は「味噌担々麺 清湯」をオーダーすることに。なおパクチーが苦手な方は「抜き」も可能だ。
到着したのは、担々麺とは思えぬ澄んだスープの一杯。スタッフから「まずはそのまま、スープをお楽しみください」と声かけが。その言葉に従い、静かにレンゲで掬う。スープは動物系に野菜などを合わせたコンソメで、辛味は少し溶け込んでいるものの、スッキリした味わいで驚く。姉妹店「銀座 八五」同様にカエシは不使用だそうだ。
その澄んだスープに肉味噌を溶かし、徐々に担々麺に仕上げていく。麺は浅草開化楼の細ストレート。しなやかで歯切れが良く、スープとの相性も良い。肉味噌は辛味控え目で旨味先行型。ほか、ラー油を絡めた香ばしい白髪ネギ、香りが強すぎない国産のパクチーが乗る。最後は穴あきレンゲで肉味噌を集めて美味しく完食した。
コチラの担々麺は辛味も痺れも一択で追加出来ないスタイルなので、強烈な辛味や痺れが欲しい方、また芝麻醬の効いた白湯コッテリ系が好みの方には物足りない味かも知れない。ただ、新しいスタイルの担々麺として一度啜っておく価値は十分にある。是非一度、澄んだスープの美しい一杯と対麺してみてほしい。
<店舗データ>
【店名】 てんせんめん
【住所】 東京都港区虎ノ門1-17-1
【最寄】 東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅徒歩3分
★2021年7月26日をもって閉店。残念…