江戸の味を再現?漢方香る支那そばは「まのけ」が肝
JR総武本線・旭駅から東総文化会館方面に歩いて20分。県道35号線沿いで11時から夜8時まで昼夜通しで営業する「支那ソバ へいきち」へ。かつて三重県内で行列店だった「へいきち」だが、2011年にご主人の故郷である旭市に凱旋。一時は、東京都日野市にも支店を持っていたが、現在はここ旭市の店舗のみ営業中だ。
ベースのラーメンは1種類で「支那そば」と表記されている。掲示によれば、こちらの「支那そば」は江戸時代末期に食されていた、現在のラーメンの原形ということだ。当時の味を再現するために、鶏ガラスープに八角、丁字、桂皮など数種の漢方素材を加えた上、中国の魚醤「魚露」でほのかな甘みを付けているという。
また、POPに「25年ぶりに復活」と書かれた「まのけ」というメニューが人気とのこと。これは所謂「ワンタンメン」で、なんでも、創業者の父が一口食べて「間の抜けた味」と評したことから、間抜けが転訛し「まのけ」になったそう。今回は、人気の「まのけ」の普通盛に、1日限定20食の「チャーメシ」を追加しオーダーした。
支那そばはスープに漢方素材を使っているため八角など独特の香りはするが、どれも香り付け程度で薬っぽさは無い。じんわり感じる鶏の旨味と穏やかなカエシで、非常に優しい味に仕上がっている。そして昔のスタイルを再現するために、わざわざ名古屋から取り寄せている極細麺も柔らかな茹で上がりで、スープとの相性も良い。
スープが優しい味なのに対し、ワンタンは香辛料の効いた野趣溢れる味付けで、皮を食めば一気に旨味が解き放たれ、丼の雰囲気を変えてくれる。決して間の抜けた味ではない。チャーシューも房総特有の醤油が効いたもので旨い。穂先メンマも柔らかく良い味だ。これはやはり「まのけ」をオーダーするのが正解だろう。
一方、ほぐし肉を炊き込んだ「チャーメシ(100円)」は、そのままでも甘目の味付けで旨いが、POPの薦め通り「残ったスープに入れて雑炊のように」掻き込む。添えられたザーサイはそのままだと塩気が強いが、雑炊に加えることで絶妙なハーモニーを奏でる。腹に余裕のある方は、是非セットでオーダーしてみて頂きたい。
<店舗データ>
【店名】 支那そば へいきち
【住所】 千葉県旭市ハ1883-2
【最寄】 JR総武本線「旭駅」徒歩20分
★2022年4月、弟子が独立し八日市場で「へいきち二代目」創業
★2023年1月に東金店、3月に多古店をオープン
★2024年11月1日に旭市の飯岡バイパス沿いに移転
★新住所は千葉県旭市横根3258-1