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肥宝館 -貧すれば丼する-

【秋田 市民市場】 支那そば 伊藤「しょうゆ 並(750円)」

市民市場で啜る昭和懐古の十文字中華そば

JR秋田駅の西口から徒歩5分ほどの秋田市民市場へ。場内には青果、海産物、精肉、日用品から食堂など80ほどの商店が軒を連ね、主婦からプロの料理人まで様々な人が食材を求めて訪れる。この市場の一角に、秋田県南東部・横手市は十文字のご当地麺「十文字中華そば」を提供する人気店がある。「支那そば 伊藤」だ。

十文字中華そばは、アッサリした醤油清湯で、煮干や鰹節の和風出汁と灌水を使わない細縮れ麺が特徴である。ご主人の伊藤保男氏は、十文字ラーメンの御三家の一つ「三角そばや」で修業。2007年に営業不振だった「三角そばや 秋田市民市場店」を引き取り、暖簾分けの形で独立し「支那そば 伊藤」を創業した。

そして「新しい十文字中華そばを作りたい」と出汁、麺、トッピングの研究を重ね、独自の中華そばを完成させた。その一杯を啜りに遠方から訪れるファンもいるという。メニューはしょうゆ、みそ、旨辛みそと3種の中華そばに加え、冷やし麺「そのまんま冷やし」もラインナップ。今回はシンプルに「しょうゆ」の並をオーダーすることに。

程なくして透き通った醤油清湯の中華そばが到着した。スープは焼干しイワシと煮干し、鰹節など魚介のみでとったもの。スッキリとした味わいだが、出汁のコクをしっかり感じる旨いスープだ。そこに天然塩で練り上げ、手揉みして低温熟成させた細縮れ麺が泳ぐ。灌水不使用なので少し固めで独特な食感だが、旨味は十分だ。

チャーシューは脂の少ない豚モモ肉で、柔らかく肉の味を存分に味わえる。カットした棒麩が乗るのも十文字流。添えられた漬物は季節の野菜7種を漬けた「七色漬」で、若干の甘味もあり妙に落ち着く味だ。横手まで行く時間がない中、ここで「十文字中華そば」を味わえるのはありがたい。持ち帰り用もあるのでお土産にぜひ。

<店舗データ>

【店名】 支那そば 伊藤
【住所】 秋田県秋田市中通4-7-35
【最寄】 JR奥羽本線「秋田駅」西口徒歩5分

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