神奈川淡麗系のDNAを受け継ぐ下町の絶品麺
荒川区には、都内唯一の公営遊園地で1922年に創業した「あらかわ遊園」がある。子供向けの乗り物やプール、動物と触れ合える広場から釣り堀まで盛り沢山だ。入場料は大人200円、小中学生は100円と公営破格。独身の私が言うのもなんだが、子供を連れて行くにはもってこいの場所だ。
あらかわ遊園の最寄りとなる都電「荒川遊園地前」停留所のそばに、絶品の淡麗系ラーメンを提供する店がある。車窓に見える「麺処 富士松」だ。ご主人は神奈川淡麗系の代表格、海老名の「中村屋」で修業されたという。これは楽しみである。
スープは純水でとった鶏出汁に、香味野菜、鰹節、煮干しなどを重ねたものだそう。醤油ダレにもこだわりがあって、麹を食塩水ではなく生醤油で仕込んだ「再仕込み醤油」に、生醤油をブレンドしている。醤油の香り、鶏の旨味、野菜の甘みのバランスが絶妙で旨い。
麺は三河屋製麺の中細ストレート。柔らかめの茹で具合で、丼全体を優しい印象に仕上げている。チャーシューは豚肩ロースと鶏モモのハムの2種で、直前に軽く炙ってから提供される。噛みしめる程に風味が広がる逸品。味玉もメンマも非の打ちどころがない。
清潔感のある店内、丁寧な接客のご主人、卓上の鼻セレブ。荒川区の住宅街に降臨した名店。スープは醤油と塩の2軸で、つけそばやご飯ものもあるので、次回は他のメニューを頂こう。淡麗系が好きだという方は是非、都電に乗って小旅行気分で出かけてみて欲しい。
<店舗データ>
【店名】 麺処 富士松
【住所】 東京都荒川区西尾久7-19-6
【最寄】 都電荒川線「荒川遊園地前」徒歩2分