クセも辛さも魚粉も強め。秘伝のブラックラーメン
京成線立石駅の南口から歩いて1分。駅前から奥戸街道へと延びる仲見世商店街のアーケードで2019年9月から営業する「まっちゃんラーメン 一筋」へ。元々は同じ立石の町内にある「Cafe&lounge COCOLIE」が木曜日限定で提供していた「まっちゃんラーメン」が独立し、店舗を構えたという形である。
「無口ですみません」と刺繍されたキャップをかぶる初老のご主人が「まっちゃん」こと松平正氏だ。一見クセ者風だが、気さくに話してくれるのでご安心を。2017年頃まで堀切菖蒲園で営業していた「金と黒」で店長を務めていた人物である。当時から辛い餡の乗った「ブラックラーメン」を筆頭に、オリジナリティ溢れる一杯を提供していた。


満を持してオープンした立石の店舗はカウンター4席。手狭なため、まずは小路を挟んで対岸の「待合室」内の券売機で食券を購入する。麺メニューは、堀切時代と同じく「ブラックラーメン」を主軸に、ブラックつけ麺、豚骨醤油ラーメン、豚骨魚介つけ麺、あっさり塩味の牡蠣ラーメン、さらに月替わりの限定麺も用意している。
そしてなんと、ランチ時は「チャーシュー飯(300円)」が無料で付いてくるというサービスも。今回は1日限定100杯の「ブラックラーメン」を味玉(100円)入りでオーダーすることに。ちなみに辛さが「超ひかえめ」から「地獄五丁目」まで7段階から選べるが、4段階目の「普通」が世間一般の激辛に当たるそうで、普通の辛さでお願いした。


ワンオペのため、待つこと6分ほどで着丼。丼の中心には、品名の由来である黒い麻婆のような「秘伝のブラックあん」がデロンとかけられている。一口舐めただけで胃が熱くなる辛さで、つくづく普通の辛さにして良かったと思い知る。ベースのスープ自体はクセのない豚骨に魚粉と醤油のカエシを合わせたもの。
魚粉の主張が強いが、徐々にスープに溶け出す「ブラックあん」との相性は良い。そこに合わせるのは、スープに負けない極太縮れ麺。ワシワシとした食感で食べ応え十分だ。肉厚のチャーシューは、低温調理したものをフライパンで炙ってあり香ばしい。醤油ダレでしっかり味が付けられた味玉は、辛さの中の一服の清涼剤か。
ほか具材にはモヤシ、キャベツ、ニンニクの芽、豆腐。咽たり鼻をかんだり、なんだかんだで10分ほどかかって完食。一方のチャーシュー丼だが、これがサービス品とは思えぬボリュームで、肉の味付けも良く旨かった。食べ終わる頃にはすっかり汗ダルマに。次回は辛くない「牡蠣ラーメン」なども試してみたいところだ。
<店舗データ>
【店名】 まっちゃんラーメン 一筋 葛飾立石本店
【住所】 東京都葛飾区立石1-20-3
【最寄】 京成押上線「立石駅」徒歩1分