神田の名店が移転復活かと思いきや…
東京メトロ有楽町線・新富町駅の7番出口から歩いて5分ほど。居留地中央通りと鉄砲洲通りの間、東京中央動物医療センターそばで2021年8月27日から営業する「鶴のがえし 銀座店」へ。閑静な住宅街に現れる派手な黄色い看板が気になる存在だ。コチラは御徒町「東京下町ラーメン 福徳」の2号店とのこと。
てっきり、かつて神田で営業していた町中華の名店「鶴の恩返し」が移転し復活したのかと思い訪れたのだが違ったようだ。しかもUber Eats上では「東京下町ラーメンコント 銀座店」としても営業している模様。一目では屋号のわからぬ看板も含め、節操のない感じと謎感が逆にグッとくる。これは入ってみるしかない。
店内はテーブル席が中心。壁にはこれでもかとメニューが貼られていて、情報過で既にお腹一杯だ。町中華なのでメニューは麺類、飯モノ、ツマミ、一品料理、定食と多岐に渡る。まず麺メニューだが、醤油、味噌、塩、辛系のラーメン各種に、つけめん、焼きそばも提供。麺にプラス250円で半分炒飯、半麻婆丼が付けられる。
ほか、麻婆豆腐やレバニラ、回鍋肉、八宝菜、青椒肉絲、エビチリといった炒め物から、棒棒鶏、腸詰、中華風冷奴といった前菜類、さらには炒飯や中華丼、天心丼といった飯モノや餃子など品揃えは抜群だ。さらに浅草「ラーメンコント本店」や「福徳本店」で人気の大根おろしを添えた餃子も提供している。
あまりの品数に目移りするところだが、まずはキンキンのアサヒ中ジョッキ(480円)を流し込み、POPに『30年の力味』とある「半ちゃんラーメン(980円)」をオーダーしてみることに。まず到着したのはチャーハン。具材に玉子、ナルト、ニンジン、チャーシューを使っており、しっとりとパラパラの中間といった仕上がりに。
チャーシューはタレが染みていて香ばしく存在感たっぷり。付け合わせの味付きモヤシも酒が進む味でなかなかに旨い。遅れて到着したラーメンは鶏ガラ豚骨、乾物などがベースだろうか。スッキリした飲み口の清湯で、そこに浅草開化楼製の中細縮れ麺が泳ぐ。このスープには強すぎるほどにコシがある。
チャーシューはチャーハンと共通で、醤油ダレが染みていて香ばしい。ほかナルト、刻みネギ、メンマ、そして柚子皮も添えられる。当然だが、神田の名店とは全く違う味わいではあるものの、町中華のラーメンとしては良い出来である。注文から提供までが早いのもありがたい。家の近くにあると嬉しい存在だな。
<店舗データ>
【店名】 鶴の恩がえし 銀座店
【住所】 東京都中央区湊3-1-3
【最寄】 東京メトロ有楽町線「新富町駅」徒歩5分