外観も味もインパクト大。屋台ラーメン「ななし」
北総線の大町駅前で夜7時から深夜3時まで営業する「屋台ラーメン ななし」へ。ここは一度ネットで観て、そのノスタルジックさに、いつか訪れたいと思っていた店である。駅前の歩道橋脇にかかる赤い提灯に誘われ、細い道を奥へ進むと現れたのはプレハブ小屋。屋台はいずこに?恐る恐る扉を開けると、店内に屋台と客席が。
屋台ラーメンとはあるが、屋外ではなく古いプレハブ小屋の中に屋台と客席がある形なのだ。店内の湯気に曇るメガネ。照明は裸電球のみ。タオル鉢巻きの似合う初老の親父さんが一人で切り盛りしている。ちなみに小屋はちょうど松戸市と市川市の境目に建っていて、屋台は市川市、客席は松戸市なのだそうだ。
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ラーメンは正油、塩、味噌、豚骨の4軸。海苔、ゆで玉子、モヤシ、ニンニクが各100円。メンマ、ネギは各200円、チャーシューは400円でトッピング可能だ。ほか、ビールや日本酒、缶チューハイ、ウーロンハイも販売している。常連はセルフで取って行っている。今回は「正油ラーメン」にネギとニンニクをトッピングし注文することに。
さっそく屋台で調理を始める親父さん。屋台の前の立ち姿がハマっている。平ザルで麺上げし、スープを匙で味見。コクっと頷いて完成へ。背脂が浮かんだスープからは、啜らずともわかるほどニンニクアロマが立ちのぼり、食欲を刺激してくる。スープ自体はサラサラの動物系だが、背脂とニンニクでインパクトのある飲み口に。
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合わせる麺は多加水でチュルっとした中細縮れ麺。追加したネギがラー油を絡めた辛ネギ仕様なので、ジャンク感がますます加速する。その反面、メンマはかなり甘めの味付けで癖になる味わいに。バラロールのチャーシューも、白身部分が茶色くなった茹で玉子も、しっかりとした味付けで良い。酒と化調も手伝い旨さ爆発。
気付けばあっという間に完食してしまった。親父さんは、なんでもサラリーマン時代に会社が倒産し、知人の中華料理店で修業して「ななし」を開業したそうだ。社会の荒波に揉まれてきたからだろう、とても優しい親父さんである。だから、敷居が高そうな店だが、勇気を持って扉を開くべし。なお、木曜・日曜は定休なのでご注意を。
<店舗データ>
【店名】 屋台ラーメン ななし
【住所】 千葉県市川市大町175
【最寄】 北総線「大町駅」徒歩1分
★コロナ禍でいつのまにか閉店。残念…