以前から軽度の近視と乱視がありましたが、運転免許も裸眼でとれる程度で、日常は眼鏡を使っていません。もっとも人の顔の判別だけは、ある程度離れると難しく、知人がいても気がつかなかったりすることはあります。
20年ほど前に、映画やスライドを見るときに眼鏡が欲しくなり、一つ目の眼鏡を買いました。そのうち、学会の発表のときなどに遠近両用眼鏡が欲しくなりました。さらに手元がはっきり見え、顔を上げて手術用の内視鏡モニターを見るときもはっきり見えるように、手術用の中近両用眼鏡をつくりました。そういうわけで、今は眼鏡を3種類持っています。
今は鼻の手術は内視鏡でやりますし、喉頭や耳の診察は内視鏡、耳の手術や処置は手術用顕微鏡を使います。内視鏡や顕微鏡は、裸眼では見えにくいものを鮮明に見せてくれるという意味で、眼鏡の延長と言えます。内視鏡や顕微鏡のおかげで、耳鼻科医の診断力や、手術や処置の正確さは、以前に比べ、格段に向上しました。
しかし内視鏡や顕微鏡が眼鏡と決定的に違うのは、電気が必要だということです。それを今回の停電さわぎで思い知らされました。これらの電気眼鏡を使えなくなったとき、それで全く診療ができなくなるのでは、耳鼻科医として恥ずかしいことです。そのようなことのないように、日頃から工夫しておくことが、必要であると気づきました。