今朝起きて目覚ましがわりにテレビをつけ、出かける支度をしながらもテレビをつけていたら、iPhoneやアップルに関する話題が、いくつも出てきました。まずテレビショッピングで、新潟の研磨マイスターと呼ばれる金属研磨の名人の方たちがつくったという、金属製のカップの紹介。これでビールを飲むと、細かい泡立ちで味が良くなり、冷たさも保たれるそうです。この方たちの技術が、私も大好だった初期のiPodのデザインに生かされ、あの美しいカーブと輝きをもったiPodができたのだそうです。
今のiPhone4は、初期のiPodのデザインとはだいぶ違ってきましたが、相変わらず洗練されたデザインの中に、小さな文字でDesigned by Apple in California, Assembled in Chinaと刻字されています。かつてのアップルは組み立てもカルフォルニアで行う主義でした。もっとも、正直言って当時は日本製品が世界の最高水準、日本の製品に比べると、アメリカで造られたMacは、細かいところで造りが粗いという印象でした。
では、iPhoneはMade in Chinaではないかと言われるかも知れませんが、ビジネスがグローバル化された現代では、そんな単純ではありません。これは、今朝の別の番組でやっていたのですが、iPhoneに使われている部品の34%は、日本製だそうです。次いで、ドイツ製が17%、韓国製が13%。世界の各地で造られた部品を組み立てる工場が、人件費の安い中国だということです。部品の製造に対する信頼度は、まだまだ日本が世界一というところでしょうか。
そして何より大事なのはデザイン、これは表面的な意匠という意味だけでなくて、全体の設計、どういう製品にするかという発想、妥協することなくその理想の製品を完成させるための開発の努力、それが大事だということです。
アメリカの裁判で、サムスンのギャラクシーは、その一番大切なところでiPhoneのまねをしている、と判断されました。携帯電話ビジネスを世界的に見ると、アップルの一人勝ちで、アンドロイド陣営ではサムスンだけが健闘というニュースがありましたが、そのサムスンにとっても、これは大きな打撃でしょう。
今朝のテレビによれば、アップルの株価はうなぎ登りだそうです。また、大量受注してくれるアップルとの取引が終了すると噂が流れただけで、そのメーカーの株価が下がってしまうそうです。私としては、アップルに対して、ジョブズがいたころのような特別な思い入れは、もう持っていませんが、したたかなビジネスを今後も続けていけるのかどうかという点で、興味深い会社です。