前回に引き続き、24年度一般会計当初予算を読んでいきたいと思います。
今回、事業と予算の関係についてを考えてみたいと思います。
まずは、執行部側が考える24年度の全体像ですが、これは先の3月定例会において
市長が示された「施政方針並びに提案理由説明」を見れば一目瞭然です。
総合計画後期計画の重点目標に「産業活力漲るおおだの実現」と「安全・安心おおだの実現」の
二点を挙げられています。
具体的には、「産業活力漲るおおだの実現」に関しては、産業振興ビジョンに基づき、
地場産業の強化、企業誘致、新しい産業おこしなどにおいて、取り組み内容の充実と強化を、
「安全・安心おおだの実現」に関しては、地域医療の確保、並びに消防・防災対策をはじめ、
あらゆる危機事案に迅速に対応できる体制整備を推進するというものです。
これらに基づく24年度における主な取り組みは、
「産業活力漲るおおだの実現」関連が、「石見銀山遺跡の世界遺産登録5周年関連事業」。
「安全・安心おおだの実現」関連が、「地域医療の確保」と「防災対策の充実・強化」です。
「石見銀山遺跡の世界遺産登録5周年関連事業」は、登録5周年を観光による産業振興の絶好の機会と捉え、
石見銀山遺跡だけでなく全市域への周遊・滞在に繋がるよう、観光事業を展開する。
「地域医療の確保」は、「大田総合医育成センター」の本格的なスタートと「救急指定病院の再取得」により
市立病院の経営健全化に向けた取り組みに対し、行政としても必要な支援を行う、
また、保健・医療・福祉との連携を図りながら、組織体制の強化、地域医療の充実を推進する。
「防災対策の充実・強化」については、「大田市地域防災計画」や「大田市防災ハザードマップ」の見直し、
新しい「防災行政無線」の整備、消防庁舎の建て替えや公共施設の耐震化など防災施設の整備、
自主防災組織の拡充と育成、防災意識の高揚、啓発を推進するとしています。
さて、これに対応した事業と予算措置ですが、
まず「石見銀山遺跡の世界遺産登録5周年関連事業」が、3,700万円。
「石見の国おおだ観光振興事業」は3,300万円、「石見銀山観光客対策事業」が約1,320万円、
「三瓶山広域観光振興事業」(緊急雇用創出事業)が約1,200万円、「三瓶観光活性化事業」が1,040万円、
「三瓶地域観光振興事業」が200万円。
さらに、「大田市観光プロデュース事業」(観光協会に委託)が約900万円、
全国鳴砂サミット実施事業(開催地負担金)が50万円、「観光協会への補助」が700万円など
「地域一体での「もてなし」の充実による産業の振興」の主要事業合計額は約1億3000万円。
「地域医療の確保」として、「病院事業会計負担金」が約6億2300万円、「医療体制確保対策事業特別負担金」
が4,830万円、「総合医療額講座開設事業」約8,300万円、「地域医療確保対策事業」2,600万円、
「地域医療計画策定事業」50万円、「大田市立病院新病院建設計画策定事業」700万円のほか
各種検診や予防、高齢者や子ども医療関係を含めた「生涯を通じた健康づくりの推進と地域医療の充実・確保」
の主要事業合計額は約18億円。
「防災対策の充実・強化」としては、「消防防災拠点施設整備事業」約9億9500万円、
「消防救急無線広域化・共同化整備事業」約1億1800万円、「同負担金」9900万円、
「新防災行政無線整備事業」約1,200万円、「地域防災計画見直し事業」520万円、
「高規格救急自動車更新事業」3,660万円、「消防輸送車更新事業」1,070万円、
「大田市民会館耐震改修事業」約12億9000万円、
「小学校耐震化推進事業」約1,260万円、「中学校耐震化推進事業」110万円、
「防災対策事業」520万円など、この合計が約25億8500万円。
以上が主要事業に対しての主な予算措置になります。
平成24年度当初予算の主要事業について、詳しくは
http://www.city.ohda.lg.jp/files/20120307105054.pdf をご覧下さい。
次回は、総合的なまとめに入りたいと思っています。