あごう ひろゆきの「集志貫徹」 ブログ

生まれ育った「大田市」をこよなく愛し、責任世代の一人として、先頭に立ちがんばっています。皆様との意見交換の場です。

「集志貫徹」

やっぱりおおだ!

TPPを考える(TPP参加に賛成か、反対か)②

2011年11月30日 01時55分00秒 | 想・有・独・言

私がTPP参加に賛成する主な理由はGDPの拡大にあります。

GDPとは国内総生産のことで、ある一定期間に,国内で生産されたすべての物・サービスの付加価値(=儲け)の総額(=すべて)です。
(教科書的で申し訳ありません。)
なぜ、GDPを増やすことが重要かというと、GDP=儲けのすべて=「我々の所得の総額」だからです。
「GDPが増えない(成長率0%)」ということは,「日本人の所得が,全体では増えない」
つまり、「GDPあるいは,1人あたりGDPが減る」ということは,「我々の給料」が減るということです。


日本は貿易大国で輸出の規模大きく、貿易収支で大きく黒字を出し、GDPに寄与していると思われています。
2010年の全世界に対する輸出入額は、輸出:67兆4000億円、輸入:60兆7600億円で収支は6兆6300億円の黒字です。
確かに貿易収支は中国についで全世界で2番目です。
(数字は「貿易統計」(財務省)、「外国為替相場」(日本銀行)等よりジェトロ作成)

日本のGDPは約539兆8800億円。貿易黒字はGDPの1.2%に過ぎません。
したがって、98.8%が国内の生産(=内需)によってです。
この内需の拡大によって経済成長が進み、GDPが増えていけば言うことはありません。

では、これから、10年・20年も内需が拡大する可能性があるのでしょうか。

GDPは次の3つの要素で構成されます。
①労働量(何人の人が何時間働いているか)
②資本ストック(どのくらいの機械や工場が動いているか)
③技術力(労働と資本を,どのくらい効率的に活用しているか)
GDPは,①労働力,②資本ストック,③技術力をかけあわせたものです。

GDPの要素による今後の推移を予測してみましょう。

まず①の労働力です。
日本の人口は10年間で482万人、20年間で774万人が減少すると予想されています。
(国立社会保障・人口問題研究所 「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」より。以下同)
15~64歳の生産年齢人口は、10年間で787万人減り、逆に65歳以上の老年人口は636万人も増えることになります。
生産年齢人口が全人口に占める割合も10年後には59.9%となり、今より3.9ポイントも減少が予想されています。
したがって、労働力の減少は明らかです。

GDPの総量が減少しても、人口減少が進むので、一人当りのGDPは変わらないと予想が出来るのでしょうか。
生産年齢人口の減少によりGDPの減少は急激に落ちる可能性があり、一人当りのGDPも減少すると考えます。

次に②の資本ストックです。
この予想は非常に難しいです。労働力の減少を補う為、機械化を勧めればストックは増えますが、
労働力減少の為、工場数や稼動時間等が減少する可能性があります。
近年では資本ストックは減少傾向ですが、予想が難しいので変化無しと仮定しましょう。

最後に③技術力(=生産性)ですが、
現在の国内市場は飽和状態です。
相当な付加価値商品しか売れる要素はありません。
テレビにたとえると、今あるテレビを買い換える要素としてより良い映像を見たい、とか、より大きく映像が見たい
というだけでは買い替え需要は発生しにくい状況です。
需要を喚起するには今までに無いもの(3D映像等)とかより便利で使いやすいもの(テレビでインターネットが利用できる等)
の新たな技術力が求められます。
しかし、その予測は未知数です。ここでも過程として、将来も変わらないと予想してみます。
(仮にあっと驚くような技術革新により売れる要素の新製品が現れたとしても、人口減、世帯減により、また飽和状態に近くなると
 思います。)

以上のことから
GDP=労働力×資本ストック×技術力(生産性)=減少×1(現状)×1(現状)
=減少
となり、将来的には国内市場だけの計算ではGDPは減少傾向となることが予想されます。

では、GDPを増やすには?
答えは「外需(輸出等)」に期待する、ということになります。


TPPを考える(TPP参加に賛成か、反対か)①

2011年11月28日 00時45分52秒 | 想・有・独・言

TPP問題に言及せよというコメントを頂きました。
大事なことなので私の見解を述べたいと思います。

TPP問題は日本の未来にとって非常に重要な局面です。
これを語るには十分な理論の構築とそれを裏付けるデータが必要となります。
文章量にすると膨大になる可能性がありますので、3~5回ぐらい(だと良いのですが)に分けての説明になろうかと思います。

まず、結論から申すと私の考えは「TPP参加には賛成です。
(交渉は慎重に進める必要性と不利になるものに対しての政策を十分に考える必要性はあることが前提ではありますが)」
誤解のないようにする為、シリーズを必ずすべてお読み頂きたいと思います。
そして、文章量の膨大さと裏付けデータの検索の為、相当の時間を費やすことをご理解下さい。

まず、反論ということではありませんが、コメントを頂いたことを整理したいと思います。
「現政権が、選挙公約を全て反古にして、即ち国民との約束を無視して、進めている」
この進めていること、又はその過程において問題となっていることは、主に
①TPP問題
②増税政策
③生活基盤の破壊(特に給与向上)
④日本のデフレ問題
⑤ヨーロッパ発の世界恐慌
⑥韓国のFTAの実態
⑦生活保護者の増大
⑧格差拡大の拍車
⑨失業率を含む雇用体制
であり、国民基盤なくして⑩大田市の経済理論を語ることは厳しいということだと思います。

これに対する、私の総合的な答えとして
①これからシリーズにて見解を述べます。参加には賛成の立場です。
②ある程度、理論的にTPP問題で考えが触れられると思います。
③これもTPP問題に触れることで説明が出来ます。
④デフレはTPPとは全く別問題です。これは新たにデフレ対策で説明します。
⑤難しい問題ではありますが、答えを模索したいと思います。
⑥ある程度TPP問題に関して私の考える方向性が示されると思います。
⑦これも、TPP問題で触れていきます。
⑧同じく、TPP問題で触れていきます。
⑨同じく、TPP問題で触れていきます。
⑩TPP問題の総括として触れていきます。しかし、言及できても
国レベルの問題解決と大田市のレベルを比較するには無理が生じます。
つまり、国レベルの解決がなされないと大田レベルの解決がないという主張が成り立つと
市長も市議会議員も何もできない=いらないという理論が成り立つ可能性があるからです。

まず、TPP問題の一番重要な自由貿易から話をスタートさせていきたいと思いますが、
それを語るには、歴史的背景から考察する必要があります。

TPPの主な目的のは多国間による自由貿易協定締結です。
今主流になっている、二国間(又はそれ以上)によるそれ(FTA:自由貿易協定又は、EPA:経済連携協定)があり、
それに変わるあるいは、拡大した多国間の交渉のテーブルが降って湧いたように議論されている感がありますが、
実際はそうではありません。
多国間の自由貿易協定の交渉としては、以前にGATT(関税および貿易に関する一般協定)という協定があました。
GATTが出来た背景は、1929年に株の大暴落により世界大恐慌が起こりました。
株価の大暴落は,世界中に影響を及ぼし、失業率が増大した為、自国の人々の雇用(仕事)を確保するため,
輸入を制限する関税を切り上げ、各国は,保護貿易政策を採用します。
当時のアメリカは莫大な自国市場を持ち、英仏は世界各地に植民地市場を持っていました。
それらが、ブロック(文字通り,塀又は囲い込み)を作り、保護貿易化しました。
植民地を持たない、遅れて追いついてきた工業国(当時)の日本・ドイツ等は、
植民地・領土拡大政策を採用し、ついに、欧米の権益と激突しました。
これが、第二次世界大戦の原因となったのです。

この反省に立ち、戦後の新たな国際経済の秩序を作ろうと国際通貨基金IMFと、
国際復興開発銀行IBRDの設立が合意されました。
また、1947年には,関税及び貿易に関する一般協定(GATT)が誕生することとなったのです。
GATTは自由貿易拡大のため、貿易の流れを阻止する障壁を多国間の交渉によって取り除くことを目的にしました。
貿易決済に必要な資金の過不足を補う役割もIMFが持っています。
こうしたGATTの多角的交渉により、貿易の拡大がもたらされ、各国経済が成長したことは、間違いありません。
差別的貿易政策から、ブロック経済へ至った1930年代の反省に基づくGATTの理念は、各国の保護主義を克服してきたのです。
GATTの出来た背景は、もちろんブロック政策が第二次世界大戦の原因となったことの反省と
もうひとつはブロック政策を続けるよりは各国間の貿易を推進し、自国のGDPを上げることだと私は考えます。
この裏付けは、経済学の「リカード・比較生産費説」に基づきます。
この理論とは、「特化し交換すれば、利益を生む」というもので、簡単に言うと、「自給自足より交換(貿易)したほうが儲かる」
ということです。
交換=貿易がなければ、われわれは、衣食住すべてを自給自足しなければなりません。
国民一人一人が、服を作り、米を作り、家を建てるのと、国民それぞれが、「服」作り、「農家」「大工」に特化し、
得意分野を生産するのとでは、どちらが、利益があるかということです。
貿易とは競争ではなく、相互に利益をもたらす交換であることです。

GATTは1948年に貿易交渉(いわゆるラウンド)をジュネーブで23カ国にてスタートさせましてた。
以後合計8回の交渉を重ね、最後のラウンド、ウルグアイ・ラウンドにての協議では、サービス貿易や知的所有権の扱い方、
農産物の自由化などについて交渉が行われました。
中でも農業分野交渉が難航し、将来的に全ての農産物を関税化に移行させること、最低輸入機会(ミニマム・アクセス)を決定するにとどまり、
完全な自由化には至りませんでした。
この結果、日本は米に従価税率換算で778%の関税をかける事とより大きなミニマムアクセス米を輸入することになりました。

その後、自由貿易協定の場は、GATTを発展的解消して、1995年にWTO(世界貿易機関)に移行することになります。
WTOは強力な紛争処理能力を持つ国際組織としては稀なより踏み込んだ交渉機関となり、
初めての交渉を2001年からドーハにて開始(ドーハ・ラウンド)したが、またもや農業分野で交渉が決裂しています。

いや~、やっぱり長くなりますね。FTTがどんな意味を持っているか、歴史的背景を説明するだけで一回の記事で十分のボリュームになってきます。
これでもずいぶん簡潔に要約しているつもりなのですが。
これからが大切なところなので、もう少しお付き合い下さい。

さて、WTOの場での貿易自由化が期待できない以上、各国は主要な貿易相手国とのFTA締結による貿易自由化を求め、
結果的に多数のFTAが成立することになりました。
日本は現在、モノとサービスの貿易自由化だけでは不十分という考えから、EPAを推進し、これまで9カ国・地域とEPAの発行や締結を合意しています。
また、6カ国・地域と署名や交渉を開始しています。
しかし、このEPA/FTAの交渉の際に、ネックになっているのが、正直言って日本の農業です。
そもそも、WTOの席で、農業がネックになって交渉が進まないので、EPA/FTAを推進することにしたのにもかかわらず。
(私はこれを決して否定しているわけではありません。歴史的な事実を記載しているだけですので、誤解のない様に。)

では、実際に、自由化によって、どのような効果がもたらされるのでしょうか。実証分析は、次のようになっています。
FTAの経済効果分析には、主に、FTA設立前に行われる事前的分析と設立後に行われる事後的分析をする必要がと言うことが言われています。
事前的分析では、FTAの効果を経済モデルを用いてシミュレーションにより分析する方法をとるのに対し、
事後的分析では、実際に観測された数値を用いて、FTAの効果を計測するようです。経済学の理論によるもと思われます。
私は経済学者ではありませんので、具体的にどういう数値に基づいて、どういう計算をするのかは解りません。
よって、結論を引用させてもらいますが、これは理論的な考えではなく、数値に基づいた結果であることであることは間違いありません。
すなわち、仮定ではなく事実です。

独立行政法人 経済産業研究所「高まるFTA効果分析の必要性」浦田 秀次郎氏より
「事前的分析で最もよく使われている手法が一般均衡モデル(Computable General Equilibriumモデル, CGEモデル)を用いたシミュレーション分析である。
CGEモデルは各国により構成される世界経済を想定し、各国の消費者と生産者は与えられた予算の下で、各々の満足度や利潤を最大にするように行動し、
各財・サービスに対する需要と供給が価格メカニズムを通じて均衡するような仕組みを組み入れている。
CGEモデルは実際の経済活動を簡単化してとらえ、明示的に表現した分析ツールである。CGEモデルを用いたFTAのシミュレーションでは、
FTA相手国との貿易に課されている輸入関税を撤廃することで、FTAの効果を推計する。

これまでのシミュレーション結果から、いくつかの一般的傾向が認められる。1つは、FTA加盟国は経済成長や経済厚生の増加といった形で利益を得る一方、
非加盟国は経済成長の鈍化や経済厚生の低下といった形で被害を受ける可能性が高い。
第2に、加盟国数の増加は加盟国の利益を拡大させる。これらの2つの傾向から判断すると、世界各国にとって最も好ましいFTAは世界全体でのFTA、
つまりWTOでの自由化であることがわかる。」

「FTA効果の事後的分析としては、FTAの貿易に与える影響に関する研究が多い。
FTAの貿易効果としては、加盟国間の貿易が拡大する貿易創出効果と非加盟国間との貿易が縮小する貿易転換効果があるが、
これらの効果の分析にあたっては、クロス・カントリー・データを用いたグラビティ・モデルによる研究が主流である。
グラビティ・モデルでは二国間の貿易量を両国の距離と経済規模で説明しようとする。
二国間の貿易量は距離には反比例する一方で経済規模には正比例という関係が想定されるが、実際の推計でも、このような関係が認められている。」

このことによると、 GATT及びWTOへの加盟が、貿易の拡大に貢献していることが確認されました。
また、そのプラス効果は、自由化の度合いが大きければ大きいほど、高いことも実証されています。

したがって二国間のFTA又はEPAを推進するよりは、多国間の自由貿易交渉をすることがお互いにとって
利益があるということになり、TPPがより有意義ということを実証しています。

歴史的背景から見たTPP参加の必要性はとりあえず以上です。
続きは次回に。


二つの講演会

2011年11月21日 10時57分11秒 | 想・有・独・言

昨日は、有名な「デフレの正体」の著者である藻谷浩介氏の

「元気なまちを創り出す地域デザイン」~意識の見直しが新たなアイデアを生む~と題した講演会がありました。

藻谷氏は、日本政策投資銀行参事役で地域エコノミスト。

日本全国のほとんどの都市を訪問した経験を持ち、現地を歩いて回り、データに基づく分析、また沿革や郷土史を

詳しく把握した上でその都市の抱える問題点を解析するという手法で、都市計画を提示されています。

講演は、大田市の人口の推移、小売業の商品販売額や売場面積の推移、個人所得の推移のデータを示され

これまでの大田市の現状と、日本の輸出から見る世界との貿易収支、これらを総合的にふまえながら

国立社会保障・人口問題研究所が試算している「将来推計人口データベース」に基づき、大田市の今後の

方向性を解説されました。


少し講演内容を。

・大田市は石見銀山を活かしきれていない、そこには何らかの理由があるはずだ。

・自然動能>社会動体で、全体的に人口は年間500人あるが、社会動態では、平成12、13年は微増である。

 奥出雲、大田、海士町は島根県でも増えた時期がある数少ない市町村。残念ながらそれが持続できていない。

・市民所得が減少している。市民所得を上げる策を。そして、物を消費する層の所得を上げる必要がある。

・今の日本は、所得が増えても消費が必ずしも増えない。

・これからの日本経済は、量は少なくても、高い物を売る方が良い。数で稼ぐ(薄利多売)考えは終った。

・食料品のほうがハイテク製品より売れ出している。

・大田産品を宣伝して高く売りなさい。

・女性が働く県ほど出生率は高い。島根県は20.30代女性の就業率が高い


結論からすると、大田市の人口全体及び生産年齢人口は減少していくが、その割りに都市圏等で見られる

老齢人口はそんなに増えない。

日本経済再生の鍵は女性就労促進である。大田市においても、女性就労者の給与を上げるなどして

女性にもっと働いてもらおう、そして消費してもらおう。ということでした。

 

もうひとつ、興味深かった講演会は10日に行なわれた、大田町の本通り商店会・中町商店会合同企画

商店会の活性化を考える講演会『産業戦国時代を生き抜くために』と題されたものです。

講師は、島根県商工労働部企業立地課参事の福間 敏氏。

福間氏は、斐川町役場にて、約20年間地元の産業振興に携わり約25社の企業誘致を実現。

村田製作所,富士通,島津製作所などの誘致で全国の注目を集めた人です。

「本物の人,情報」を見つけ、やる気のある人同士の「縁を結ぶ」ことで産業の活性化を行っていらっしゃいます。


講演内容は、

・今は大企業が伸び悩んでいる。ゆえに、中小企業を頼るようになった。千載一遇のチャンス~光る山が見えてきた。

・シンプルでリスクが少ない物からはじめる。

・買い手やどんなものが売れそうか、データを集めて参考にする。

・ノウハウや仕掛けを持ている人は宝。

・今の時代は、リーダーシップは不在の時代。小さなグループの集まりが結束すると強い。

・ブランド力をつける。そして、 品質の安定化を。

・外国人向け商品は、全国的展開には必要かも。

・売り方のアイデア(商品デザイン、キャッチ、どこで販売するのか)を考える。

・時代の変化を読む。

・成せば成る。やる気が大切。

・オープン方式の実践を。 情報を皆で共有して、議論する。 商品の開放を(独占しない)。

・地域の資源は何かを考える。

というようなことでした。


二つの講演会から、大田市が学ぶこと、必要なことは、

・やる気のある人材が(特に女性重視)現状と将来展望を考え、もう一度大田市の資源を洗い直し、

 将来の方向性のアイデアを議論すること。

・大田市という魅力をブランド化し、戦略的に発信すること。

・外からの人・物を大田市とマッチングさせ、定住や大田市産品に付加価値をつけること。

・女性の意見やアイデアをもっと参考にすること。

などの実践が必要と考えます。


大田市小売業の状況の推移

2011年11月08日 14時19分23秒 | 想・有・独・言

大田市の小売業の状況推移についてあれこれ調べてまとめてみました。


調査した項目は「小売業の商店数」「小売業の従業者数」「小売業の年間商品販売額」「小売業の売場面積」

そして「市町別の人口」を経済産業省の統計「商業統計調査」に基づき、バブル期終焉の平成3年(1991年)を

100として指数の推移で調査してみました。

 

まず、大田市全体を見てみましょう。

「商店数」は減少の一途をたどっています。

2000年のイオン開業をうけ、2002年には売場面積、従業者数とも大きく増加しましたが、その後は

減少に転じています。年間商品販売額は、売場面積が増加したにもかかわらず、減少し続けています。

これは、同じ地域においてパイの奪い合いを意味しています。

2015年以降の人口の指数は、国立社会保障・人口問題研究所が国勢調査の結果をふまえて公表している

「将来推計人口データベース」に基づき、手元計算にて指数化した数値です。

約10年後には今から5ポイント、約2700人くらい人口が減少する予想になっています。

それにも基づき、小売業の年間商品販売額を指数化しました。

これによると人口の減少と同じように販売額も減少していきます。

正確にはすべての製品が市内消費に回っている訳ではないので、これよりは少し指数は高くなる可能性がありますが

大方はこのような下降線をたどることになると思います。

商店数は今より淘汰される可能性は大ですし、一人当りの所得も減少する可能性もあります。

 

多くの商店を抱える商店街は、自身の努力による各店舗の魅力作りは当然必要であります。

しかし、商店街が作り出すものは、商業機能にとどまらない「地域の顔」としての役割があると思います。

商店の各店舗や商店街が常に考えているのは「店作り」ではなく「街づくり」であると自負しています。

その中で主役となるのは、そこに生きる住民の皆様であるはずです。

主役の視点が欠けた街づくりは、必ず何か欠けたものになりますし、

商店がなくなることによるリスクも主役が背負っていかなければなりません。

住民の皆様にも、街の活性化を考える一員であるという意識が求められると思います。

そしてそれらの動きをうまく調整して、これから主体的に「地域の顔」である中心市街地の活性化に

取り組むのが行政の役目であると強く思います。

 

※参考資料

     

旧大田市の推移    旧仁摩町の推移    旧温泉津町の推移

(それぞれクリックして大きな画面でご覧下さい)