あの日の夜

朝起きると、無意識に右目をつぶって確認してしまう。

もしかしたら左目が見えるようになっているかも･･･でもそんな奇跡は起こらず「だよね」って呟きながら起き上がる。

あの日、名医に診察して貰ったら治る方法があるのかも、と思い、朝昼兼用の食事をしっかり準備した。

急に見えなくなって2週間ほどは、テーブルセッティングする気も起きなかったけど、あの日の朝には戻っていた。

オレンジの箸置きもこの日デビューさせたしね。

左目の視力は戻らないと医師に言われたあと、病院に同行してくれた親友Cさんと別れて、ひとり電車で自宅に向かった。

離婚の時の苦しみを考えたら、こんなの何でもない！って思ったんだったけど、やっぱり気持ちは沈んでいた。

最寄り駅に着いたのは午後8時頃。このまま家に帰りたくない。そうだ、あのとっても感じの良い、ステーキハウスのお兄さんたちの笑顔を見たら、少しは元気になるかもしれないな。バス停を通り過ぎて、足早にステーキハウスへ。

予想通り、二人のお兄さんたちは、満面の笑みで迎えてくれました。お腹もペコペコだったし、ステーキは凄く美味しかった。

お会計の時に「そう言えば、左目、大丈夫ですか？」あ、そうか。この間来た時に、見えなくなったって言ったんだった。

「あぁ、今日ね、日本で一番有名だって言われてる眼科専門医に診て貰って来たの。今その帰りなのね。でもね、もう左目が見えることはないんだって。ちょっと気持ちが沈んじゃって、お兄さんたちの笑顔を見たら元気になるかな、って思って来ちゃった」

「えっ？本当ですか？それ、大変じゃないですか。えっと、えっと、僕らの笑顔なんかで少しでも元気になって貰えるんなら、なんなら首から上だけでも持って帰ってくださいよぉ」

「うん、それは気持ち悪いから、いいや」って、丁重にお断りしましたけど。（丁重じゃぁねぇなー）笑

家に帰ったら、ポンちゃんが待ってくれていました。

おしょいにゃ～　バカまま～
と言っている風でもなく、クリックリのお目々で迎えてくれて、私を癒してくれましたよ。

さて今日は井上眼科の紹介状を持って、総合病院へ行って来ます。検査の予約だけになるかもですけど、一歩一歩進まないとね。

娘たちが泊まりに来る予定なので
リコメが少し遅れます
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