Romarin フランスの草の根となって

住み始めた時は腹がたち、住み慣れると離れがたいフランスにすみ、45年の年月がたちました。日々のことなど綴ります。

葉室麟

2019年02月07日 | 読書
葉室麟の「星火瞬く」を読む。
今までこの作家を知らなかったことが残念であったが、今知ることができて大変にうれしい。

幕末の様子を、フィリップ・フランツ・シーボルトの息子、アレクサンダー・シ-ボルトの目から見て書いた小説である。
小説というか、史実といってもいいと思う。「バクーニン」というロシアの哲学者であり、煽動家の存在がこの小説の中で大きいが、この人のことを全く知らなかったので、実在なのかどうか調べてみたところ、非常に有名なロシア人であった。「無政府主義」を一貫し、そのために人生をかけた人で、牢に閉じ込められ、死ぬほどの苦痛を味わわされ、シベリアに流刑となって脱走。そのエネルギーのすごさに圧倒される思いだ。

葉室氏の小説で描かれたバクーニンは写真を見た時に、私がイメージしていた人そのままだったのでさらに驚く。
19世紀末から20世紀にかけて世界を駆け巡って革命を起こさせることに、いや、無政府主義を貫くことに徹底していた驚くべき人を知り、胸がわくわくする。もう少し掘り下げてこの人のことを調べてみたら世界が広がるかもしれない。