Romarin フランスの草の根となって

住み始めた時は腹がたち、住み慣れると離れがたいフランスにすみ、45年の年月がたちました。日々のことなど綴ります。

定年退職・・・・続き

2007年10月28日 | 生活
定年退職について、これを待ち焦がれる人と、退職したくない人とが
いると思います。

昨日書きましたマリーフランスは、自分の年を感じて、反応が鈍くなって
きたのでやめるべき時期である、と理性的に考えていますが、反面、
オーケストラを辞めることにとても未練があることも否めないようでした。

彼女の場合は孫が出来て、孫の面倒をするのが大変な喜びとなっているので、
定年のタイミングとしては絶好だったと思います。





何人か定年で辞めていった人を思い出してみています。

あるヴァイオリニストは、やめる前に、奥さんと定年後の住まいを探して
フランス中を見て回ったそうです。
そしてボルドーの傍に家を買い、船も買って、万端の準備。

定年になったとたんにヴァイオリンと弓を売り、もうヴァイオリンは
弾かないとキッパリ。

後は船に乗ったり、乗馬をしたり、観劇、音楽会など、趣味の世界に
没入していました。最高の定年後の生活かなって言う感じです。

でも、この前落馬して意識不明に陥り、先ごろやっと意識を回復したとのこと。
せっかくの素晴らしい生活がここで途切れたら本当に残念です。
何とか回復してほしいな、と思っています。



もう一人のクラリネット奏者はオーケストラで吹くことが生きがい
だったのでしょうか、定年になってからしばらくしてなくなって
しまいました。



去年やめたヴァイオリンの女性もオーケストラでの仕事が生きがい
だった人です。ヴァイオリニストとして弾いただけでなく、一時期は
広報、ジャーナリスト関係の分野でも活躍していました。

定年後もヴァイオリンは弾いて立派にやっています。
よくコンサートにも来てみんなと会って話しているのを見ると、
やっぱり寂しいんだろうな、と思います。


オーケストラという職業をしていると、好きでなった仕事だけに、
なかなか吹っ切れない人が多いかもしれません。
吹っ切る必要もないのですが。でも何か寂しい思いになる気はします。


マリー・フランスが定年退職

2007年10月27日 | 音楽
私のオーケストラのヴァイオリニストのマリーフランスが
昨日のコンサートをもって定年退職しました。

この日のコンサートのあとにオーケストラでお祝いの
パーティーをしました。

このパーティーをするに当たって、私ともう一人の同僚とで、
プレゼントをのための基金を募ったり、パーティーをして
くれるようにディレクターに頼んだり、プレゼントを
買ったりしました。

マリー・フランスは37年間このオーケストラで弾いてきました。
様々なオーケストラでの思い出とここで仕事をできた事の幸せ
を語ってくれて、皆から盛大な拍手を受けました。

パーティーも無事に盛会に終わり、彼女もとても喜んでくれて、
ほっとしています。

一人、二人と定年退職者が出て行きます。
わたしもだんだん年上組になってきて、自分の定年退職の
ことをそろそろ考え始めています。

健康でそれまで勤められますように。

今日はフランスのゼネスト

2007年10月18日 | 生活
「ジュディ・ノワール(黒の木曜日)」と言われる今日は、
フランスのゼネストの日。

フランスのすべての交通機関が止まるというわけだが、
それでもTGV、パリのメトロなどは少しは走る。微々たる
ものであるが。

パリのオペラ座も公演日を変更。
ここリヨンも、オペラ座は「ジークフリート」の初日が
今日であったが、一日繰り上げて、昨日行われた。
リヨンオーケストラも、今日は朝ゲネプロ、夜本番で
あったが、明日に延期された。

今日は一日家にいるつもりである。
実は今日仕事がなくてほっとしていると言うのが本音だ。

木曜日は毎週ながら厳しい日なのである。
火曜、水曜と練習をし、木曜の朝に疲れがピークに達する。
木曜の昼寝は絶対必要である。今日は何とか昼寝せずに
家の雑事をしようと思う。

今日は昨日の雨で木々がみずみずしくなった後の晴天。
素敵な秋の一日である。
ゼネストにちょっぴり感謝。(内緒ですが)

日本への演奏旅行が間近です。

2007年10月15日 | 音楽
もう半月で、日本の演奏旅行に出かけます。
秋に日本に行くのはフランスに来てから始めて。
団員に、「今はどんな気候?」とよく聞かれますので、
「こことほとんど同じよ」と答えています。

日本に行くには福島が一番北の町で、後は大阪、名古屋、
高松、大分!
多分そんなに寒くない気はしますが・・・

スケジュールは結構過酷で、楽しむ暇があるかどうか。
まず、大阪に着くのですが、ついた日の翌日はお休みなので、
京都に行ってみようかなとも思っています。
紅葉がきれいでしょうね。

日本公演が近づいてきて、団員も気持ちが高揚してきて、
雰囲気がよくなっています。
シンフォニックのオーケストラは、演奏旅行をするということが
とても大事だと言う事がよくわかります。

「日本に行くのだから服装はよくしていかないとね」と、口うるさい
女性団員が言っています。

フランス人は普段の服装は結構ちゃらんぽらんで、日本人が見たら、
「これがプロの音楽家?」と疑うような服装をしています。

もう30年間前になりますが、はじめてこのオーケストラが日本に行った
とき、もう一人の日本人団員のお母様が演奏会にいらして、本番前の
普段着の団員たちのあまりのみすぼらしい格好に絶句したそうです。
そのことを覚えていた人が、ことさら格好にかまわない若い団員に
注意を促していました。

日本人はとても服装がきちっとしていますものね。

さてそろそろ何を持っていくか考えないと。