翌朝早く起きて朝食前に、天河神社に御参りに行った。
御参りだけのつもりだったが、神主さんに声を掛けられて拝殿に入ると 、早い時間にもかかわらず、20人余りの人がいた。あり難い事にお払いを申しこまれた方々と差別することなくご一緒に 祝詞を聞かせていただいて、祓っていただけでなくお神酒も頂いたうえ、お話を聞かせていただいた。私たちになかった事は玉串の奉納だけで本当に分け隔てのない扱いに感謝した。
まだ、境内ではお掃除をされている神職の方もいたが、この神社の五十鈴(いくたまむすび たるむすび たまめむすびの3つの魂の状態を表したというみむすびの精神)を記念に買って帰った。
その後、下市口までタクシーで出たが、途中これからどの神社に行くか思案していた時、「一番近いので橿原神宮に行きませんか」とお尋ねすると、笑いながらノワタリさんは「以前、お参りした後 宝物殿の神武天皇の肖像画の前で『おなごごときが』と言われた」と言った。それで今回はパスして、大三輪神社にご挨拶し、元伊勢である檜原神社にお参りし、歌を歌われご挨拶した。ここは社殿も拝殿もなく、山が御神体だという。今回の旅の天河神社以外はご挨拶で、2年後ゆっくり車で回ってお仕事をする事になる。
ノワタリさんが、この奥のほうに荒神様があるからと言って、タクシーで笠山荒神にお参りした。よく地理の事は分からないが、集落を離れ、田園地帯を進み、人里はなれた所にあった。駐車場の前に蕎麦屋があった。先にお参りして、其処でお昼を頂く事にした。
両脇に灯篭がずっと並んで風情があり、静であった。そこでノワタリさんは歌を歌われ、ご挨拶をしてお不動さんをお参りして参道をひっくり返して出ようとしたら、寄付した人の名が彫ってある石塔に「桐野利明」という名前を見つけた。同姓同名だろうな神戸市とあったから...
その後、石上神宮にご挨拶し、電車で京都に出た。新幹線の時間まで余裕があったので、温泉で旅の汗を流し、飲みながら食事を取りよい気分で帰りかけたが、出口近くのお手洗いに行くとどうも間違えたらしく、従業員のトイレで隣にはリネン室とある。なんだか寒気がするのでそそくさと出た。ノワタリさんは間違えずにお店のお手洗いに行ったが、顔色を変えて出てくるなり「いたのよ!」と言う。
場所柄、京都だもの成仏できない幽霊さんもいるだろう。そこで今回の旅は終了し、京都駅でお別れした。