天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

八つ橋

2019-04-13 16:35:02 | 日記
加藤美優さん、平野美宇さん、お誕生日おめでとうございます。お互いにしのぎを削って東京五輪でご活躍ができるよう応援しています。取り敢えずは世界卓球ブタペスト大会での制覇を目指してください。というても、東京五輪選考レースには石川佳純、伊藤美誠両強豪選手の厚い壁がある。また、めきめき頭角を現している早田ひな選手もいるし、佐藤瞳、橋本帆乃香両カット戦法選手も五輪戦略上、選ばれる可能性もある。いずれも目移りする名花であり、誰が最終の3人に残るかやきもきするのは、
世の中に たえて桜の なかりせば
 春の心は のどけからまし
―といった感じである。
『伊勢物語』第82段に出て来るこの歌は、文徳天皇の第1皇子、惟喬親王が花見の宴を催したとき、在原業平が詠んだとされる。それに唱和して別の人が詠んだのは
散ればこそ いとど桜は めでたけれ
 憂き世になにか 久しかるべき
―散るのも風情と見ている。五輪選考に漏れても、それもまた花の命だと言うてるみたい。次の83段も惟喬親王と業平の切々とした交情を描いて伊勢物語の白眉と思う。
忘れては 夢かとぞ思ふ 思ひきや
 雪踏みわけて 君を見むとは
―この段に来ると、いつも慟哭してしまう。
京都の土産はいつも八つ橋を選ぶけど、元祖紛争の起きるずっと前から、ブランドは井筒八ツ橋が癖になっている。この井筒八ツ橋も命名は伊勢物語に起因していると推定し、菓子のことなので深くも考えず、一つの章段にあると勘違いしていた。第23段、
筒井つの 井筒にかけし まろがたけ
 過ぎにけらしな 妹見ざるまに
返歌
くらべこし ふりわけ髪も 肩過ぎぬ
 君ならずして 誰かあぐべき
―という風に、有名な丈比べの「筒井つの」の段には「八つ橋」は出てこない。八橋は、「身を(必)要なき者」と思って京都から東京に向かう『東下り』(第9段)に出て来る。愛知県三河地方を通過した時、八橋という沼沢地があり、その命名の由来は水路が蜘蛛の手足のようにいっぱいあって、橋が8本も架かっていたためという。そこにカキツバタが綺麗に咲いていたので、この5文字を順番に和歌の5句の最初の1字に詠み込んで、歌を作ってみようということになった。
らころも つつ慣れにし ましあれば
 るばる来ぬる びをしぞ思ふ
―むかしの人は、こんな言葉遊びをやったんや。今の政府のスポークスマンが「その批判は当たらない」なんて、干乾びた紋切り口上を繰り返しているのは、先祖様に申し訳ない気がする。
ひとの誕生日を祝うてばかりもいかない。きょうは愛猫みゃー太の11回目の月命日に当たる。

君つなぐ 井筒八つ橋 供へ置く
夢の懸け橋 渡り来むかと