石楠花

やっとわしもゴールデン・ウィーク入り。天皇賞で蒙った甚大被害を埋め合わせるためボードを開いたら、株式市場はお休みやんけ。卓球観戦に深入りして寝ぼけた頭で今朝聞いたラジオが、ＮＹダウもナスダックも上昇と言うてたから、喜び勇んで損した。仕方ないので、きのう仕事中に鑑賞していたプライムビデオの『オーケストラの少女』が、無粋な接客のため中断された続きを観ることにした。映画は戦前で終わってるな、と思えるほど良く出来てるわ。主人公の少女パトリシア・カードウェルが、名指揮者 Stokowski の館に押しかけ、来る理由はねえだろうと追い返されそうになっても、粘り強く、
I had a hundred of reasons. Would you like to hear them? Here tyey are!
と、勢いよく２階部屋の扉を開けると、少女が失業中のミュージシャンを集めて結成したオーケストラが邸宅の階下に勢揃い。ジャーンと演奏を始めると、最初はくそったれ顔をしていたストコウスキーが次第に曲に乗せられ、手指揮棒を振ってしまう、という定番の感動ストーリーやった。こっちも釣られて、水戸黄門の印籠より盛り上がってしもた。平成最後の一日にしては、下級国民らしく安上がりやった。超上級国民の経産省キャリアが薬物容疑で逮捕されたそうな。官邸をがっちり抑える同省関係者には、東京・池袋暴走車殺傷事件に見られるように、不逮捕特権があると邪推していたけど、間違いやったわ。
ご退位のセレモニーに呼ばれていないので、英国に真似のできない御英断に敬意を表し、在位中の一視同仁に叩頭し、皇統の弥栄を、日記の中でお祈りします。直接お渡しできないので、写真だけですが、やはり花木の皇帝と呼ばれるシャクナゲをお贈りします。花言葉は「荘厳」「威厳」だそうです。

人ながら　神にておはす　平成の
すめらみことや　いや常しへに

昭和

昭和の日、休日出勤。
まさに戦争と平和の帝やった。戦前は君側の奸に取り囲まれ、戦後は不信心者に取り巻かれ、さぞ難儀なされたろう。よく口元をひくひくさせられたのを、ユーモラスと受け止めるのは正しくなく、内面のご不自由、怒りを込められていたのではないか。間もなく令和の幕開けか。

　さつきまつ　昭和も遠く　なりにけり

武力ではそこそこまでやった国の伸長を、経済で目覚ましく伸展させることができた。でも、武力でも経済でも、やっつけた方は痛快やけど、やられた方は激痛が走る。どっちの方法で勝ち上がっても、支配する側は守りを一層固めるし、支配抑圧される側はぶち壊そうとする。
一つだけの花を咲かそうとしなければ活気が失われるし、咲かそうとすると角逐が生まれる。人間の存在原理の中身は、事象の地平面の中のように見ることができない。些細でも複雑だった数十年の生涯を総括することも、統一することもできないうちに、昭和も平成も過ぎていく。後生には平和と安穏を望んでも、当人は退屈で迷惑だろうし、心配しなくても新たな争いの芽は撒かれている。それらの激突を回避したくとも、宇宙マイクロ波背景輻射を読み取って世界創成の秘密を解読するまでには、人間の知恵は至っていない。

絶え間なき　水の流れの　川さへも
曲がりて破れ　末は涸るあり

必殺技

十連休と、平成の終焉と、令和の幕開けに突入した。皇室行事が続き、高貴な紫のイメージが漂い、花は藤の似合う節気である。
早朝出勤のため午前４時起きなのに、２時からの世界卓球選手権女子ダブルス準決勝の伊藤美誠・早田ひな対佐藤瞳・橋本帆乃香ペア戦を観るため目を覚ました。少し遅れて始まり、瞳ほのかペアが良く粘り、断然盛り上がった３時過ぎ、プレー中にコマーシャルが入り、放送時間がいきなり終了した。恐らくＢＳではライブ中継を続けていたのやろけど、受信アンテナが立っていない下級国民なので諦めた。寝直しに努めたものの、あえなく起床時間を迎えた。
春の天皇賞も、道半ばでいきなりゴールにしたら、ヴォージュの勝ちやったのに、全２マイルを走るうちに賭け馬が全滅し、ゴールデンウィークは初日から躓いた。
立ち上がった瞬間、鉄壁の中国選手に日本卓球選手が勝つ方法を思い付いた。水谷隼や丹羽孝希両選手のような華麗な卓球もエエけど、まともにあの高速ラリーとパワーにぶつかるのでなく、必殺のヘアピンサーブを磨くのが必勝法や。このためには、中国・武漢でアジア選手権の男子シングルス決勝に進んだバドミントンの桃田賢斗選手に、帰国後早速、ヘアピンショットのコツを習うことを奨める。強烈な逆スピンを掛けてネットぎりぎりに落とした瞬間、ネットに戻ってぶつかるよう工夫すれば百戦百勝である。
取り敢えずは今晩、美誠ちゃんに公約３つのうち１つの金をもぎ取ってほしい。囲碁の世界では、１０歳のプロ棋士、仲邑菫ちゃんが２戦目にして早くも１勝を挙げたやんか。これに元気を得て、みまひなも、難攻不落の中国ペアを打倒する勇気がわいたと確信するで。

日の本は　黄金の節に　入りにけり
山吹色の　つとぞ待たるる

包丁

お茶の水女子大付属中学校の教室で、秋篠宮殿下ご長男の机の上に包丁２本が置かれていたとはどういうことや。いま時、最寄りの小中学校の校舎には、父兄でも簡単に出入りできないよう用心しているのに、この学校とか、警備当局とか、宮内庁のタガは、どこまで緩んでるんやろ。公務員は率先垂範して十連休励行か。民間のサービス業はゴールデン・ウイークに働く人が多いで。令和の新時代到来と言うても、浮ついているだけで、政府全体の体制とか精神に、根本的な欠陥があるんやないか。
高速卓球の「みまひな」と、ユニークなチョッパー・ペアの「瞳ほのか」が対決する、世界卓球選手権女子ダブルス準決勝は、こういう舞台でめったに観ることができない戦形の、楽しみな一番や。どっちも勝ってもらいたいけど、いずれにしても日本ペアが決勝に進めるので、安心して観てられるわ。カット戦法やと時間が掛かりそうなんで、酒を買い足しておかんといかんな。ただ、開始が２７日午前２時というやんか。始まる前に酔いつぶれてそうや。あした仕事やし、ビデオも味気ないし、困ったこまった。

憲法で　象徴なれば　こきつかひ
生殺与奪か　政府の姿勢

丹頂

いやあ、真夜中にライブで平野美宇と加藤美優の４回戦を観ることができ、世界卓球ブタペスト大会を臨場感いっぱいに楽しませてもらった。気合の入ったテレビ局には大感謝や。一押しやった美優選手も、中国を恐れさせた美宇選手も、中国の両横綱、劉詩雯、丁寧にスピードで引けを取らずに渡り合って、最後まで流れの急変に期待を持たせてくれた。負けたのは相手が凄すぎた。これで来年の東京五輪に浮ついた幻想を持たずに、リアルに試合を楽しむことができる。女子ダブルスはどっちに転んでも銀以上は取れるし、吉村真晴・石川佳純ペアの連覇も大いに期待できる。何より、あのクールかつニヒルな雰囲気の丹羽孝希がとんでもないことをしてくれる予感がする。ピーンポーンやったら、祝杯を多めに挙げよ。
そうなったら、自然と笑みがこぼれるな。そうや、春の天皇賞はユーキャンスマイルの一点買いでいこう。待てよ、平成から令和に時代が変わる命名の典拠になった万葉ステークスで、武豊が騎乗するユーキャンスマイルを鼻差で退けた、ヴォージュが面白いかもしれん。いやいや、丹羽が頂点に立つという意味で、丹頂ステークスを獲っているリッジマンが来るかもしれん。ヴォージュに大差を付けてたわ。無難には、菊花賞馬のフィエールマンやろけど、丹羽金メダルの祝杯が安酒になってしまうため、ここは穴のリッジマンで勝負しよッ。
あッ、軍資金が要るなあ。大型連休は銀行が不便やわ。えッ、イオン銀行はずうっと利用できるのか。早よ、口座開設しに行こう。この時代、ＩＴに劣後する商売には付き合い切れんもんなあ。日本は海外の様子をじっくり眺めて、ゆっくり真似て、それからサービス開始やから、５Ｇ通信でも何でも周回遅れや。それだけ石橋を叩いても、バグが出ましたと言うて、ＡＴＭが長いこと停止したりする。美宇美誠の高速卓球時代に、温泉でピンポンしているようなもんや。ちなみに私は競馬ネットに入っているため、休日に閉まる銀行に頼らなくてもよい。

ピンポンや　希望の光　丹羽孝希
祝ひ酒挙ぐ　走れリッジマン