五輪今大会で一番見たいと思っていた昨日の卓球男子シングルス決勝が、いくら地上波チャンネルを切り替えても放送しないので寝た。その前に、ネットで馬龍と樊振東のどちらが勝つか予想アンケートしていたので馬龍と回答した。その時点で馬龍が第1ゲームを取っていたようだった。
けさ、何とか映像が見れないものかとネット検索したら、NHKの「ロボット実況」とかで、撮っているのが見付かった。NHKが教えてくれないし、SNSもどちらが勝つかとか暢気なクイズでなく、ロボット実況のことを教えてくれればよかったのに。
当たり前である。日本で開催したオリンピックの卓球決勝戦をのちに振り返る時、映像が無いので中国のテレビに借りに行くのでは、NHKのメンツが丸潰れであり、歴史的な損失となる。それなら、視聴者に見方を教えておいてほしかった。混合ダブルスの金メダルだけで満足している人ばかりではないと思う。オリンピック史に残るであろう、五輪初の連続制覇の瞬間に馬龍が両手で作ったハートマークのシーンを、新聞やネット情報で知るというのは、駄洒落風に間(馬)が抜けている。
第1ゲームの連続6ポイント連取の時と、第2ゲームの7-7に盛り返した際のカウンタークロスが馬龍の強さを象徴していた。ターミネーターのようにどんな球でも返してくる樊振東の異次元の高速卓球の、そのまた上を行く瞬殺の切れは神技としか言いようがない。
中国のワン・ツー・フィニッシュといえば、同じ昨日のトランポリンも見せた。チャイナ・ドレス風ウェアの女子代表2人が、飛龍のように躍動して目を楽しませてくれた。
最後から2番目の演技に立った劉霊玲が圧巻の56点台後半の得点を出して、他を1点以上引き離す断然首位で、金メダルの期待が膨らんだ。ところが最後の朱雪瑩がさらに高得点を出して金メダルに輝いた。この時、霊玲の目に涙が浮かんだ。女の涙は美しいとの意味ではなく、この悔し涙が中国の強さの原動力だと思った。
しかし、これはドイツであれ、アメリカであれ、イギリスであれ、各国共通である。同胞と歩調を取って、労わり合い、共に涙するのを美徳とするような風潮では、厳しさに欠け、最後の所で勝ち切れないことも出てくるだろう。諸事、人目でなく、神との対話でやり抜かなければならない。
東京五輪予想記事はどうなっていたのか。大きく取り上げられた種目、選手が早々にボロボロ脱落し、代表選手なので初耳とは言わなくても聞き覚えの無い選手が金などメダルを獲得したり、勝負は時の運で済ませられない錯誤があるのではないか。
期待に反する選手を云々すると、SNSによる暴力だと指弾されるので口を閉ざすけれど、錯誤の要因の一つには言及したい。
予想と結果が異なるのは試合の必然の運命だから仕方ないけれど、競馬の予想ではないのだから、人と人との競技の分析がもっと緻密にできなかったのか。卓球ミックスダブルスのように9分9厘取れるはずが無いのに金メダルだったり、ゴールドラッシュのはずのバドミントン代表選手の顔が墨だらけのバッドミントンになったり、不可解極まりない。
選手の力量は代表戦を勝ち上がらなければ出場すらできないのだから隠しようがないけれど、それを国際的視野で比較衡量して正確に伝えなければならないメディアに問題があるとしか考えられない。
スポーツを伝える担当者は、一般にスポーツを齧ったことはあるけれど、箸にも棒にも掛からずに、伝える側に回った者が多いのだろう。だから選手の力量を自分の目で正確に把握できない。このため選手本人か、コーチ、監督から聞き出す伝聞に頼らざるを得ない。聞き出すにはおもねりがはびこる。絶好調と言えば、記事では絶好調になってしまう。
また、生活のために読者にもおもねらなければならない。人気が有ったり、有名な選手は、強く、上手く、美しく伝えなければならない。そんなことで実態に迫っているのか疑問である。予想外の結果ではなく、実態外の予想が蔓延していたのではないか。
そんな物に惑わされずに、フラットな目で五輪競技を探すと、今朝10時から行われる『自転車BMXレーシング』のような面白い掘り出し物があるではないか。やはりメディアは既成概念に囚われて、午後に録画でしか放送されないけれど、ネットで結果をチェックすることなく、うぶな目で楽しみたい。
今日は『海の日』なので、3年前に米ラスベガスで買ったシャツを下ろしてお出掛けした。ルーレットで勝ちまくっている時、実家の愛猫が亡くなった悲報が届いた。生まれてこの方、間の悪いことばかりの気がする。
海の日に
よろづ国来て
腕競ふ
倦みもせず我
詠ふが如し
東京五輪開会式セレモニーはノープロブレム。急遽演出を委託された怒源氏のプランでは、富士山の雪山から#The hills are alive with the sound of music#と歌いながらヒロインの渡辺直美が滑り降り、裾野の草原でドレミの歌を東京五輪音頭の替え歌にして熱唱。コロナ禍の困難な中、不退転の決意で準備を進めてきたIOCや各国選手団への感謝を捧げる。
そこからスノボーをスケボーに履き替え、音速のスピードで富嶽三十六景に聞こえた箱根湖水や神奈川沖浪裏を1分で通過し(CG映像)、東京・代々木の五輪会場に滑り込む。法被姿のダンサーや津軽三味線、和太鼓陣が取り巻く大舞台で、主役の直美がニューヨーク仕込みの歌と踊りを披露。パフォーマー仲間のビヨンセ、レディー・ガガと、カマラ・ハリス米副大統領らからのメッセージを披露する。
フィナーレは得意のバスケットボールを、五色五輪に輝くゴールにフリースローやダンクシュートを次々に決めて、新型コロナ撃退の大花火が打ち上げられ、東京五輪の開幕を告げる。
睨み合ひ
この日をもちて
ノーサイド
ノアと成るとも
先ず漕ぎ出でむ
プロ野球オールスター戦も大相撲も終わったので、きのう長野オリンピックのスキージャンプを題材にした映画『ヒノマルソウル』を観に行った。試合本番前のコースを均すテストジャンパーの話というので、地道に健気に裏方を務める人々の物語かと思っていたら、意表を衝いてけっこうリアルな人間模様が描かれ、実話の味が出ていて面白かった。
しかし、作品の出来栄えより、土屋太鳳というヒロイン女優の美しさが印象に残った。むかしの銀幕スターは、アップの女優だけが白く輝くようにフイルムに加工を施したのではないかと思われる不自然な美しさだったけれど、こちらはそのままで浮かび上がる嫋やかさがあった。
以前、NHK連続テレビ小説でブームになった『あまちゃん』から『ごちそうさん』『花子とアン』『マッサン』と続いて見るようになったのに、『まれ』は女のエキスが迸る感じがして、こちらには無縁と、それ以来朝ドラを見るのは止めている。それが意外にも、女優のオーラを感じるようになったのだから、時の経過とともに人は変わる。
スターといえば、手の届かない遠くで輝くものだから、身の回りの美人を少し磨いたような日本女優に憧れるような心情は湧いたことがなく、ビビアン・リーとかジョン・フォンティーンら外国女優にそれに近いものを感じたことはある。日本女優だと自分好みといったレベルにとどまり、原節子、山本富士子、吉永小百合といった代表的美人女優より、高峰秀子、八千草薫の方に惹かれた。若尾文子、岩下志麻も妖艶だったけれど、やっぱり一番の美人は香川京子だった。もう無用になったそうした過去の記憶を引っ張り出して、比較したくなるような存在感を土屋太鳳は放っていた。
女優の写真を前に熱くなるようなことはなくなったけれど、とにかく今日は暑い。しかし、昼間にエアコンを掛けるような習慣が無いから、こういう時ばかりは3年前に亡くなった愛猫が、ぐったりしているのを見なくてもよくなったのが、心の救いである。
オリンピック幕開けの明日の宮城スタジアムでの女子サッカー予選リーグ中国vs.ブラジル戦は17時キックオフではまだ暑いだろうなあ。25日からの水泳か屋内競技以外は炎暑とのサバイバルゲームになるだろう。代表選手を呼んだからには、「おもてなし」が看板の五輪なので、親身にケアしてあげてほしい。英語とか言葉が通じなくて、相手の要望に応えてあげられない、ということがないよう、スタッフ教育には万全を尽くしてほしい。この期に及んで賛成だ、反対だの内輪の議論はシャットアウトしなくてはならない。五輪組織委に加わった者なら関係各位、コロナ感染など恐れず、身命を賭して、誠心誠意尽くすのが義務である。
開会式セレモニーには当初案をリフレッシュして、渡辺直美さんの明るく元気なサプライス登場を期待している。それがコロナや女性差別やいじめ虐待などで、ボロボロに傷付いた東京五輪の暗いムードを一変させるゲームチェンジャーの働きを果たすであろう。
Viva Tokyo! Naomi come back to me!!
台湾の新型コロナ感染を当初抑えた天才と高評価のオードリー・タン・デジタル担当大臣が東京五輪開会式出席予定を取り止め、「東京五輪の防疫対策に協力するため」と言っているとのネット記事を読んで、意味が通じず、最後まで読まずに放って置いた。けさの読売新聞では、IOCから「防疫面を考慮し、開会式の出席者は五輪委の首席、秘書長や、国家元首、首相らに限る」との電子メールを受け取ったのがキャンセル理由のようである。これでは完全に中国の毒が国際オリンピック委員会にも回っていると判断せざるを得ない。IOCのバッハ会長が五輪組織委などとの5者会見で、日本を中国と呼び間違えた背景はこれだったのかと思い当たった。WHOの事務局長といい、国際機関に共産中国の影響力がここまで浸透していることに暗い脅威を覚えざるを得ない。
年寄りの最大娯楽の大相撲が、唖然とするほど横綱白鵬の強さを見せ付け、千秋楽の幕を閉じ、プロ野球のオールスター戦も終わり、見る楽しみが無くなった。アマゾンのプライムビデオで何か掘り出し物でも探さなくてはならない。新シャーロック・ホームズの『エレメンタリー』シリーズはシーズン1で飽きた。英国テレビタレントのジェレミー・クラークソンが広大な敷地を借りて機械農業に挑戦する「クラークソンの農場」は、様々な困難やハプニングに遭いながら、それなりの成果を出していく過程に惹き込まれ、あっという間に全8話を見終わった。農作業サポートの青年や、とぼけた石職人ら、脇役も魅力的だった。ぜひシーズン2の無料放映を期待したい。次に見るべき作品を物色しているうちに、読売の週間テレビ案内に、「海岸で、女子高生3人が全裸で倒れている」と解説する『漂着者』と題する新ドラマを紹介していたので、すぐにビデオ録画の準備をしたけれど、解説のそのあとに「漂着者の男性(斎藤工)を発見する」と続いていたので、全然面白そうでなく、止めた。この記事担当者に文句を言いたい。エネルギッシュなアスリートたちが選手村で熱い国際交流を始めているのに、自分だけいつまでも家に籠って、マスターベーションに満足している場合ではない。
全国的に梅雨が明け、日本列島に猛暑が襲ってきた。折りしも東京五輪の開幕が迫り、万国の強者が集結しつつある。花街の吉原とか川崎などは国際色豊かに大賑わいとなるであろう。『方丈記』の鴨長明よろしく、現場の実況見分に出向きたいけれど、君子は危うきに近寄らず、暫くは日本列島の最縁部に退避するのが賢明だと思う。2度目のワクチン注射も打ったので、澱んだコロナ菌が蔓延する本島を避け、鬱陶しい梅雨が明け、エメラルドグリーンの海が広がる沖縄で1カ月ほどのんびりするとしよう。
ぱいかじの
かりゆし身に着け
いざ往かむ
那覇の港に
ちゅら女に逢いに